徳川将軍と江戸幕府の軌跡~吉宗編
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
御触書寛保集成と公事方御定書に見る徳川吉宗の功績
徳川将軍と江戸幕府の軌跡~吉宗編(4)「法の支配」が行き届いていた時代
「庶民感覚」を身につけていた8代将軍・徳川吉宗。浅草の近辺、隅田川の繁栄や花の風情など、現在につながる庶民の楽しみをつくったのも吉宗といえるだろう。加えて、御触書寛保集成と公事方御定書が編纂されるなど、「法の支配」が行き届いていたのも吉宗の時代だった。(全5話中第4話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:7分38秒
収録日:2020年1月7日
追加日:2021年7月31日
≪全文≫

●庶民の楽しみを作り上げた徳川吉宗


山内 だから、お金がある町人はお金があるなりに、お金がない町人はお金がないなりに、子どもを連れて出かけて、飴玉あるいはお菓子などを買ってあげる。その分に応じて、弁当を設えたり作ったりするところから、芸者やさまざまな女性たちをはべらした大臣たちの遊びまで、いろんなレベルがありました。

 今も基本的に同じでしょう。遊園地に行くことで慎ましやかに幸せを感じる人がいる。余裕がある人は、個人ジェット機まではいかなくても、海外旅行に行く。

 人々にはそういった余裕が必要なのです。それがステップアップしていくのも、勤労の楽しみ、働くことの喜びにつながっていくのです。

 昨日までは遊園地で楽しんでいた人が、今日になってみると子どもを連れて弁当などを設えるようになってきたりする。あるいは茣蓙を敷いたりと、少し余裕のある所へステップアップする。

 今度は、お山参りや富士講といったように江戸市内や江戸近郊などで旅行、あるいは旅行もどきのことをする。このような、さまざまなことを工夫できる空間につくっていったわけです。

―― 日本の庶民の楽しみは、ある意味、吉宗がつくったともいえるのですね。

山内 現在につながっている場所との関係でいうと、ここまでのいろいろな空間、飛鳥山や御殿山、浅草の近辺、あるいは隅田川の繁栄や花の風情は、吉宗でしょう。

―― ヨーロッパの皇帝たちとやっていることが全く違うのですね。

山内 違います。基本的にベルサイユ宮殿は、ブルボン朝の王侯貴族だけのものであって、それらを開放したり、近辺に庶民を入れたり、という発想はありません。

 江戸の場合、いろいろな機会に江戸の中、表空間までを、庶民に開放する日があったわけです。これは名主(みょうしゅ、なぬし)といったレベルの限られた町人たちだけでしたが、そのように開かれる日もあったのです。

 一方、ヨーロッパの王侯貴族の場合には、よもやベルサイユ宮殿の中でしかありませんでした。


●当時、日本は「法の支配」がしっかりと行き届いていた


―― (時代的には)かたやジャン・バルジャンの『ああ無情』の世界で、かたや(吉宗が治めた)江戸庶民の世界。あまりにも違いますね。

山内 犯罪者という意味では当時、日本でももちろんいたし、その犯罪者の処罰(パニッシュメント)は非常に極端...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(1)「無任所大臣」が生まれた経緯
現代の「担当大臣」の是非は戦前の「無任所大臣」でわかる
片山杜秀
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
近年の研究で変わってきた織田信長の実像
柴裕之
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄
歌舞伎はスゴイ(1)市川團十郎の何がスゴイか(前編)
市川團十郎の歴史…圧倒的才能の初代から六代目までの奮闘
堀口茉純
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国時代、民衆にとっての課題は生き延びること
黒田基樹

人気の講義ランキングTOP10
独裁の世界史~未来への提言編(1)国家の三つの要素
未来を洞察するために「独裁・共和政・民主政」の循環を学べ
本村凌二
AI時代と人間の再定義(2)仏法僧の三宝と対話による道徳的進歩
仏法僧の三宝――なぜ1人で仏教に向かってはいけないのか
中島隆博
歌舞伎はスゴイ(4)歌舞伎のサバイバル術(後編)
江戸時代の歌舞伎にも大波乱が…どうやって生き残ったか
堀口茉純
渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(1)古き良きキリスト教社会
古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著
渡部玄一
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
株価と歴史…トランプ関税の影響を読む(2)株価リターンの歴史から考える
株式リターンの歴史検証…大きな構造変化の影響を見抜く
養田功一郎
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
禅とは何か~禅と仏教の心(6)目覚めの宗教とブッダの遺言
酔っぱらった自分から覚めよ…悪魔が降参したブッダの悟り
藤田一照