渋沢栄一の生涯と教養としての『論語』
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
『論語』に学ぶ、健全な社会をつくるための2つのポイント
渋沢栄一の生涯と教養としての『論語』(5)『論語』の特性
田口佳史(東洋思想研究家)
孔子の発見した「礼」は、世の秩序形成を象徴するものであり、孔子の具体的な言行録を収めたのが『論語』である。そこで説かれるのは漠然とした社会の理想ではなく、一人一人が「身を修める」ためのケーススタディと言っていい。渋沢栄一はいつも『論語』を頼りに、具体的な解決策を引き出していった。(全9話中第5話)
時間:8分59秒
収録日:2020年3月3日
追加日:2021年8月15日
≪全文≫

●『論語』は秩序形成のためのケーススタディの書


 秩序が破壊されたところの特性としてよく挙げられるのが、「非礼」と「無礼」です。私も、以前は学級崩壊した現場などへよく行ったものですが、まさに非礼・無礼の極致でした。非礼・無礼というものがなんと秩序を壊してしまうものかということが、よく分かったわけです。

 これらのことから分かるように、秩序の形成には、なんといっても「礼」というものが重要です。『論語』というものを通して「礼」というものを学んだり、「礼」をまた回復するにはどうしたらいいかということを非常に体得したりしたのが、渋沢ではないでしょうか。


●健全な社会をつくるためのポイントは2つ


 健全な社会をつくる最大のポイントとして、やはり『論語』に学ぶことは重要だということをお話ししています。皆さま方も、自分の家庭の秩序形成、あるいは職場の秩序形成、それから学校の教師をやっておられる方々は学級の秩序について、よくお考えいただくと、非常にいいと思います。そういうときにぜひ『論語』をしっかり学んでいただくのが基本です。

 渋沢栄一がなぜ『論語』を愛し、重視したのかということの第一として「秩序の形成」、「健全な社会」を非常に重視していたということがあります。これが第一です。

 第二点ですが、『論語』が説いていることに、漠然とした社会や漠然とした組織といったものはありません。これは『論語』とともに四書の一角をなしている『大学』が説いていることを考えると納得していただけると思います。

 『大学』は「平天下」(天下泰平)のためには、何といっても「治国」(国が治まる)がなければ駄目だといいます。そして、「治国」のためには、国の単位である家が斉(ととの)っていなければ駄目である。家が斉うためには一人一人の人間の身が修まっていなければ駄目だ。つまり、修身・斉家・治国・平天下という順番を説いているわけです。

 いってみれば、最終的には修身である。漠然とよい社会や健全な社会といってしまわず、それは全て一人一人の国民の身が修まっているかどうかにかかっているのだというのが、儒家の根本思想です。


●解決策がすぐに出てくる『論語』の秘密


 身が修まっているとはどういうことかというと、身が修まらない状態を考えていただくといい。例えば父親が「自分は自分でいいようにやるから...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
『タテ社会の人間関係』と文明論(1)誤解を招いた「タテ社会」の定義
誤解された『タテ社会の人間関係』…日本社会の本質に迫る
與那覇潤
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
『「甘え」の構造』への誤解…甘えはダメなものなのか?
與那覇潤
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
プラトンの哲学を読む(1)対話篇という形式の哲学
ヨーロッパ哲学の伝統はプラトン哲学の脚注だ
納富信留

人気の講義ランキングTOP10
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
日本の財政の真実を検証する(7)AIと長寿化&質疑応答
AI時代にこそ「熟達者の経験」が生きる&現状の日本経済の実情は
宮本弘曉
サム・アルトマンの成功哲学とOpenAI秘話(1)ChatGPT生みの親の半生
OpenAI創業者サム・アルトマンとはいかなる人物なのか
桑原晃弥
資本主義の再定義…哲学で考える(2)今の時代の人間観と共生
「共生」の本当の意味とは?…人間はHuman Co-becoming
中島隆博
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(2)情報畑の人びとの「情の厚さ」
情に厚くなければ情報工作はできない…明石元二郎の対露工作の教訓
門田隆将
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(1)なぜ『神国日本』なのか?
ラフカディオ・ハーンが解明した「美しい日本」の秘密と未来
賴住光子
中国春秋戦国時代と始皇帝(5)孝公・恵文王の時代と商鞅の変法
秦はいかに強大な国になったのか…「商鞅の変法」でどう改革したか
鶴間和幸
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
組織心理学とは何か~『武器としての組織心理学』と概論
なぜ組織に「心理学」が必要か?多様化と個の時代の処方箋
山浦一保
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎