海底の仕組みと地球のメカニズム
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
地球だけに存在するプレートテクトニクスの限界と可能性
海底の仕組みと地球のメカニズム(8)プレートテクトニクスを超えて
沖野郷子(東京大学大気海洋研究所教授/理学博士)
プレートテクトニクスは1960年代半ばに生まれた考え方で、「地球の表面は固いプレートで覆われていて相対運動をしている」と考えるとさまざまな観測事実がうまく説明できるという。しかし、「ホットスポット」と呼ばれるハワイやアイスランドのような場所がなぜできたのかはうまく説明できない。また、「巨大火成岩岩石区」と呼ばれる巨大な溶岩の台地が地球の歴史上、何回もできているが、それもうまく説明できない。それはなぜか。そこにプレートテクトニクスの限界がある。もう1つ考えなければいけないのは、なぜ地球がプレートテクトニクスのシステムかということだ。鍵は海にあるかもしれない。そこに今後の研究の面白さがある。(全8話中第8話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分54秒
収録日:2020年10月22日
追加日:2021年6月20日
≪全文≫

●プレートテクトニクスでは「ホットスポット」の説明ができない


沖野 「プレートテクトニクス」はだいたい1960年代の半ばに生まれた考え方で、これは定理や原理とは少し異なっています。「地球の表面は固いプレートで覆われていて相対運動をしている」と考えると、さまざまな観測事実がうまく説明できるという、ある種の考え方、パラダイムで、考える枠組みとして提唱されています。

―― 状況を説明できる理論ということですか。

沖野 そうですね。でも、理論というと少し微妙で、証明するとかそういうものではなくて、こういう考え方に則ると、いろいろなことが説明できるというものです。ただ、非常に有能なパラダイムで、提唱されてから50年以上たっていますが、地球表層の現象のいろいろなことを、私たちはいまだにプレートテクトニクスを基盤にして説明しようとしていますし、非常にうまく説明できるのです。

 とはいえ、プレートテクトニクスが万能ではなく、いくつか問題点といいますか、説明できていないこともあります。

―― そこは面白いですね。

沖野 はい。例えば一番分かりやすいのでは、プレートテクトニクスの考え方によると、プレートは板であるということです。なので、板の内部は固くて変形しない。いろいろな地震とか火山は、縁でこすれ合ったり、押したり引いたりするから起こると。では、ハワイは何なのだということになります。

―― 火山ですね、確かに。

沖野 はい。ハワイはなぜできたか。ハワイは、例えば岩石の調査とか物理探査からすると、非常に深いところから温かいものが上がってきてできた火山で、こういう場所を「ホットスポット」といいますけれども、地球上にいくつかあります。一番有名なのはハワイとアイスランド。旅行に行くのであれば、ちょっと小規模ですが、アメリカのイエローストーン。これらのものをあまり説明ができません。

―― 先ほどの説明ですと、開いてしまったところを埋めるために上がってきて、マグマになるということでしたよね。そこは違うということですね。

沖野 違います。沈み込み帯の火山でもない。深いところから来ていることはいろいろな状況証拠から確かですが、プレートテクトニクスの枠組みには入れられません。プレートテクトニクスは表層のことしか説明していないからです。したがって、1つの大きなポイントは、地球の深部との関...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
進化的人間考~ヒトの性質と異様な現代社会(1)進化のスパンと現在の人間生活
ヒトの進化史を文明の発展の時間軸から考える
長谷川眞理子
知能と進化(1)知性と身体性
AI、ディープラーニングとは…知能と身体性は不可分か?
長谷川眞理子
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
発酵はマジックだ!
色を消し、脂を溶かし、水を分解―スゴすぎる発酵の力!
小泉武夫
もっと知りたいイヌのこと(1)イヌの歴史を振り返る
オオカミはいつイヌになったか…犬の起源と家畜化の歴史
長谷川眞理子
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子

人気の講義ランキングTOP10
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
ウェルビーイングを高めるDE&I(5)心理的安全性の高い組織づくり
無知、無能、邪魔!?…心理的安全性を阻害する5つの要因
青島未佳
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(6)賃金の未来シナリオ
AIが人間の仕事を「完全代替」したらどうなる?…仕事と賃金の未来
宮本弘曉
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
AI時代と人間の再定義(6)道徳の起源から考えるAIと感情の問題
道徳の起源は理性か感情か?…AI時代に必要な思考の身体性
中島隆博
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は音楽と数学であふれている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子