曾孫が語る渋沢栄一の真実
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「論語と算盤」の新しい視点を提供した渋沢栄一
曾孫が語る渋沢栄一の真実(4)「論語と算盤」が開いた近代日本
渋沢雅英(渋沢栄一曾孫/公益財団法人渋沢栄一記念財団相談役)
「論語と算盤」は渋沢栄一のキャッチフレーズになっている。実際に近代日本に資本主義が芽吹いていく時期、栄一は金銭を卑しんだ武家の旧道徳を退け、筋道のたった金儲けの力を説き、実践していった。事業の生む富が国を富ませ、国民全体を富ませることが、栄一の描く近代日本のベースだったからである。(全7話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11分31秒
収録日:2020年10月14日
追加日:2021年2月22日
≪全文≫

●日本の近代化における渋沢栄一の意気込みと説得力


渋沢 銀行設立から先の約60年の渋沢栄一の人生は、そのベースの上で日本の近代化に向かう。近代化も経済だけではなく、例えば養育院のような社会福祉事業をやる。あるいは自分でつくったわけではないけれど、現在の一橋大学(当初商法講習所。その後東京高等商業学校)を支援したり日本女子大学(当初日本女子大学校)の設立に関わったりしました。そして、慶喜公の伝記を書く。そのように非常に千差万別のことに手を染めるわけです。

 その視点の置き方というのは大したものだと私は思うのですが、それがどこから出てきたかと言われると、私には分からない。そういう新しい人間がそこにちょろっと現れてしまい、それが日本の近代化にいろいろな意味でお役に立ったのだろうな、と思います。

―― 前回、三井家というお話もありましたが、三井家などは本当に江戸時代から続く豪商ですね。

渋沢 大財閥ですね。

―― そうした大商人であって、そのまま財閥になっていきますね。江戸時代にも日本的な仕組みの中で金融経済も流通経済もあったわけですから、そこに近代的な銀行制度を完全にその機能も理解して持ってきた。しかも、それを持ってきた人が、前回おっしゃったように、自分の利益ではなくて、いかに国を発展させるか、近代化していくかという目的のために進めていくということの面白味ですよね。

渋沢 意気込みというのかな。人にそれを感じさせるものを、栄一は持っていたのでしょうね。だって、第一国立銀行は設立後数年で、出資者の小野組という会社が破産してしまい、一度つぶれそうになるのです。あれで駄目になってしまえば、銀行業というものは日本にすぐには根づかないことになったかもしれません。

 ところが、栄一は一生懸命みんなを説得した。そうすると、小野組にいた偉い方の一人で古河市兵衛という方が、自分が統括する小野組糸店にあった資産を提供してくれたりします。そのため、第一銀行は総計2万円の損で危機を乗り切ったというストーリーがあります。これは、栄一の意気込みなり人間としてのあり方が人に信用されたこともあるし、説得力があったこともあるでしょう。


●日本のあるべき姿を描き、賛同者を募る


渋沢 栄一には銀行以外にも鉄道をつくるなど、主張したいことがいっぱいありました。郵便は、前島密という方が整備さ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(1)危機の台湾への密航
「国共内戦」危機の台湾…根本博の密航と涙で迎えた中国人将軍
門田隆将
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
独裁の世界史~ギリシア編(1)世界史の始まり
「独裁政から始まる」という世界史の諸相に迫る
本村凌二
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(5)恐るべき台湾への「浸透」
浸透工作…台湾でスパイ裁判が約70件、それも氷山の一角
垂秀夫
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「ホメロス叙事詩」を読むために(5)『イリアス』の世界ーその1
叙事詩イリアス…トロイア戦争最後の50日間を描いた傑作
納富信留
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術(1)悩みの99%は他者との関係性
「使命観=パーパス」に立脚できないのは自分のエゴのせい
田村潤
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎