海底の仕組みと地球のメカニズム
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なぜ大西洋と太平洋とでは海底の顔立ちが異なるのか
海底の仕組みと地球のメカニズム(3)中央海嶺の実態
沖野郷子(東京大学大気海洋研究所教授/理学博士)
大西洋と太平洋では海底の顔立ちが大きく異なるという。地球上でプレートが一番速く動くところは年間15センチほどで、太平洋にある。一方、大西洋は年間2~3センチほど。速く動くところは周辺が暖かいので、断層ができにくく起伏は緩やかだが、ゆっくりしか動かないところは噴いた後すぐに冷えて断層ができるので、起伏に富んでいる。では噴いたときにできる岩にはどんな特徴があるのか。世界の地震の場所やその特徴と合わせ、中央海嶺の実態について解説が進んでいく。(全8話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分09秒
収録日:2020年10月22日
追加日:2021年5月16日
≪全文≫

●大西洋と太平洋で大きく異なる海底の顔立ち


沖野 (尾根について)最初にこちらをお見せしましょう。

 水色のところが浅いのですが、このようにずーっと山脈が取り巻いているような感じです。

―― 色が違いますね。

沖野 そうですね。色が水色のところは確かにずっと山になっているんですが、太平洋のスケールから考えても、なだらかに上がっていって、なだらかに下がっていっています。場所によっては大西洋のほうがちょっと急な感じです。それでも富士山のスケールがこの地図でいうと点みたいなものだと思えば、非常にゆったりと上がっていくということになります。

 ただ、大西洋も太平洋もですが、火山がまさに噴いているところはどういう感じかというと、次の資料で説明します。

 これは太平洋の海底地形図を3次元で表したものです。ここ(スライド中央付近)が頂上、尾根筋みたいなものだと思ってもらえればいいのですが、海底も場所によってはだいぶ顔立ちが違います。太平洋は、全般的にしわしわの地形はあるけれども、割合と起伏が緩い。嶺のところですが、尾根筋は一段と高くなっているのが特徴です。

 ところが大西洋は、こちらの図も先ほどの図と同じ色合いでつくっていますが、起伏に富んでいます。しかも、ここ(図の中央付近)が一番頂上ですが、なぜか頂上に10キロくらいの幅の谷があります。ということで、(太平洋と大西洋では)かなり顔立ちは違うのです。

―― なぜそんなに違うものなのですか。

沖野 これは、元の図を見ていただくと分かります。

 先ほどお見せした(太平洋の)地形図は、おそらくこの辺り(南アメリカの西側付近の太平洋)の図だと思いますが、すごく速くプレートが動いているので、どんどん海底をつくっているところです。

―― 引っ張られてしまうわけですね。

沖野 そうです。速く引っ張られるので、たくさん隙間が開いている。ここは現在、地球上で一番速くて、年間15センチぐらい開く。だから年間15センチぐらい海底をつくらなきゃいけない。

 一方、大西洋は上の図では矢印が点のようになっていますが、年間たぶん2センチとか3センチぐらいしか開かない。

―― ...

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