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2021年度入試からスタートする大学入学者選抜改革とは

教育改革で何が変わるのか(4)大学入学者選抜の改革

小林浩
リクルート進学総研所長・カレッジマネジメント編集長
情報・テキスト
大学入学者選抜改革では、新しく提示された「学力の3要素」をいかに評価するかがポイントとなっている。重要なのは、現時点で生徒・学生が受け身になっている学びの姿勢を、主体的・能動的なものに変えていくために、適切な選抜方式を導入することである。(全4話中第4話)
時間:16:59
収録日:2019/10/28
追加日:2019/12/20
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≪全文≫

●大学入学者選抜改革が目指すのは選抜評価の転換


 最後に、高校教育と大学教育をつなぐ入学者選抜の改革についてお話をしたいと思います。ポイントは、アドミッション・ポリシー(入学者受入れ方針)に基づいて、「学力の3要素」を評価する選抜への転換です。

 高大接続改革全体のイメージを、簡単に1枚のスライドで紹介したいと思います。まずは高校教育の改革です。3点のポイントがありました。第1に、教育内容を見直して、学習指導要領を改訂します。そして第2に、先生方の教え方(教員の指導力)を高めていきます。そして第3に、「学力の3要素」をきちんと評価するために、多面的な評価を推進します。

 次に、大学教育改革は、3つの方針(ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシー)の方針を定め、入口・中身・出口で一貫した教育を行っていくことが定められています。そして、卒業時に何ができるかを明確にしていくことが要請されています。

 高校と大学をつなぐ部分が入学者選抜です。ここについては、1.知識・技能、2.思考力・判断力・表現力、3.主体性・多様性・協働性という「学力の3要素」をしっかりと見ていくことが求められます。この「学力の3要素」を、各大学の入学者受入方針に基づいて、各大学は選抜方法を明確にすることが義務づけられました。

 入試改革というと、共通テストの改革や英語4技能ばかりが注目されますが、本質的な目的は、各大学がアドミッション・ポリシーを明確にして、そこに合致した受験生を集め、教育していくところにあります。そのための改革が、大学入学者選抜改革なのです。


●現在の入試制度では不十分な点が多い


 簡単にポイントをおさらいしたいと思います。

 大学入学者選抜改革は2020年、入試でいうと2021年度入試からスタートします。ポイントは大きく2つあります。1つは大学入学共通テストという新しいテストが導入されて、センター試験が変わります。そしてもう1つとして、大学の個別選抜も変わっていきます。

 大学入学共通テストは、現時点ではマークシートのみで、英語については「読む」「聞く」だけの評価でした。個別選抜については、「学力の3要素」が評価できていない入試であると言われてきました。例えば、AOや推薦は学力を見ていません。一般入試も、思考力・判断力・表現力・主体性が評価できていないという問題があります。あるいは、AO入試・推薦入試は、あまりに早く合格が出てしまうため、高校生の学習意欲が低下しているという声も出てきています。


●記述式の問題の導入により「言語活動」「探究学習」の充実を図る


 そこで2021年度入試からは、大学入学共通テストが2つのポイントで変わります。まず、マークシート式のみの問題が、思考力を問う入試として、記述式の問題が導入されます。最初は国語・数学で記述式が導入され、2024年(2025年度入試)では、全教科に記述式が導入されます。

 どうして記述式が入るのかといえば、高等教育の改革で見た通り、高校での「言語活動」「探究学習」の充実を目指すために、共通試験に記述式を導入することで、自分の力で説明し理解することを、より強化していくことができるからです。


●「使える英語力」の育成のための英語4技能試験


 そして英語については、いわゆる英語4技能、すなわち「読む」「聞く」だけではなく「書く」「話す」を評価していくという方針です。これは民間の検定を使うことが目的なのではなく、「使える英語力」を育成するための方針です。

 例えば、グローバルイングリッシュでいうと、きれいな英語ではなくても、きちんと相手に伝わる英語力が求められます。中国あるいは東南アジアなどアジアの学生も、そうした英語力をつけ、グローバルに活躍しています。しかし日本は英語を「書く」「話す」能力が弱いのが現状です。そこで、4技能全てをきちんと評価していこうという方針になったのです。この評価の仕方については、まだ紆余曲折があると思います。これからまだ改定が進められていくでしょう。しかし、重要なのは、「使える英語力」をどのように育成していくかということです。


●個別選抜における学力と主体性の評価


 そして個別選抜については、「学力の3要素」を評価する入試に変えていくことが行われています。例えば、AO入試や推薦入試では、小論文やプレゼンテーション、教科科目に関わる共通テスト等のいずれかを使って、各大学の方針に基づき、知識や技能といった学力を評価していこうという方針です。

 一方で、一般入試では主体性を何らかの形で評価していこうという方針もあります。例えば、調査書・エッセイ・志願理由書...
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