古関裕而・日本人を応援し続けた大作曲家
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
幻の舞踏組曲「竹取物語」から生まれた大切な縁と作曲家の道
古関裕而・日本人を応援し続けた大作曲家(2)作曲家の道を開く
刑部芳則(日本大学商学部総合教育科目教授)
当時すでにクラシック音楽界で不動の地位を築いていた山田耕筰からの励ましを受けながら作曲を続けていた古関裕而は、たまたま目にした海外の懸賞に応募。2等入賞の報せを受け、地元紙だけでなく、全国紙でその名を知られることになるが……。糠喜びに終わった入賞劇だったが、一生をともにする妻とコロムビアの作曲家という仕事をたぐり寄せた。(全8話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分22秒
収録日:2020年8月18日
追加日:2020年10月6日
≪全文≫

●音楽は理屈ではない


―― 先生のご著書によると、山田耕筰さんに曲を送って、見てもらったりとか、そういうこともあったようですね。

刑部 それは川俣町で川俣銀行に勤務していた時ですね。

 自分が書き溜めていた曲を山田耕筰さんに手紙で送ったところ、しっかり勉強しなさい、頑張りなさいというような励ましの言葉をもらった。これが古関さんにとって非常に励みになったわけです。

 やがて古関さんはコロムビアの専属の作曲家になりますが、実はこの時に山田耕筰さんとの文通を介した出会いが生きてくることになります。

―― なるほど。「音楽は理屈ではない」というような印象深い古関さんの言葉を、本の中でも引用されていますが、これはいつくらいの言葉なのでしょうか。

刑部 これは、福島商業学校在学中、年度ごとに生徒たちが書く論集、文集みたいなのがあって、そこに寄せた一文です。その時には、音楽は理屈ではない、静かに聴いて、楽しみなさいというようなことを言っています。理屈ばかりこねるのは、音楽を理解する人間のすることではない、と。約半世紀、50年たって福島商業高校になっている母校を古関さんが訪ねた時に、この文集を見るんですね。その時、「若い頃というのはずいぶん生意気なことを上から目線で言っている」と言ったそうです。

 ただ、そうですね、書いた当時は、地位も名声もまったくなかったわけですから、情熱的に、率直に書いていたのだと思いますね。

―― 「静に聴け、楽しく酔え それが本当の音楽聴衆だ」とあって、ある意味では、そういうふうに聴いてもらえる曲をどう作っていくかという、古関さんのその後の人生を示すような言葉でもありますね。

刑部 その通りですね。若い頃は完成されていませんから、率直に言っていたということだと思います。古関さんは後年、『オールスター家族対抗歌合戦』の審査員長の時のように、いつもニコニコ穏やかで、何もものを言わなくなる。しかし、この時の理論はずっと変わらないのです。自分の地位や名声ができあがっていくと、いわゆる芸術性というのは、皆さんに自分の音楽を聴いてもらえればわかる。何もそれを相手に対して、口に出さなくても、自分の思いは自分の作った曲に出ていると、音楽で自分の理論を説明してい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「芸術と文化」でまず見るべき講義シリーズ
ピアノでたどる西洋音楽史(1)ヴィヴァルディとバッハ
ピアノの歴史は江戸時代に始まった
野本由紀夫
日本画を知る~その技法と見方(1)写実・写意・写生
日本画で大切な「写意」「写生」の深い意味とは?
川嶋渉
クラシックで学ぶ世界史(1)時代を映す音楽とキリスト教
音楽はなぜ時代を映し出すのか?…音楽と人の歴史の関係
片山杜秀
『源氏物語』を味わう(1)『源氏物語』を読むための基礎知識
源氏物語の基礎知識…人物関係図でみる物語の流れと読み方
林望
百人一首の和歌(1)謎の多い『百人一首』
『百人一首』の歌が選ばれた理由とは?今も残る3つの謎
渡部泰明
『古今和歌集』仮名序を読む(1)日本文化の原点となった「仮名序」
『古今和歌集』仮名序とは…日本文化の原点にして精華
渡部泰明

人気の講義ランキングTOP10
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(9)秀吉が作った公武統一政権と歴史のif
公武統一政権を作った秀吉の狙いとその歴史的意味
黒田基樹
AI時代と人間の再定義(4)自分と出会うチャンス
人生はエネルゲイア――AIにない「自分と出会うチャンス」
中島隆博
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
プロジェクトマネジメントの基本(6)ビジネスアナリシスの仕事
スコープ・クリープはリスクが大きい…どうすればいい?
大塚有希子
「進化」への誤解…本当は何か?(6)木村資生の中立説
欧州では不人気…木村資生の中立説とダーウィンとの違い
長谷川眞理子
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(1)史上最大の問題作
全米TOP10大学の必読書1位が『ポリテイア(国家)』
納富信留
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文