古関裕而・日本人を応援し続けた大作曲家
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
古関裕而の戦時歌謡は戦時中、大衆の心の支えであった
古関裕而・日本人を応援し続けた大作曲家(6)戦時歌謡は大衆の応援歌
刑部芳則(日本大学商学部総合教育科目教授)
「露営の歌」「暁に祈る」「若鷲の歌」の3曲は、古関自らが選んだ戦時歌謡の代表作だ。「露営の歌」が満州旅行時のイメージから生まれたように、他の2作も、体験や経験を元にしているのだが、いずれも楽器を使わずに作曲されたというから驚きだ。そうして溢れ出したメロディは大衆を慰め、励ますこととなる。(全8話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分57秒
収録日:2020年8月18日
追加日:2020年11月3日
≪全文≫

●頭の中から溢れ出すメロディ


―― 「露営の歌」の他に古関さんが作った戦時歌謡で有名な曲にはどのようなものがありますか。

刑部 古関さんは自分の戦時歌謡の代表作として3つ選んでいます。1つが「露営の歌」、それから「暁に祈る」、そして「若鷲の歌」です。

―― それぞれどういう曲になのでしょうか。

刑部 「暁に祈る」という曲についてですが、古関さんが中国大陸に行った時、揚子江を渡る際、小高い丘のようなところに1人の兵士が立っていたそうなのです。その兵士の姿を見て、どんな思いで今いるのだろうと考えて生まれたのが、「暁に祈る」です。作詞が野村俊夫さん、歌ったのが伊藤久男さんで、いわゆる「福島三羽ガラス」で作った曲になります。伊藤久男さんもデビュー以来、鳴かず飛ばずでヒット曲に恵まれなかったのです。古関さんは、豪快に歌う彼の歌唱法を引き立てることによって「暁に祈る」を売り出せないかという思いで作曲したようです。これが見事に当たって、野村さんも、伊藤さんも一流の仲間入りを果たすことができました。



―― 先生のご本を読んでおりますと、「露営の歌」も、奥様と一緒に満州に旅行に行かれて、帰りの汽車の中からご覧になったものを踏まえてお書きになったということですね。「暁に祈る」も、揚子江の兵士の姿をもとに書かれたということで、古関さんは実際に見たもの、感じたものを曲にしていく、描いていくというところに特別な才能があったのでしょうか。

刑部 そうですね。古関さんは作曲する際、一切楽器をお使いにならないのです。

―― 例えば、ピアノを弾いたりはされないのですか。

刑部 はい。もちろん、頭の中だけで考えるわけではなく、見た景色、様子から、自然と頭の中に楽曲のメロディが浮かんでくる。それを五線譜に書き取るというのが古関さんの特徴なのです。

―― 感じたものがご自身の頭の中で曲として流れ出すというイメージになりますね。

刑部 だから、古関さんの場合は作り出すというよりは、自然と生まれ出てくる、湧き出てくるという感じでしょうか。


●短調への変更が奏功し、23万枚のヒットへ


―― それはすごいですね。最後の「若鷲の歌」はどのような曲になるのでしょうか。

刑部 これはもともと、東宝映画...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「芸術と文化」でまず見るべき講義シリーズ
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は音楽と数学であふれている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子
印象派の解体と最後の印象派展(1)セザンヌと印象派
印象派の画家に大きな影響を与えたセザンヌの構築的筆触
安井裕雄
バッハで学ぶクラシックの本質(1)リベラルアーツと音楽
中世ヨーロッパの基礎的な学問「7自由学科」の一つが音楽
樋口隆一
『ロビンソン・クルーソー』とは何か(1)読み続けられる18世紀の小説
なぜ『ロビンソン・クルーソー』は“最初の近代小説”なのか
武田将明
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
「和歌」と「宣命」でたどる奈良時代の日本語とその変遷
釘貫亨
石原慎太郎と三島由紀夫と近衛文麿(1)政治家・石原慎太郎の源流と核の問題
都知事、非核三原則…1970年・30代の慎太郎が書いていたこと
片山杜秀

人気の講義ランキングTOP10
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
編集部ラジオ2026(10)ユダヤ人特集~鶴見太郎先生
【10min解説】鶴見太郎先生《教養としてのユダヤ人の歴史》
テンミニッツ・アカデミー編集部
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄
ユダヤ神話の基本を知る
ユダヤ教の神話…天地創造、モーセの十戒、死後の世界
鎌田東二
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(7)若者の引きこもりと日本の教育問題
日本の引きこもりの深い根源…「核家族」構造の問題とは?
與那覇潤
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(7)日本の倫理こそ未来の理想
他人の幸福実現に喜びを見出す日本の道徳こそ未来の理想だ
賴住光子
イスラエルの歴史、民族の離散と迫害(1)前編
古代イスラエルの歴史…メサイア信仰とユダヤ人の離散
島田晴雄