●ローカル5Gとキャリア5Gの連携による一次産業への利活用
これまでは大学での実験を紹介しましたが、ここからは令和2年度の地域課題解決型のローカル5Gの実現に向けた開発実証についてお話をします。
こちらは総務省の委託事業となります。課題解決のためにローカル5Gを使うユースケースを提案しました。これによって、ローカル5Gの特性の発揮、低遅延、多数同時接続、AI活用、ユーザー側の関与、ユーザー目線での実装、それから横展開、こうしたところが評価をされて課題が選定されています。
われわれも大学、自治体、通信事業者、ベンダー、ユーザー企業を巻き込んだコンソーシアムを構築しまして、特に「Sub6」と呼ばれている4.6から4.9GHzのローカル5G、それから28.3から29.1GHzのミリ波帯を使うローカル5G。このユースケースとして、主に地域課題を解決できるユースケースをピックアップして提案をしています。
これは2020年の講義でも紹介をしましたが、その当時、われわれは特にキャリア5Gのみで実験を行っていました。今回は、ローカル5Gとキャリア5Gの連携により一次産業、特に漁業への利活用の実証事業が採択されています。
2020年も一次産業、それから漁業への利活用を実証実験で行いましたが、今回は特にカキ養殖においてローカル5Gの適用ができないかということで取り組みました。
カキ養殖においては環境の変化、競合する付着生物、それから養殖場の環境の悪化、食害等、多くの課題があります。これに対して、特に水中における状況把握にロボット、水中ドローンを活用しまして、養殖場の高精細映像による状況の可視化、併せてセンサーによる環境データの取得が可能なシステムを提案しています。
いろいろな課題と対策がスライドに示されていますので、詳しくはそちらを読んでもらえればと思います。簡単にいいますと、解決策として5G技術を活用して、水中ドローンを活用した高精細な映像の取得、低遅延を使ったドローンの制御、それからセンサーデータの取得によって海中の可視化と環境データの取得システムを導入します。
5Gの導入効果については、大容量・低遅延の5G技術を活用することで水中ドローンで撮影した高精細映像の伝送、環境...