Beyond5G・6Gで進む情報通信の民主化
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「Sub6」の免許制度化で大きく進展するローカル5Gの利用
Beyond5G・6Gで進む情報通信の民主化(7)今後のローカル5G予測その1
中尾彰宏(東京大学 大学院工学系研究科 教授)
2020年に5Gから利用できる新しい周波数帯「Sub6」が免許制度化されたことで、2021年からはこの利用が大きく進展することが予想される。では具体的に今後ローカル5Gで何が起こるか。そのためには何が必要となってくるのか。ここからの3話で、2021年のローカル5G予測として、主に3つの可能性に迫る。一つ目は、ローカル5G運営主体の密集に伴う干渉調整技術の必要の高まりについて語る。(全9話中第7話)
時間:8分09秒
収録日:2021年1月27日
追加日:2021年4月28日
≪全文≫

●「Sub6」の免許制度化で利用が大きく進展する


 それでは現場発から分かるカスタマイズの要件についてお話をします。

 今回のシリーズ講義の本題である「ここからどういった革新が生まれていくか」ですが、そのことにつながっていくこととして、ローカル5Gをこのように実際のユースケースで使っていく過程において、われわれは多くの知見を得ています。

 2020年の暮れのローカル5Gの普及研究会でも話をしましたが、2021年ローカル5Gで何が起こるか。どのようなことが必要となっていくかについて話をします。

 ひと言でいうと、Sub6の免許制度化が行われましたので、この利用が大きく進展することが予想されています。


●ローカル5G運営主体の密集には干渉調整の技術が必要


 一つ目ですが、われわれが整備したローカル5Gの基地局が低廉化していきますと、ローカル5Gの運営主体が多く増えていくことが予想されます。ローカル5Gの運営主体が増えますと、隣接する運営主体が密集してしまうことも考えられます。ただしWi-Fiのように乱立することは起こりません。つまり、これは免許制によって実施されますので乱立することはないということですが、非常に隣接したところで整備が進むということも考えられます。

 例えばスライドの図が示すように、ローカル5G-A、B、C、Dといった運営主体がそれぞれ非常に密集した地域で運用をしたいと考えるかもしれません。この場合、ローカル5Gの干渉調整の技術が必要となってきます。ご存じの通り、ローカル5Gの「Sub6」も周波数帯は限られた資源となりますので、ここをうまく利用していく、すなわち干渉調整によってうまくお互いが協力しながら使っていく必要があります。

 スライドのローカル5Gの周波数の絵でいいますと、Sub6を細かく、フレキシブルにスライスしていく必要が生じます。ここは300MHzしかありませんので、ここをうまくスライスするということは、その運営主体によって細かくお互いが干渉しないように使っていくことを意味します。


●安価でフレキシブルな狭帯域フィルターが必要


 そのためにはどのような技術が必要かといいますと、狭帯域のフィルターが必要...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
断熱から考える一年中快適で健康な住環境(1)日本の住宅の実態と問題点
なぜ日本は夏暑く、冬寒いのか…断熱から考える住宅の問題
前真之
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
ヒトの性差とジェンダー論(1)「性」とは何か
MLBのスーパースターも一代限り…生物学から迫る性の実態
長谷川眞理子
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
性はなぜあるのか~進化生物学から見たLGBT(1)有性生殖と無性生殖
なぜ雄と雌の2つの性別があるのか…「性」の謎とLGBT
長谷川眞理子

人気の講義ランキングTOP10
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
平和の追求~哲学者たちの構想(5)カント『永遠平和のために』
カント『永遠平和のために』…国連やEUの起源とされる理由
川出良枝
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境に対峙する哲学カフェ…西洋哲学×東洋哲学で問う矛盾
津崎良典
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(1)史実としての豊臣兄弟と秀長の役割
豊臣兄弟の謎…明らかになった秀吉政権での秀長の役割
黒田基樹
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎
組織心理学とは何か~『武器としての組織心理学』と概論
なぜ組織に「心理学」が必要か?多様化と個の時代の処方箋
山浦一保
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(5)『秘蔵宝鑰』が示す非二元論的世界
雄大で雄渾な生命の全体像…その中で点滅する個々の生命
鎌田東二
渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(1)古き良きキリスト教社会
古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著
渡部玄一
プロジェクトマネジメントの基本(1)国際標準とプロジェクトの定義
プロジェクトマネジメントとは?国際標準から考える特性
大塚有希子