曾孫が語る渋沢栄一の真実
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「資本主義の始まり」は明治維新で没落した徳川家にあった
曾孫が語る渋沢栄一の真実(2)激動の幕末から明治へ
渋沢雅英(渋沢栄一曾孫/公益財団法人渋沢栄一記念財団相談役)
渋沢栄一は、武蔵国榛沢郡血洗島村(現・埼玉県深谷市)の裕福な農家に生まれたが、そこで培った家業をマネジメントする知恵を一橋家の家臣として応用する。時代の大きな波は一橋慶喜を最後の将軍に指名する。一方、栄一はパリ万博に参列する将軍の名代・徳川昭武(慶喜の弟)に随行しフランスへ。およそ2年後、明治新政府が成立したことに伴い帰国した栄一を待っていたのは、さらなる運命の転変だった。(全7話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分46秒
収録日:2020年10月14日
追加日:2021年2月8日
≪全文≫

●一橋家からフランス留学の随行へ


―― (渋沢栄一さんの)お生まれは、今でいうと埼玉県の深谷市ですね。

渋沢 深谷市の近郊です。

―― そちらの裕福な農家とうかがっています。

渋沢 ええ。藍や養蚕などを手がけて年商1万両という話がありますので、かなり成功したアグリビジネスというのですかね。経営は栄一のお父さんでしょうが、一緒にいろんな本を読んだり、勉強したり、それをマネージすることで栄一は育ってきたのでしょう。

 その知恵を、一回り大きな一橋藩というものに応用して、大変成功したという話です。しかし、その頃に慶喜公が将軍様になるのです。そうすると、一橋家の家来としての渋沢栄一の立場ではなくて、日本幕府の一員になってしまいます。

―― 幕臣ということですね。

渋沢 そう、幕臣になってしまった。それはもともと栄一が望んでいなかったことだし、非常に失望してがっかりしていたところへ、慶喜公のお声掛かりがあったということです。

 そして、フランスのナポレオン三世という人がパリで万博を開くので、日本からも代表が行くことになった。慶喜公の弟さんで民部公子(みんぶこうし=徳川昭武)という方が行かれるので、その随員の一人にならないか、という。慶喜公の見るところ、渋沢栄一というのはマネジメントができる奴だから、そういう人間を付けておいたほうが、栄一のためにもいいし、グループのためにもいいと思われたのではないかと思います。

 ある日、突然そういうことになり、栄一はすごく喜んだわけですよね。あの頃、フランスに行くなんてことは望んでできることではない。最近はコロナで国際旅行もできなくなったけど、当時はそういうこと自体なかった。それで勇躍、喜んで出かけていく。見聞も広まるし、食べ物から何から全てが新しい世界に入り、1年半ぐらいの時間を過ごします。

●資本主義の芽生えは、維新で没落した徳川家から


渋沢 その間に鳥羽伏見の戦いがあって、慶喜公は江戸に。これを何と言うのですかね。

―― 大坂湾から船に乗って帰ってきてしまうと。

渋沢 そうですね、とにかく恭順する。

―― そういうことになりますね。

渋沢 天皇陛下の国にするということで、そのへんのことは私には説明できないのですが、とにかく慶喜公が大政奉還して、幕府は終わるわけですね。それで、フランスにいた弟さんにも「帰ってこ...

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