生活支援ロボットと人の共生
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
生活支援ロボットの実証実験場としての役割
生活支援ロボットと人の共生(2)ロボット産業特区
科学と技術
村田知之(神奈川県総合リハビリテーションセンター 研究部リハビリテーション工学研究室研究員)
神奈川県総合リハビリテーションセンターで扱う「生活支援ロボット」とはどんなものなのか。なぜ病院で実証実験が行われるのだろうか。最先端技術の「共創」空間として、多彩な職種が力を合わせる実態と、その受入窓口としての具体的な役割は、どのように変化しているのだろうか。(全9話中第2話)
※インタビュアー:谷口和弘氏(慶応義塾大学商学部教授)
時間:6分33秒
収録日:2018年12月6日
追加日:2019年7月16日
≪全文≫

●生活支援ロボットの実証フィールドとは


谷口 前回訪問したときにもいろいろお話をうかがいましたが、神奈川県が今ロボット産業の育成に非常に力を入れている。特に県央部(厚木市、藤沢市、相模原市)にロボット産業のクラスターを育成しようとしていて、「さがみロボット産業特区」と言われています。そのなかで、神奈川県総合リハビリテーションセンターは、どういった位置付けになっているのでしょうか。

村田 さがみロボット産業特区の中で、この神奈川県総合リハビリテーションセンターは、いわゆる生活支援ロボットの実証フィールドになっています。生活支援ロボットなので、その他の、たとえば工業用ロボットなどは当センターではあまり関与していません。

 生活支援ロボットは、その名のとおり生活を支援するロボットです。リハビリも含めて生活の補助具としてのロボットが多彩にありますが、共通して言えるのは、「対ヒト」であることです。つまり人のために使うロボットですから、先ほども言ったように、人のことを知らないと何かしらの不具合が起きてしまうのではないか。そういった視点をしっかり持って、このセンターで評価しています。


●開発から使い方の注意点までを、企業とともに考える


村田 ここはリハビリテーションセンターなので、医師はもちろん、リハビリの専門職種である理学療法士や作業療法士もいる。義足などのスペシャリストである義肢装具士もいる。多様な職種の集まるセンターです。

 私どもは、先ほど言ったような実証実験として、県から「評価してほしい」あるいは「相談に乗ってほしい」と言われたロボットを受け入れる窓口になります。このロボットなら、どの専門分野に評価してもらうのがいいか、もしくはメンバーとして入ってもらって一緒に評価してもらえばいいかを考える。そのように、県から来た実証実験のロボットを病院の中でコーディネートし、県や企業へのフィードバックまでを受け持っています。

 ロボットの中には開発段階のものもあれば、すでに完成されたものも来ています。開発段階のものであれば、これからどういうところを目指していくかについてもアドバイスしますし、完成されたものであれば、その使い方や注意事項などを企業と一緒に検討していくわけです。

谷口 それは「共創」ということですね。われわれ経営学には「競争」をターゲットとした...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(1)量子コンピュータとは何か
「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか
武田俊太郎
未来を知るための宇宙開発の歴史(1)宇宙開発の流れを概観する
宇宙開発の歴史、そして未来へ…6枚の写真で概観する
川口淳一郎
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
知能と進化(1)知性と身体性
AI、ディープラーニングとは…知能と身体性は不可分か?
長谷川眞理子
2050年「プラチナ社会」実現への挑戦(1)「プラチナ社会」実現のルーツと現況
2025年頭所感~5つのプラチナ産業イニシアティブ創りへ
小宮山宏
海底の仕組みと地球のメカニズム(1)海底の生まれるところ
地球上の火山活動の8割を占める「中央海嶺」とは何か
沖野郷子

人気の講義ランキングTOP10
海底の仕組みと地球のメカニズム(1)海底の生まれるところ
地球上の火山活動の8割を占める「中央海嶺」とは何か
沖野郷子
未来を知るための宇宙開発の歴史(9)宇宙開発を継続するための国際月探査
「国際月探査」とは?アルテミス合意と月探査の意味
川口淳一郎
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
トランプ・ドクトリンと米国第一主義外交(1)リヤド演説とトランプ・ドクトリン
トランプ・ドクトリンの衝撃――民主主義からの大転換へ
東秀敏
「集権と分権」から考える日本の核心(5)島国という地理的条件と高い森林率
各々の地でそれぞれ勝手に…森林率が高い島国・日本の特徴
片山杜秀
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(3)共同保育を現代社会に取り戻す
狩猟採集生活の知恵を生かせ!共同保育実現に向けた動き
長谷川眞理子
第2の人生を明るくする労働市場改革(1)日本の労働市場が抱える問題
シニアの雇用、正規・非正規の格差…日本の労働市場の問題
宮本弘曉
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
定年後の人生を設計する(1)定年後の不安と「黄金の15年」
不安な定年後を人生の「黄金の15年」に変えるポイント
楠木新
知識創造戦略論~暗黙知から形式知へ(2)イノベーションとプロセスの質
「プロセスの質」こそがイノベーションの結果を決める
遠山亮子