米中ハイテク覇権戦争
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
貿易戦争を持久戦へと戦略転換した中国の思惑
米中ハイテク覇権戦争(3)米中首脳会談と持久戦
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
2019年5月以降も、米中の経済関係は予断を許さない状況が続いている。断続的に合意はなされるが、双方が態度を硬化しているために抜本的な解決策はいまだ見いだせない。中国政府は、トランプ大統領が再選に向けて動いていることを見抜き、持久戦に持ち込むことで妥協を引き出そうと画策している。今回は、米中関係の進展だけではなく、その背後にあるエリートの思惑に関しても解説する。(全9話中第3話)
時間:8分17秒
収録日:2019年11月20日
追加日:2020年1月26日
カテゴリー:
≪全文≫

●経済的圧力の掛け合いはG20における合意で小休止を迎えた


 米中の交渉はその後どうなったのでしょうか。5月の大転回とエンティティリストの発表の後、米中の間では大阪でG20の会合が開かれた6月の末まで、まさにチキンゲームという応酬がありました。

 2019年5月13日、中国は、6月1日に25パーセントに引き上げられる600億ドル規模の関税に対して、報復関税を発表しました。これに対してアメリカ側は、第4弾として残りの3000億ドル規模の中国製品全てに関税をかけると言明しました。

 また、同年5月28日には中国の国家発展改革委員会は、レアアースを対抗手段として用いると公言しました。この頃の中国メディアは、すでにアメリカと貿易戦争に入っているので、「奉陪到底」、つまり「最後まで付き合ってやろうじゃないか」という論調であふれたそうです。

 その後、6月の末に大阪で行われるG20に、習近平主席が来ないかもしれないという噂が流れました。ドナルド・トランプ大統領は6月10日に、習近平主席が来なければ、中国からの全輸入品に追加課税するとツイッターに書いています。北京は、トランプ大統領の行動から、習近平主席に大阪でぜひ会いたいと望んでいるのではないかと読んだようです。そこで6月18日に両者の間で電話会談が行われ、大阪で会うことになりました。

 G20の会議が行われた6月29日11時半から、両者は80分間の首脳会談を行いました。そこで、以下の3つの合意がなされました。まずは、さらなる追加関税は見送ることになりました。次に、期限付きでない貿易交渉の再開に合意しました。最後に、ファーウェイに対する締め付けに関してで、緩和しても良いとトランプ大統領が発言したということです。

 その数日後に、ファーウェイの創業者である任正非氏は、トランプ大統領の緩和という発言は、大きな影響はないとコメントしています。おそらく、アメリカの対応をほとんど信じていないのでしょう。


●大統領選再選のためなら何でもするトランプと中国の持久戦


 中国側がトランプ政権をどう見ているか、朱建栄氏がその分析をしていますが、トランプ政権は明らかに一枚岩でないと中国側は考えているようです。例えば、米国国務長官のマイク・ポンペイオ氏はゴリゴリの反中保守派です。米国通商代表のロバート・ライトハイザー氏は中国締め付け派。しかし、トランプ大統領は意外にも反中では...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生

人気の講義ランキングTOP10
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
編集部ラジオ2026(9)「トランプ大統領」の視点・論点
【テンミニッツで考える】「トランプ大統領」をどう見るか?
テンミニッツ・アカデミー編集部
万葉集の秘密~日本文化と中国文化(1)万葉集の歌と中国の影響
『万葉集』はいかなる歌集か…日本のルーツと中国の影響
上野誠
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(6)日本人の当たり前と山本七平の違和感
日本の異様さ…フィリピンから復員した山本七平が驚いたこと
與那覇潤
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(7)日本の倫理こそ未来の理想
他人の幸福実現に喜びを見出す日本の道徳こそ未来の理想だ
賴住光子
ドンロー・ドクトリンの台頭(1)トランプ系論と2025年度版NSS
ドンロー・ドクトリンとは?トランプ系論と西半球の重要性
東秀敏