AIに善悪の判断を教える方法~新しい道徳論
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ロボットが人間の道徳次元を高める未来も近い?
AIに善悪の判断を教える方法~新しい道徳論(8)道徳のアルゴリズム化
鄭雄一(東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻教授)
道徳次元の高いロボットが家庭で、人間の道徳を高めることにつながる―鄭雄一氏が予測するのはこのような近未来である。少子高齢化社会では地域、国境を越えた仲間づくりが必要であり、そのための道徳のアルゴリズム化について、鄭氏が語る。(全8話中第8話)
時間:8分44秒
収録日:2018年6月20日
追加日:2019年7月17日
≪全文≫

●家庭のロボットが人間の道徳次元を高める


 この新しい価値軸を広めるために、私が今考えていることを述べさせていただきます。例えば法人においてはChief Moral Officer(CMO)のようなものを置いてもいいかと思っています。CTOとかCFOといった役職ありますが、新しい時代にはこういうものも必要ではないかと思います。

 また、人はなかなか他人の言うことは素直に聞かないものです。特にコアな価値観である道徳などについて、大人ですとなかなか素直になれません。ですので、近未来では、一家に一台導入されるロボットやAIを利用して、さりげなく新しい価値軸を広げるのはどうかと思っています。

 このような時代はそんなに遠くないと思っています。10年ぐらいしたら、われわれが考えているのとはすごく違った社会になっている可能性があります。ロボットというのは、ペッパーを見ても分かりますが、センサーの塊です。ですから、このセンサーの塊であるロボットが常にうちの中にいて、その家の人々の情報を取ってくるということになります。これに最高次元の道徳エンジンを搭載します。このセンサーを利用して音声であったり、脈拍や行動パターンであったり、相手の次元を計測しつつ個別に自然に導いていくのはどうかと思っています。


●ロボットで自然に高次の道徳次元に導く


 ロボットが最高次元の道徳エンジンを搭載しても、これは能書きを垂れるという意味ではありません。「あなたのやっていることは道徳次元が低いから、何とかしなきゃ駄目だ」、といったことをロボットが言うというのでは多分駄目で、さりげなく導いていく必要があります。人間がやらないのにロボットの方が、むしろ人助けをしたりもします。

 そうすると、ロボットの振り見てわが振り直せ、ではないですが、特に子どもたちはすぐに影響を受けると思います。ロボットのやっていることの方が、より寛容性が高くて、多様性を認める社会をつくるのに役立つのではないか、こちらの方がいけているのではないかとなると、親の側でも「しょうがない、やってみようか」というように思うのではないでしょうか。そのようなものがさりげなくできれば一番いいのです。

 荒唐無稽のように聞こえますけれども、今から10年もすればいろいろなかたちでAIやロボットが家庭の中に入っていって、いろいろな...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
人生に活かす東洋思想(1)人生の成功とは何か
東洋思想の「徳」や「道」をわかりやすくいうと?
田口佳史
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
デカルトの存在論に学ぶ(1) 「我思う、ゆえに我在り」
「我思う、ゆえに我在り」はデカルトの専売特許ではない
津崎良典
プラトン『ソクラテスの弁明』を読む(1)真実の創作
プラトンの『ソクラテスの弁明』は謎多き作品
納富信留
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ

人気の講義ランキングTOP10
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(3)ヴァイキング招致説とキエフ・ルーシ
ロシアの起源はヴァイキング?…キエフ・ルーシの興亡と、ロシアとウクライナの決定的な「歴史的溝」
上月豊久
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(3)国司と郡司のつきあい
郡司の妻たちと宴会!?……国司・大原真人今城へのはなむけの歌に記された「媚態表現」の真相と人心掌握術
上野誠
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留