米中戦略的競争時代のアジアと日本
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アメリカが経済安全保障として進める6つの管理強化とは
米中戦略的競争時代のアジアと日本(4)アメリカの安全保障戦略
白石隆(熊本県立大学特別栄誉教授)
中国の脅威が高まる中で、米中の覇権争いは激化している。2017年にトランプ政権の下で出された「国家安全保障戦略」や、2019年に施行した「国防授権法」から、アメリカが中国の戦略をどのように理解しているのか、そしてそれをもとにどのような対中戦略を取っているのかを明らかにする。(全7話中第4話)
(2021年11月24日開催島田塾講演「米中戦略的競争時代の アジアと日本」より)
時間:12分03秒
収録日:2021年11月24日
追加日:2022年3月2日
カテゴリー:
≪全文≫

●アメリカは中国の戦略をどう理解しているのか


 それに対してアメリカはどう対応しているのかというと、これは2017年の安全保障戦略に非常にはっきり出ています。中国は、アメリカに対抗する力を持つ唯一の現状変更勢力です。ロシアも現状変更勢力ですが、そこまでの力はありません。

 その基礎にある考え方は、中国は民主主義にもならないし、市場経済にもならないということです。それでは中国はどうやって「中国の夢」を実現しようとしているのかを地政学的にいうと、これについてはアメリカにいる中国研究者が非常にうまい言い方をしているのでそのまま書きますが、“Koreas in, Japan down, US out”です。つまり、北朝鮮と韓国は自分たちの勢力圏に引っ張り込み、日本は敵対しないように抑え込む。そして、アメリカは追い出す。これが地政学だということです。

 その中で、国内市場中心の経済成長を進めます。そして、「軍民融合」で軍事的な力をつけ、先端新興の技術分野でも優位を取り、中国中心の経済秩序を作ろうとしているのです。これがアメリカの基本的な判断だと私は思います。

 このあたりについてもしご関心があれば、特にドナルド・トランプ政権の初期に安全保障補佐官や次席をやった人たちのメモワールが最近出ているので、そういうものを見ると非常にいいと思います。ここ(スライド)には書いていませんが、特にハーバート・マクマスター氏のメモワールは、中国に対するアメリカの見方を非常によく示しています。


●中国の脅威に対するアメリカの戦略とは


 その中でアメリカの安全保障戦略はどうなっているのかというと、基本的にはドナルド・トランプ氏の下でもそうでしたが、現在のジョー・バイデン大統領の下でも同盟連携を基礎として「自由で開かれたインド太平洋」を維持するということです。

 しかし、中国の軍事力の強化によって、アメリカの空母機動部隊などは中国の周辺海域にはもう近づけない状態になっています。スライドの図は『エコノミスト』からですが、どういうことかというと、前方展開戦略は見直さざるを得ないということです。

 次に、先端新興技術における優位については、やはり研究技術開発投資を行って、同時に先端技術開発について...

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