生活支援ロボットと人の共生
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
海外と日本では車いすのイメージが違う
生活支援ロボットと人の共生(7)車いすとチェアスキー
村田知之(神奈川県総合リハビリテーションセンター 研究部リハビリテーション工学研究室研究員)
パラリンピックのたびに、進化した姿に目をみはる。家屋が狭く、段差の多い日本の環境では、できれば避けたい移動手段だった車いす。そのネガティブ・イメージは、見慣れなさに起因していたのかもしれない。今回は車いすの世界観とともに、神奈川県総合リハビリテーションセンターが発祥であるチェアスキーについてもうかがっていく。(全9話中第7話)
※インタビュアー:谷口和弘氏(慶応義塾大学商学部教授)
時間:12分02秒
収録日:2018年12月6日
追加日:2019年7月29日
≪全文≫

●海外と日本では車いすのイメージが違う?


谷口 先生の研究室には、車いすのフィギュアがたくさんありましたが、日本では一般的に、車いすに対するイメージがまだまだネガティブなのではないかと思います。私の親戚も車いす生活をしていて、たまに私も乗せてもらったりしますが、やはり不便さを感じ、普段行っている二足歩行のありがたみを知ります。

 ですから、RewalkやHALを使えば二足歩行ができる点は魅力だと思うのですが、先生が言われるように、トレーニングも積まなければ使いこなせないのでは大変だと思います。車いすの方が移動効率的にはかえっていいのではないかともうかがいました。

 このあたりは、国による意識の違いがあるのでしょうか。日本では車いすに対してネガティブなイメージがつきまといますが、海外ではフィギュアにもなれば、車いすのヒーローやヒロインもあり得る存在として描かれるように、1つの市民権を得ている。海外と日本の意識の差について、先生はどうお感じになっていますか。

村田 私はもともと建築を学んだので、その視点が強いのだろうと思いますが、そもそも生活様式の違いがあります。日本はずっと床で生活してきた文化で、皆さんの家もそうだと思いますが、玄関に段差があり、部屋の中にも敷居がある。トイレは少し前まで和式で、夜は布団で寝る。そういう生活をしてきたわれわれと、ヨーロッパやアメリカなどの椅子式文化では、まず段差などの環境が違います。そのため、車いすが利用可能になっても、日本ではあまり普及してこなかったことがあると思うのです。

 さらに、家の広さも違います。アメリカの家などのスペースを見ると、このゆとりが大きなポイントなのかと感じます。Rewalkなど、海外で使われている写真や動画を見ることもありますが、とにかく家が大きい。いざ生活で生かそうとなったときに、日本の住宅では廊下が通れない、車いすですらギリギリではないかと思います。ところが、海外の住宅だと十分通れるし、段差もありません。そういったところが、車いすに対する環境面の違いなのかと感じます。

 あとはやはり、椅子自体に対する考え方も、われわれの歴史は浅い。家の中で椅子に座るということすら、せいぜい戦後で、海外に比べるとやはり非常に少ないです。海外の方は椅子に座るのが当たり前で、マイチェアを持っているぐらいです。われわれの生活様...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
進化的人間考~ヒトの性質と異様な現代社会(1)進化のスパンと現在の人間生活
ヒトの進化史を文明の発展の時間軸から考える
長谷川眞理子
社会はAIでいかに読み解けるのか(1)経済学理論の役割
AIやディープラーニングによって社会分析の方法が変わる
柳川範之
知能と進化(1)知性と身体性
AI、ディープラーニングとは…知能と身体性は不可分か?
長谷川眞理子
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(1)量子コンピュータとは何か
「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか
武田俊太郎
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(14)小宮山宏先生:知識の構造化のために
【10min名作探訪】テンミニッツ・アカデミーの意義と発想法
テンミニッツ・アカデミー編集部
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
小澤開作と満洲事変・日中戦争(2)朝鮮人への迫害と闘う
「万宝山事件」朝鮮人を迫害から救うべく決起し、満洲事変へ
小澤俊夫
知識の構造化のために(1)テンミニッツTVの問題意識
「知識の爆発」の時代、不可欠なのは世界の全体像の把握
小宮山宏
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(4)ユダヤ人と金融
金融業にユダヤ人が多い理由、そして大国興亡史の裏面のユダヤ人
鶴見太郎
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(2)金本位制復活の現実味
金本位制復活の可能性は?…ネックは量の操作性、柔軟性
養田功一郎
ウェルビーイングを高めるDE&I(1)人と組織を取り巻く環境変化:前編
人材はコストではない!人的資本経営が注目されている背景
青島未佳
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(5)陸軍悪玉論の中の名将たち
武力を持ったエリート官僚たち…陸軍悪玉論と個々人の決断
門田隆将
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎