古関裕而・日本人を応援し続けた大作曲家
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「流行歌界のプリンス」松平晃は戦前の古関作品に重要な歌手
古関裕而・日本人を応援し続けた大作曲家(4)古関メロディの誕生
刑部芳則(日本大学商学部総合教育科目教授)
苦悩の末、26万枚のヒット作「船頭可愛や」を生み出したとはいえ、すぐに古関裕而のもとに流行歌作曲の依頼が殺到したわけではなかった。松平晃や高橋掬太郎とコンビを組み、ヒット作を狙いながらも、当時「新民謡」と呼ばれた地域進行曲の作曲を手がけることになった古関は、その過程で流行歌的な要素、すなわち戦前の古関メロディの兆しを見出すことになる。(全8話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分07秒
収録日:2020年8月18日
追加日:2020年10月20日
≪全文≫

●松平晃さんとコンビを組んだ理由


―― (1935年の「船頭可愛や」以降)次々とヒット曲を当てたというわけでは必ずしもないわけですね。

刑部 そうですね。古関さんの初期の頃の作品、特に戦前の作品を考えるときの重要な歌手に、松平晃さんという方がいます。今やほとんど忘れ去られてしまっていますけど、この方は藤山一郎さんと同い年です。藤山さんは平成5年に亡くなっていますから、もし長生きしていれば、多くの方がご存じだったと思うのです。

―― いつ頃お亡くなりになったのですか。

刑部 1961(昭和36)年に若くしてお亡くなりになったため、今となっては知る人が少なくなってしまいました。今、朝ドラで伊藤久男さんのことを「プリンス」と呼んでいますが、実は「歌謡界のプリンス」と呼ばれていたのが松平晃さんなのです。非常に二枚目で、鼻にかかった甘い歌声が、当時の10代、20代の若い人たちに非常に人気でした。

 古関さんは、この方とのコンビが多い。なぜ、この二人のコンビが多いかと考えると、最初に当たった「利根の舟唄」を歌ったのが松平さんだからだと私は考えています。

―― 験がいいということでしょうか。

刑部 はい。大ヒットになった「船頭可愛や」の裏面「沖のかもめ」を歌ったのも松平さんです。コロムビアからすれば、古関さんはなかなかヒット曲が出ないで悩んでいるけれど、松平さんと組むとヒット曲が生まれる可能性が高いと考え、コンビを組ませたのでしょう。

―― なるほど。今もそうかもしれませんけれども、当時、作詞、作曲、歌手と、この3つの要素の相性のよさというのがあったのでしょうか。

刑部 やはり名コンビ、名トリオというのはありますね。例えば、これは面白い話なのですが、古賀政男さんの場合、藤山一郎さんとの出会いが大きい。「酒は涙か溜息か」「丘を越えて」「影を慕いて」、それからレコード会社は変わりますが、「東京ラプソディ」や「青い背広で」など、戦前の藤山さんの大ヒット曲のほとんどは古賀政男さんとのコンビというのもおもしろいですね。

 一方で、古賀さんが最大のライバルと言っていたのは、実は古関裕而さんでも、服部良一さんでもなく、江口夜詩さんという作曲家です。その江口さんと名コンビと言われたのが、実は松平晃さんでした。だから、松平さんのヒット曲には江口...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「芸術と文化」でまず見るべき講義シリーズ
古関裕而・日本人を応援し続けた大作曲家(1)恩師との出会い
六甲おろし、栄冠は君に輝く、長崎の鐘…古関裕而の魅力
刑部芳則
ショパンの音楽とポーランド(1)ショパンの生涯
ショパン…ピアノのことを知り尽くした作曲家の波乱の人生
江崎昌子
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を読む(1)あらすじと賢治の原稿
未完の長編『銀河鉄道の夜』の魅力と宮沢賢治の思想に迫る
鎌田東二
司馬遼太郎のビジョン~日本の姿とは?(1)1923年生まれの3人の作家
司馬遼太郎と日本人…まず遠藤周作、池波正太郎との比較で考える
片山杜秀
「万葉集」の聖徳太子――語りかける人(1)日本人の憧れ
聖徳太子と日本人…「実在しなかった」説の真相とは?
上野誠
クラシックで学ぶ世界史(1)時代を映す音楽とキリスト教
クラシック音楽で世界史がわかる…宗教音楽からクラシックへ
片山杜秀

人気の講義ランキングTOP10
ピアノでたどる西洋音楽史(1)ヴィヴァルディとバッハ
クラシック音楽の歴史をピアノ演奏で辿る~ヴィヴァルディ四季
野本由紀夫
テロメアから考える「アンチエイジング」(1)老化とテロメアの関係
テロメアの長さが「がんリスク」と「老化」のカギを握る
堀江重郎
「満洲」から考える日本とアジア(4)蒙古襲来と清朝建国
実は元寇はモンゴル人ではなかった?満洲をめぐる民族興亡史と「漢族」との関係…蒙古襲来から清朝建国まで
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
クラシックで学ぶ世界史(1)時代を映す音楽とキリスト教
クラシック音楽で世界史がわかる…宗教音楽からクラシックへ
片山杜秀
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(2)教義の宗教と覚りの宗教
キリスト教は教義の宗教、仏教は覚りの宗教…仏教はなぜ普遍宗教か
橋爪大三郎
バッハで学ぶクラシックの本質(1)リベラルアーツと音楽
音楽の父バッハ…なぜ「音楽」が西洋でリベラルアーツなのか?
樋口隆一
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は音楽と数学であふれている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子