イノベーションの本質を考える
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
人間の本性を突いて成功したFacebookやLINE
イノベーションの本質を考える(7)人間の本性
楠木建(一橋大学大学院 経営管理研究科 国際企業戦略専攻 特任教授)
シリーズレクチャーの総括として、イノベーションを起こす際に、何をやるべきでは「ない」かについて論じる。ポイントは、イノベーションとは組織的に生み出すことができないということである。(2018年9月7日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「イノベーションの本質」より、全8話中第7話)
時間:8分25秒
収録日:2018年9月7日
追加日:2018年11月30日
≪全文≫

●イノベーションは命令してできるものではない


 すでに申し上げたように、非連続的なイノベーションに成功すると何が良いかというと、敵が頑張れないのです。松下のウォークマンの方が薄くて軽くて音が良いらしいのですが、皆はソニーの商品を買います。問題は、自分で努力できないということなのです。「もっと薄くするように」ということなら、指示はできるし、ターゲットの設定もできます。しかし、「そうしたアイデアを思いつくように」と命令しても、なかなかできません。これは全く違う活動だからです。

 それゆえ、話は必ず「では、どうしたらよいのか?」という方向に行きます。しかし、イノベーションは滅多にないことなので、そう簡単にはいきません。「どうやったらイノベーションを起こせるのか?」という問いは、もはや愚問なのです。


●イノベーションで大切なのは「頑張るな」ということ


 しかし、今回お話ししてきたことから、どうすれば良いかは分からないにせよ、こういうことはやらない方が良いということは幾つか考えることができます。

 そのうち最大のものは、イノベーションで大切なのは「頑張るな」ということだと思います。「イノベーションで頑張るぞ」と言う発想が、間違いの始まりです。僕が嫌だなと思ったのは、「今月中に1人当たりイノベーション案件5個出せ」というような命令です。こうした動きが出た時点で、もうその瞬間にイノベーションはあり得ず、それは進歩にすり替わっていると思います。

 つまり、イノベーションはいつかどこかで誰かが思いついているものなのです。しかしその最初の部分は、組織的になされるものではありません。一方、技術的な進歩であれば、例えばトヨタのように、総力を結集してハイブリッドエンジンの燃費を良くすることができるでしょう。

 ですから、「イノベーション推進本部」というものも、センスがないと思っています。本部で推進するものではないという話なのです。何かできるとしても、何かイノベーティブなものを思いついた人が、通常のレポーティングラインとは別に、そのアイデアを持って飛び込んでいくことができる、窓口のようなものをつくることでしょう。


●インセンティブではイノベーションはできない


 もう1ついうと、インセンティブではイノベーションはできないとい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
不便益システムデザインの魅力と可能性(1)「便利・不便」「益・害」の関係
便利を求めるだけのいいの?…「不便益」で発見できる新たな魅力
川上浩司
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
優れた経営者の条件(1)スキルとセンスの違い
経営者のセンスは担当者のスキルとは全く違う
楠木建
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
営業の勝敗、キリンの教訓(1)やる気のない社員になる理由
なぜ「やる気のある社員」が日本では6%しかいないのか?
田村潤

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(39)上野誠先生の万葉集講義と現代
【10min解説】万葉集に学ぶ「公務員倫理法」の大失敗?
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(6)ピョートル大帝の宗教改革
王座に乗った革命家・ピョートル大帝の「宗教改革」と、ソビエト時代のロシア正教の「弾圧」と「利用」の実情
上月豊久
「良き対話」とは?――哲学から考える(1)対話とは何か――会話・説教との違い
「良き対話」のヒントを哲学から考える…「対話」の大前提とは、そして「会話」「説教」「場回し」とは何が違うのか?
納富信留
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
『源氏物語』を味わう(3)形容詞からの楽しみ方
美しい形容詞の使い分け…『源氏物語』の表現を味わう
林望
「満洲」から考える日本とアジア(9)アヘンの実態と満洲開発
満洲国の開発とアヘン問題…アヘンが資金源となったのは事実だが「同時代の世界」と比較せねば真実はつかめない
宮脇淳子
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(1)国守・大伴家持と地方社会の日常
『万葉集』でわかる奈良時代の貴族と地方豪族の関係と日常…歌人・大伴家持の歌に秘められた国守時代の苦労話
上野誠