今こそ問うべき「人間にとっての教養」
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
教養とは何か…定義は「人間が考えてきたことの全て」
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(2)教養の定義と準備の必要性
橋爪大三郎(社会学者/東京工業大学名誉教授/大学院大学至善館教授)
教養を得るためには本を読むことが重要だが、そもそも教養とは何だろうか。教養とは「人間が考えてきたことの全て」である。過去に生じた問題とその解決手段を学ぶことで、人は自分の制約を超えることができる。意図していなかった出来事に対処するためにも、教養が必要なのである。(全7話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:8分59秒
収録日:2021年3月25日
追加日:2021年5月6日
≪全文≫

●そもそも教養とは何か


―― これは後半でもお伺いしたいと思いますが、ちょうどネット環境も整ってきた状況なので、ネット社会でどのように学んでいくのかということを、ぜひお聞きできればと思います。

橋爪 そうですね。

―― 先ほど、なぜ本から学ぶことが教養として大事かというお話をいただきましたが、まずその前提として、そもそも教養とはいったい何なのかということをお伺いしたいと思います。

 先生はご本に非常に印象深いことをお書きになっていて、教養を「これまで人間が考えてきたことの全て」と定義しています。これは非常に広大な定義ですが、「これまで人間が考えてきたことの全て」とは、どういう位置づけでしょうか。

橋爪 他の人が考えてきたこととは、自分にあまり関係なくても良いものです。なぜならそれは、自分とは別の場所で、別な形で考えられたことだからです。自分が生きていくためには、私自身が何を考え、どのように行動するかが重要です。そして、それが正しいかどうかだけが、とりあえず問題になります。だけど、自分の考えと自分の努力で、全ての問題が解決するでしょうか。

―― そこは前回の小さく見える自分と一緒の問題ですね。

橋爪 はい。目先のことに捕らわれていては問題解決しません。過去によく似た例がありました。しょっちゅう起こる事象なのに、それを知らずに、最善でない決定や最善でない行動をしてしまう。要するに、ばかばかしいことをしてしまうことはありがちです。でも、一回しかない人生だから、あまり大きな失敗を何回も繰り返したくないですよね。

 では、どうしたら良いのかというと、知恵が必要なのです。「こうしたことはよく起こる」と知っておくのです。こうしたときに、前の人はどのようにしてそれを乗り越え、解決したのかを分かっていると、参考になりますよね。だから、そういうことを知るのは十分に意味があります。

 滅多に起こらない大事件は、起こらないかもしれませんし、起こるかもしれません。起こらなかったとしても、そのために備え、安心と覚悟を持って生きているのは、立派なことです。このことは、今この場所に生きているという時間的、空間的な自分の制約を超えているということなのです。

 自分の制約を超えることができれば、その人の誇りになる。確信を持って生きているという状態になります。これが教養です。

...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(1)史上最大の問題作
全米TOP10大学の必読書1位が『ポリテイア(国家)』
納富信留
老子の神髄(1)「絶対自由の境地」を求めて
『老子』が求める「絶対自由の境地」とは?…そして創造長寿へ
田口佳史
世界の語り方、日本の語り方(1)なぜ「語り方」なのか
今後身に付けるべき知性として「新しい語り方」を考える
中島隆博
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
『タテ社会の人間関係』と文明論(1)誤解を招いた「タテ社会」の定義
誤解された『タテ社会の人間関係』…日本社会の本質に迫る
與那覇潤
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
三日坊主、部屋が片付かない…なぜできないか行動分析学で考える
島宗理

人気の講義ランキングTOP10
日本の財政の真実を検証する(3)金利上昇の深刻な影響
金利が上昇した未来を10年スパンで見てみると…何が起きるか?
宮本弘曉
老子の神髄(5)玄人と小国寡民
したたかで超越的な知恵…見えないものを見ようとする知的好奇心
田口佳史
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
編集部ラジオ2026(21)中西輝政先生:アメリカの本質
【10min解説】独立250年、アメリカの理念と本質とは?
テンミニッツ・アカデミー編集部
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(6)リベラルアーツの本質
自分にしかできない自分の世界を味わうために、他の人とつながる
橋爪大三郎
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
AI時代と人間の再定義(3)Human Co-becomingと存在神学への対抗
Human Co-becoming…耳障りな言葉が新しい概念を生み出す
中島隆博