黒川伊保子先生に学ぶ「子育てのトリセツ」
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
男の子にとって母親とは「座標原点」…揺るがぬことが大事
第2話へ進む
男性脳と女性脳の違いから分かる「子育てのトリセツ」
黒川伊保子先生に学ぶ「子育てのトリセツ」(1)男性脳と女性脳はどこが違うのか
黒川伊保子(株式会社感性リサーチ 代表取締役社長/人工知能研究者/随筆家)
「男性と女性では、とっさに見る場所が異なる」――。まだ男女の脳が違うということが社会的に話題にならなかった頃から人工知能開発に携わってきた黒川伊保子先生。その過程で気づいた「男女の脳の特性の違い」とは何か。(全7話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分46秒
収録日:2021年6月28日
追加日:2021年8月23日
≪全文≫

●男女で指向と対話の好みが違う


―― 皆様、こんにちは。本日は、黒川伊保子先生に、「男の子、女の子の育て方」について、お話を伺いたいと思います。先生、どうぞよろしくお願いいたします。

黒川 よろしくお願いいたします。

―― 黒川先生は『息子のトリセツ』(扶桑社新書)、『娘のトリセツ』(小学館新書)の2冊の本を書いておられます。そこで、基本的な考え方として「男の子と女の子では、脳のスペックは一緒なのだけれど、とっさにどの機能を選択するかが違う」との表現をされています。これはどういうことでしょうか。

黒川 私はもともと人工知能の開発者で、今も人工知能の研究をしています。人間はどのように物を見て、どのように考えて、そしてどのように対話をし、どのように問題解決をしていくかという人間の脳の感性特性を、人工知能に学習させるために日夜分析して、38年になります。

 その途中で気がついたのは、「男性と女性ではとっさに見る場所が違う」ということです。例えば男性は、遠くの動くものに瞬時に照準が合うという特性があります。女性は目の前、つまり半径3メートル以内を面で潰して舐めるように見て、わずかな変化を見逃さないという特性がある。

 このように、男女でとっさに見る場所が違うということに気が付いたのです。そこから、例えば遠くの動くものに照準が合うということは、「ゴール指向」といって、プロセスよりも先にゴールに行きます。一方、周りを面で潰して舐めるように見るということは、1つのゴールではなく、あらゆることのプロセスに対して気持ちがいくのです。男女で指向と、対話の好みも違うということに気がついたのです。

 1988年、ニューラルネットワーク(つまり人工知能のコアエンジン)の試作に富士通が成功した時に、私はそのチームの下働きのエンジニアでした。私のテーブル上のパソコンで、小さな脳細胞、たった8個の人工知能が、誕生しました。それに学習実験をさせながら、1991年に男の子を1人産んだのです。AIの学習実験をする人工知能エンジニアでありながら、自分は生身の子どもを育てるお母さんでもあるという、本当に稀有な体験をさせてもらいました。

―― まさにAIの第1段階といいますか、最初期の頃のお話だと思います。その頃に、男の脳のあり方、女の脳のあり方をコンピュータに教えるのは、どのような手法だったのでしょう。ア...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎
老荘思想に学ぶ(1)力のメカニズム
老荘思想は今の時代に人類の指針となる
田口佳史
西洋哲学史の10人~哲学入門(1)ソクラテス 最初の哲学者
ソクラテス:「フィロソフィア」の意味を問う最初の哲学者
貫成人
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
プロジェクトマネジメントの基本(3)プロジェクトのすすめ方
PDCAサイクルを回すための5つのプロセスとそのすすめ方
大塚有希子
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(2)『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏への道
『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏のすごさ…波へのこだわり
堀口茉純
熟睡できる環境・習慣とは(3)睡眠にいい環境とお風呂の入り方
布団に入る何分前がいい?入眠しやすいお風呂の入り方
西野精治
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄
経験学習を促すリーダーシップ(3)成功の再現性と教え上手の指導法
教え上手の指導法に学ぶ!成功の再現性を高める4ステップ
松尾睦
2025年、どん底日本を脱却する大戦略(1)日本が凋落した要因を総覧する
日本凋落の「7つの要因」と「10の復活大戦略」
島田晴雄