AIに善悪の判断を教える方法~新しい道徳論
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道徳次元の計測、可視化のためのロバストな方法
AIに善悪の判断を教える方法~新しい道徳論(7)道徳次元の計測・可視化
鄭雄一(東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻教授)
道徳の次元が高いか低いかは、どのように計測できるのだろうか。鄭雄一氏は、これを可能にするために「異質・未知だが危害のない対象」を見せる方法を生み出している。具体的にどのようなものか、道徳次元が計測可能になると、どのような未来が生まれるのだろうか。(全8話中第7話)
時間:8分06秒
収録日:2018年6月20日
追加日:2019年7月10日
≪全文≫

●道徳次元3以下と4の人の違い


 もっとロバストな道徳次元の計測・可視化ができるかについては、一番大事なのは道徳次元4という最高次元が測れるかということなので、ここに絞って議論をしたいと思います。

 例えば、ここに道徳次元3以下の人がいます。この人が観測者だとすると、この人は自分の頭の中で、共通のおきてと個別のおきてがごっちゃになってしまっているわけです。定義上そうなっています。そういう人たちが、例えば他の文化の人から来た人を見たとすると、その人の共通のおきてと個別のおきてもごっちゃになって見えます。そうすると、自分は赤で、あいつは緑で違うからと、反感を覚えて仲間ではないと思ってしまいます。

 ところがもしここで、先ほど言った仲間らしさのデュアリティ、個別のおきてと共通のおきてに気付くことができるようになるとします。レンズのようなもので拡大してみると、実はこれは市松模様のようになっていて、中には赤の個別のおきてと黒の共通のおきて、相手も緑の個別のおきてと黒の共通のおきてでできていることが見えるようになります。

 そして、共通のおきての一般性と個別のおきての多様性を認めることができれば、この個別のおきては、多様なのが当たり前だと理解されます。そして共通のおきてさえ守れば、仲間になれると思えることになります。これが道徳次元4であると思います。

 そうすると、どうやってこの心の多様性、寛容性が計測できるかが鍵になります。


●絵を使って心の多様性・寛容性を測定する-道徳次元3以下の場合


 ここに、プロトタイプですが、心の多様性、寛容性の測定方法を示します。これはすでに実験をして、ある程度データが出ることを確認しているものです。例えば、観測者に「異質・未知だが危害のない対象」というものを見せます。それがどういうものか分かりにくいと思いますが、具体的には今は、非常に前衛的な芸術、絵を見せています。あまり皆さんが見たことのない、でも傑作といった絵があるのです。私は絵が昔から好きでずっと描いてきたので、いろいろ集めてあるのですが、それを見せます。

 そうすると、道徳次元3以下の人の場合、共通のおきてと個別のおきてが混在しています。ですから、当然異質・未知のもの見れば誰でも不安や恐...

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