曾孫が語る渋沢栄一の真実
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
「資本主義の始まり」は明治維新で没落した徳川家にあった
第2話へ進む
曾孫が明かす渋沢栄一の真実…日本資本主義の父の功績とは
曾孫が語る渋沢栄一の真実(1)ゆかりの地で聞く「奇跡の10年間」
渋沢雅英(渋沢栄一曾孫/公益財団法人渋沢栄一記念財団相談役)
2021年NHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公は、2024年から流通が始まる新一万円札の顔としても注目されている渋沢栄一。栄一は生涯に数百もの企業を設立・育成する一方、社会公共事業に数多く関わっている。本シリーズ講義では、曾孫で公益財団法人渋沢栄一記念財団相談役を務める渋沢雅英氏に、「日本資本主義の父」の横顔と事績について伺った。(全7話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分39秒
収録日:2020年10月14日
追加日:2021年2月1日
≪全文≫

●「青淵文庫」の由来


―― 皆様、こんにちは。本日は渋沢雅英先生に、渋沢栄一さんのことについてお話を伺いたいと思います。先生、どうぞよろしくお願いいたします。

渋沢 よろしくお願いいたします。

―― 今日、こちらの場所をお借りしておりますのは、王子駅ほど近くの飛鳥山にございます「青淵文庫(せいえんぶんこ)」というところで、まさに栄一さんゆかりの場所でございます。ここはどういった場所になりますでしょうか。

渋沢 本来、この土地には栄一が何十年も住んでおりまして、ここで亡くなりました。大きな家もあったのですけれども、それは空襲で焼けてしまいまして、残ったのがこの建物ともう一つだけ(「晩香廬」)です。そちらは文化財に指定されております。

 青淵文庫というのは、栄一のお弟子さんというか、明治の初めからお付き合いしていたグループの方が、大正の終わり近くなって、記念にこういうものをつくって、栄一に寄付をしてくださったのですね。書庫ということですが、栄一にはいろいろな人との往復書簡が多量にあって、びっくりするようなものもいっぱいあったはずなのです。それに、古来何千とあった『論語』のいろいろなバージョンも持っていました。

 栄一は、大事にしてきたそういうものをみんなここに入れようと思っていたのですが、関東大震災で全部焼けてしまいます。「非常に残念だ。地震が火事につながるとは知らなかった」というようなことを(言い方は違うかもしれませんが)言っていて、非常に残念がっていたものです。

 ここ(青淵文庫)にはそういうものは入りません。でも、きれいな建物なので、例えば蒋介石さんがいらしたり、海外の賓客がおいでになった時、お話をするために使われておりました。できたのが大正14(1925)年で、栄一の亡くなったのが昭和6(1931)年ですから、その間だけのことでしたけれども。

―― なるほど。本当に貴重な場所をお借りいたしまして、ありがとうございます。

渋沢 いいえ。こちらこそ。


●孫が編纂した68巻、4万5000ページの『伝記資料』


―― それで、雅英先生は栄一さんの曽孫さんに当たられるわけですね。

渋沢 はい。

―― 『太平洋にかける橋』という、(栄一の)非常に面白い伝記を書かれています。日米や日中の民間(国民)外交に、栄一さんがどのように当たられたかということについて、アメリカの...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(1)「無任所大臣」が生まれた経緯
現代の「担当大臣」の是非は戦前の「無任所大臣」でわかる
片山杜秀
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)話し上手な天下人
織田信長と豊臣秀吉の関係…信長が評価した二つの才覚とは
小和田哲男
徳川将軍と江戸幕府~徳川家斉(1)家斉が長期政権を維持できた理由
11代将軍・徳川家斉が50年もの長期政権を築けた理由
山内昌之
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄
ローマ史と江戸史で読み解く国家の盛衰(1)父祖の遺風
なぜ「父祖の遺風」がローマと江戸に共通する価値観なのか
本村凌二

人気の講義ランキングTOP10
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
内側から見たアメリカと日本(5)ヒラリーの無念と日米の半導体問題
大統領選が10年早かったら…全盛期のヒラリーはすごすぎた
島田晴雄
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――認知行動療法とポジティブ・ルーティーン
西野精治
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
鎌田東二
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
歴史の探り方、活かし方(4)史実・史料分析:秀吉と秀次編〈上〉
史料読解法…豊臣秀吉による秀次粛清の本当の理由とは?
中村彰彦
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(7)不動産暴落と企業倒産の内実
不動産暴落、大企業倒産危機…中国経済の苦境の実態とは?
垂秀夫
デモクラシーの基盤とは何か(3)政治と経済を架橋するもの
「哲学・歴史」と「実証研究」の両立で広い視野をつかむ
齋藤純一
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏