黒川伊保子先生に学ぶ「子育てのトリセツ」
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
お父さんが息子をたくましくしたいなら、妻を幸せにすべし
黒川伊保子先生に学ぶ「子育てのトリセツ」(4)お父さんの役割
哲学と生き方
黒川伊保子(株式会社感性リサーチ 代表取締役社長/人工知能研究者/随筆家)
女の子の自我は4歳には確立するが、自我が増大しがちになるため、客観性を持たせてあげることが大切となる。そこで大切なのがお父さんの役割だ。ではお父さんは娘にどう接すればいいのだろうか。また、息子をたくましくするためにはお母さん、つまり妻を幸せにすることが大事だという。それはどういうことなのか。(全7話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:7分36秒
収録日:2021年6月28日
追加日:2021年9月13日
≪全文≫

●お父さんが娘との関係で気を付けること


―― 男のお子さんの場合は、第2話のお話ですと、お母さんが座標軸の原点である。そして、前回(第3話)の話のように、女のお子さんの場合は、女友だちのように遇する、というお話でした。

黒川 そうですね。

―― やはり、「座標軸の原点」と「女友だち」とでは違いますね。

黒川 女の子を育てるときと男の子を育てるときは、立場が違うのです。そういう意味では、女の子はもう4歳で自我があり一人前だから、この自我が増大しがちだという問題があります。世界の3分の2くらいが自分になってしまうのです。

 自分の前髪を少し短く切り過ぎたとなったら、「もう学校にも行きたくない」「世界中の人が私の前髪を笑っている」と思う時期が、女の子にはどうしてもある。このような自我のまま大人にしてしまうと、失敗を恐れたり、何かうまくいかなかったりしたときにショックが大きいのです。そのため、「世の中は君が思っているほど君のことを気にしていない。君が思っているほど君の失敗を笑っていない」ということ、つまり客観性を養ってあげる必要がどうしてもあります。

 それは、大抵は自然に育ってきます。何かに挑戦して挫折するといったことを繰り返しながら、自然に知っていく。あるいは、私の場合は物理学を専攻しているのですが、物理学が私に客観性をくれました。「相対性理論なんて、時間の流れさえも違う。私が思っていることは絶対ではないのだ」と本当に思いました。いろいろなやり方で女の子は、自分が世界の中心ではないということを知ります。ただ、やはりお父さんがそのことを早めに知らせてあげると、ずいぶんと楽だろうと思います。

 お父さんが「君が世界の中心ではないのだよ」ということを穏便に知らせる一番の手段は、お嬢さんよりも奥さんを優先することです。どうしたって娘はかわいいでしょう(笑)。子育てで不機嫌になっている奥さんよりも娘のほうがかわいいから、奥さんが少し感情的になって娘を叱り過ぎたりしたら、娘を庇って、「お母さんはすぐ感情的になるからね」などと言いそうになるのですが、そこは男性の方には我慢していただきたい。

 私の父が、それをきっぱりとやってくれました。私が小学校5年生の頃だったと思います。私は早くから口の立つ子で、母と喧嘩をするときも理詰めにして泣かせていたのです。でも、私は自分が正...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(1)心理学研究と日本の幸福度
実は今、「幸せにも気をつける」べき時代になっている
前野隆司
哲学から考える日本の課題~正しさとは何か(1)言葉の正しさとは
「正しい言葉とは何か」とは、古来議論されているテーマ
中島隆博
世界神話の中の古事記・日本書紀(1)人間の位置づけ
世界神話と日本神話の違いの特徴は「人間の格づけ」にある
鎌田東二
「怒り」の仕組みと感情のコントロール(1)「キレる高齢者」の正体
「キレやすい」の正体とは?…ヒトの「怒り」の本質に迫る
川合伸幸
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
西洋哲学史の10人~哲学入門(1)ソクラテス 最初の哲学者
ソクラテス:「フィロソフィア」の意味を問う最初の哲学者
貫成人

人気の講義ランキングTOP10
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(5)恐るべき台湾への「浸透」
浸透工作…台湾でスパイ裁判が約70件、それも氷山の一角
垂秀夫
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
編集部ラジオ2025(24)「理解する」とはどういうこと?
学力喪失と「人間の理解」の謎…今井むつみ先生に聞く
テンミニッツ・アカデミー編集部
いま夏目漱石の前期三部作を読む(1)夏目漱石を読み直す意味
メンタルが苦しくなったら?…今、夏目漱石を読み直す意味
與那覇潤
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
伊能忠敬に学ぶ「第二の人生」の生き方(1)少年時代
伊能忠敬に学ぶ、人生を高めて充実させる「工夫と覚悟」
童門冬二
クーデターの条件~台湾を事例に考える(4)クーデター後の民政移管とその方策
軍政から民政へ、なぜ李登輝はこの難業に成功したのか
上杉勇司
世界のジョーク集で考える笑いの手法と精神(1)体制を笑うジョークと諷刺の精神
ジョークの精神…なぜ人は厳しいときほど笑いを磨くのか
早坂隆
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
未来を知るための宇宙開発の歴史(12)宇宙推進技術はどこまで進化したか
水平離着陸で宇宙へ、近未来のロケット像と進む技術開発
川口淳一郎