立命館大学食マネジメント学部シリーズ
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
スローフード運動とは?…イタリア発の歴史と新たな展開
スローフード思想と新しいガストロノミー
石田雅芳(立命館大学 食マネジメント学部長・食マネジメント研究科長・教授)
スローフード思想は、ファストフードに代表されるモダニズム的価値観への対抗として誕生した。その活動は、地域の伝統的な食や持続可能な食の在り方の保存として展開され、近年「新しいガストロノミー」という考え方に行き着いた。立命館大学食マネジメント学部教授の石田雅芳氏が、スローフード思想を歴史的にひも解く。
時間:12分37秒
収録日:2018年4月26日
追加日:2018年9月27日
カテゴリー:
≪全文≫

●「スローフード」の歴史をさかのぼる


 立命館大学食マネジメント学部教授の石田雅芳と申します。今回は、「スローフード」という言葉について、解説させていただきます。

 現在、スローフードは、もはや固有名詞ではなく、皆さん普通に使っている言葉だと思います。例えば、「今日はスローフードな食事をした」とか、「スローフードなレストランである」とか、「スローフードな人生を送っている」とか、簡単に使えてしまいます。

 そこでここでは、スローフードという言葉について、少し歴史的にさかのぼってみます。そして、スローフードという言葉が、一体どのように生まれて、どのように展開して、どんなところにたどり着こうとしているのかをお話しします。


●1986年に生まれた「スローフード」という言葉が世界中に波及


 スローフード協会の紋章は、カタツムリを用いています。スローフードは、北イタリアのピエモンテ州というところで生まれました。この協会はトリノの近郊にありまして、カタツムリを食べる場所でもあります。そこで、カタツムリが食べられるものであることと、ゆっくり歩くものであるということで、スローフード協会の紋章になっています。

 スローフードが生まれたのは、1986年です。この時期のイタリアでは、たくさんの食の矛盾が噴出していました。例えば、イタリアにも狂牛病の話が出てきたことや、イタリアのワインに不凍液が混入されるという世界的なスキャンダルもありました。そして、一番有名なのは、ローマで最も美しいといわれる広場(スペイン広場)の横にマクドナルドが出店するという話でした。それで、イタリア人たちもいよいよ食の安心・安全というものを語り始めるようになりました。

 この時、他国ではもう少し乱暴な反応もあったのですが、イタリアではそれほど大きな運動には発展しませんでした。そんな中、例えば、ローマのスペイン広場では、毎日お昼になると母親たちがトマトスパゲティを配り始め、「私たちはマクドナルドのハンバーガーよりもスパゲティを食べ続ける」と頑張っていました。

 その中で、スローフードの運動を始めた人たちは、だいたい30代から40代の人たちでした。この人たちは、分かりやすくて、かつ国際的なレベルで人々に影響を与えるような運動ができないかと考えました。そこで、こ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
もっと知りたいイヌのこと(1)イヌの歴史を振り返る
オオカミはいつイヌになったか…犬の起源と家畜化の歴史
長谷川眞理子
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
発酵はマジックだ!
色を消し、脂を溶かし、水を分解―スゴすぎる発酵の力!
小泉武夫
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子

人気の講義ランキングTOP10
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
編集部ラジオ2026(20)W杯に想う聖徳太子の「和」の力
【10minで考える】W杯と聖徳太子流・勝利への「和の力」の真実
テンミニッツ・アカデミー編集部
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
ラカンの精神分析~心の謎を解き明かす(6)オープンダイアローグと過程の重視
治さないと治る!?オープンダイアローグは逆説でできている
斎藤環
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(7)自分の人生のために
AI時代こそAIでなく「生きた学び」で自分の人生を膨らませる
橋爪大三郎
老子の神髄(2)達人の境地と「無為」
無為とは「絶対なる喜びを得る」こと…その境地こそ長寿への秘訣
田口佳史
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
ギリシア神話の基本を知る(1)「ゼウス以前」の神々の戦い
ギリシア神話…ゼウスの「父親殺し」とオリュンポス十二神
鎌田東二
認知症とは何か(1)疾患の種類と対応
多くの認知症の原因は「脳のゴミ」の蓄積
遠藤英俊
知られざる「脳」の仕組み~脳研究の最前線(1)脳科学と「ミクロのマクロの隔たり」
脳が生きている、死んでいるとは?最新研究で迫る脳の秘密
毛内拡