海底の仕組みと地球のメカニズム
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
地温勾配とソリダス――中央海嶺ができる仕組みに迫る
海底の仕組みと地球のメカニズム(2)なぜ海底で火山ができるのか
沖野郷子(東京大学大気海洋研究所教授/理学博士)
なぜ「中央海嶺」と呼ばれる海底が生まれるところが火山になるのか。よく誤解されるのは、マントルが上がってくる、その上昇流があるからそこに火山があるということだ。そうではなく、沈み込むプレートの動きで隙間ができるので仕方なくそこを埋める。これが「中央海嶺」のシステムだという。ではその火山はどうやってできるのか。「地温勾配」と「ソリダス」という温度に関するキーワードについて解説しながら、中央海嶺ができる仕組みに迫っていく。(全8話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分07秒
収録日:2020年10月22日
追加日:2021年5月9日
≪全文≫

●沈み込むプレートの動きで隙間が開くので、仕方なく埋める


沖野 (なぜ海底が生まれるところで火山になるのかということですが、)この図は漫画みたいになっていますが、まずそれはどういう場所かというと、両方のプレートが離れる場所ということです。離れていくと、地球上では真空(の存在)は許されないので、隙間が開いては困る。「しょうがないので」下から物が上がってくる。この「しょうがないので」というところが結構ポイントです。

 よく誤解されるのは、何か下からマントルが上がってくる、その上昇流があるからそこに火山があるというイメージを持ちやすいことです。そういう要素がゼロではないのですが、プレート運動を決めているのは何かというと、おおむね沈み込む側で引っ張られているのが主たる原動力です。たぶん9割ぐらいはそれで説明できてしまいます。よって、どこか端っこのほうで引っ張っていると、仕方なく開くということです。仕方なく開くと仕方なく埋める。というのが中央海嶺のシステムですね。結果的に確かに物は上がってきているのですが、上がってくることありきではありません。

―― 押し出していくというよりも、引っ張られていく感じだということですね。

沖野 引っ張られて、隙間に物が上がってくるということです。

―― となると逆に、引っ張られるのはなぜですか。

沖野 引っ張られるのは、テーブルの上からテーブルクロスが落ちるようなもので、一旦沈み込み始めてしまえば、もう自分の重力でテーブルクロスが落ちかけたときするするっと落ちるのと一緒です。

―― では、それもマントルの力というよりも…。

沖野 はい、沈み込むプレートの重みで、自分で落ちているということです。

 そして、開いたところに物が上がってくるということです。


●「地温勾配」と「ソリダス」


 では、地球の中の深いところがどうなっているかをちょっと説明したのが右の図(上のスライドの図b)です。これは、縦軸が正確には圧力ですが、地球の中と考えると深さのことです。海底面からずっと深いところと思えばいい。横軸が温度。皆さん、おそらく直感的に分かると思いますが、地下深くにいけばいくほどだんだん温度は高くなる。この線は「地温勾配」といいますが地下の温度のことで、皆さん想像できる線と思います。ところが、...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
レアメタルの光と影(1)イントロ
イノベーションがレアメタルをコモンメタルにする
岡部徹
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
培養肉研究の現在地と未来図(1)フェイクミート市場とリアルミート研究
食肉3.0時代に突入、「培養肉」研究の今に迫る
竹内昌治
断熱から考える一年中快適で健康な住環境(1)日本の住宅の実態と問題点
なぜ日本は夏暑く、冬寒いのか…断熱から考える住宅の問題
前真之

人気の講義ランキングTOP10
歌舞伎はスゴイ(1)市川團十郎の何がスゴイか(前編)
市川團十郎の歴史…圧倒的才能の初代から六代目までの奮闘
堀口茉純
「進化」への誤解…本当は何か?(6)木村資生の中立説
欧州では不人気…木村資生の中立説とダーウィンとの違い
長谷川眞理子
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(2)『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏への道
『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏のすごさ…波へのこだわり
堀口茉純
禅とは何か~禅と仏教の心(4)与格への変容と関係論的世界観
「私が世界で、世界が私」…禅で体感する「縁起」の感覚
藤田一照