AIに善悪の判断を教える方法~新しい道徳論
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
イノベーションに必要な多様性を実現するには?
AIに善悪の判断を教える方法~新しい道徳論(2)2つの道徳モデル
鄭雄一(東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻教授)
今の道徳には、個人に重点を置くモデルと、社会に重点を置くモデルがある。だが、鄭雄一氏は、いずれのモデルも、多様性と道徳をうまく両立させることができないと言う。グローバリゼーションの進む現代において多様性はどのように考えられるべきか、鄭氏が説く。(全8話中第2話)
時間:13分07秒
収録日:2018年6月20日
追加日:2019年6月9日
≪全文≫

●イノベーションのためには多様性について考える必要がある


 それではまず背景について述べます。

 最初は、多様性と道徳性の関わりについてです。最高のものとかシステムとかサービスをつくり上げるには、国境や分野に関係なく英知を集める必要性があります。これはイノベーションを目指す人たちにとっては、当たり前のことだと思います。そうなると、境界を越えて多様性を実現することが鍵となります。

 このように、境界を越えて異なる価値観に触れるときに、各人の道徳体系が問われていると思います。グローバリゼーション、グローバリゼーションといわれている今、道徳を根本から見つめ直す必要があるだろうと思います。

 今まさに世界の中では、世界中の人間は仲良くすべきという人と、よそ者は追い払うべきだという人の間で、激しい論争や争いが繰り広げられているわけですが、どちらにどのような根拠があるかは、明確にされていないし、議論にかみ合う点がほとんどないのです。それから、この議論は結局、自由と平等は両立するかというような議論だと思っています。このような非常に重要な問題に対して、われわれは何らかの考える道筋を与えないといけないと思います。


●貨幣価値軸とは独立した、道徳の価値軸の必要性



 それからもう1つ、幸福と道徳性の関わりがあると思います。

 道徳性と先ほどから確かに言っていますが、道徳とは要するに、善悪の区別になるかと思いますが、幸福と道徳性の関わりもとても大事であると思います。

 今、格差や差別や分断という言葉は世界で大きな問題になっているわけですが、これを超克しないことには幸福な世界はないと思います。この幸福な新社会システムの創造は、貨幣価値軸だけ考えていても多分無理でしょう。実際、貨幣価値軸が今、主になって世界が動いていると思いますけれども、これでは一向に格差や差別、分断はなくならない状態です。

 そうすると、貨幣価値軸とはある程度直交、つまり独立した軸が必要でしょう。しかもその軸は計測、可視化が可能じゃないと駄目だろうと思います。精神論ではいくらでも述べる人がいるわけです。道徳が大事だとか、人助けしなさいとか、世界平和が大事だというのですが、少しもこれが貨幣価値軸と比べて広まらないのは...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
プラトン『ソクラテスの弁明』を読む(1)真実の創作
プラトンの『ソクラテスの弁明』は謎多き作品
納富信留
人生に活かす東洋思想(1)人生の成功とは何か
東洋思想の「徳」や「道」をわかりやすくいうと?
田口佳史
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
おもしろき『法華経』の世界(1)法華経はSFだ!
法華経はSFだ!…心を元気にしてくれる法華経入門
鎌田東二
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(3)孤食リスクと加齢に伴うホルモン変化
「孤食」が危ない…独身男性の一人の食事はうつのリスク2倍以上に
小川純人
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機
「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機
納富信留
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
西洋文明の起源から見るグローバル化(1)グローバル化
古典を学び、教養ある人間を目指すことがヨーロッパの理想
納富信留
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高