米中ハイテク覇権戦争
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
新冷戦の始まりではないかといわれる対中強硬派の演説とは
米中ハイテク覇権戦争(4)対中強硬派の存在
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
トランプ大統領は再選を第一の目標としているために、中国にとって交渉の余地がある相手であることを前回の講義で解説したが、アメリカには強力な対中強硬派の地盤がある。習近平体制が、経済覇権を目指す動きを鮮明にすると、アメリカ国内の対中強硬派は、中国がアメリカの経済や安全保障における覇権を脅かす存在になるとして、国内の警戒感を煽っている。今回は、アメリカ国内における対中強硬派の言説を紹介し、その影響力について解説する。(全9話中第4話)
時間:9分04秒
収録日:2019年11月20日
追加日:2020年2月1日
カテゴリー:
≪全文≫

●対中強硬派の存在感が増大


 繰り返しになりますが、トランプ大統領の最大の関心は2020年の大統領選挙での再選です。全ての政策を、そのために実行してきました。米中貿易戦争は、トランプ氏の2016年大統領選における公約の結果です。高い関税をかけて、中国からの輸入を減らすことで、国内産業を活発にして雇用を増やすということです。これは、200年前の重商主義と酷似しています。その公約を達成していることを、示したいのです。

 ハイテク戦争では、アメリカは第1位で、世界最強の覇権でなければならない。そのためには中国の覇権の尖兵となっているファーウェイの牙城を切り崩す必要がある。こうした公約を実現して、選挙民の支持を固めることが最優先であり、そのために部分合意などのディールはあるのだという立場です。

 これに対して、アメリカには対中強硬派の地盤があります。1980年代以降の中国のめざましい経済発展を見て、中産階級の勃興によって欧米と価値観を共有する可能性が出てきたと、アメリカの人々は考えました。それならば、中国をWTO(世界貿易機関)などに迎えて、世界の仲間に入れようと、十数年前からアメリカは中国に比較的穏健な態度をとってきたのです。

 ところが、2012年に発足した習近平体制、さらに2017年に発足した第2次習近平体制によって、そうした期待は完全に裏切られたとアメリカの強硬派は自覚したわけですね。中国は欧米と価値観を共有するどころか、習近平政権下で大国意識をむき出して敵対的になり、国家主導の経済、軍事強化に邁進し始めたと見られ、アメリカにとってこれは非常に危険だと考えられました。アメリカの覇権への脅威と見る政治家、軍部、諜報部門、実業人が増えたのです。

 しかし、バラク・オバマ大統領は中国の行動に対して、「戦略的忍耐」といって、特に何かするということがありませんでした。したがって、こうした対中強硬派の意見は前面に出てきませんでした。ところがトランプ政権が誕生して、派手なことを始めたので、何でもありということで、この対中強硬派の存在感が非常に増大してきました。


●アメリカの対中強硬派のさまざまな言説


 対中強硬派は、民主党も含む幅広い層を持っています。その中でも注目されたのが、トランプ政権で副大統領を務めるマイケル・リチャード・ペンス氏です。彼は、2018年の10月2日に非常に右寄りのシン...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
日本人が知らないアメリカ政治のしくみ(1)アメリカの大統領権限
権限の少ないアメリカ大統領は政治をどう動かしているのか
曽根泰教
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(6)賴住光子先生ラフカディオ・ハーン論
ラフカディオ・ハーン『怪談』と『神国日本』の深い秘密
テンミニッツ・アカデミー編集部
印象派の解体と最後の印象派展(5)ポスト印象派の台頭
ゴーガン、ルドン、スーラ、ゴッホ…ポスト印象派の時代へ
安井裕雄
墨子に学ぶ「防衛」の神髄(1)非攻と兼愛
『墨子』に記された「優れた国家防衛のためのヒント」
田口佳史
『孫子』を読む:地形篇(1)六地形の戦略を学ぶ
ベトナム戦争でホー・チ・ミンが学んだ『孫子』地形篇とは
田口佳史
変化する日本株式市場とPEファンド(3)米国型への転換を迫られる日本企業
いまアクティビストの動きは?…進む「米国化」の現状
百瀬裕規
AI時代と人間の再定義(6)道徳の起源から考えるAIと感情の問題
道徳の起源は理性か感情か?…AI時代に必要な思考の身体性
中島隆博
新撰組と幕末日本の「真実」(4)江戸の剣術道場が流行した背景
剣術三大流派の道場主も農民出身?…剣術道場の意外な真実
堀口茉純
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(1)なぜ日本人は突入できたのか?
福島第一原発事故…日本の危機と闘った吉田昌郎と現場の人々
門田隆将
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(7)領国経営と秀長の統治能力
想像以上に有能――領民に慕われた秀長のリーダーシップ
黒田基樹
大谷翔平の育て方・育ち方(7)不可能を可能にする力
「てっぺん」を目指したい――不可能を可能にする秘密とは
桑原晃弥