野鴨の哲学~安楽から離れ自分自身を生きる
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
安住安楽こそ悪の根源‥平和と向き合うため若者と旅した処
野鴨の哲学~安楽から離れ自分自身を生きる(3)日本に今「野生の鴨」が必要な理由
行徳哲男(日本BE研究所 所長)
「野鴨の哲学」第三弾は、いよいよ実践編。現代日本に「野生の鴨」が必要な理由を行徳哲男氏が解説していく。世界から見た日本はどんな国か、今私たちが取り戻さなければならないものと、そのための方法を、行徳氏が豊富な実体験の中から語りかける。(全3話中第3話目)
時間:12分06秒
収録日:2014年2月26日
追加日:2015年1月8日
≪全文≫

●全ての悪が芽生える「安住安楽」とは


行徳 この「野生の鴨」の教えとは一体どういうことなのか。キェルケゴールが吐いたセリフがあります。

 人間の悪はどこから芽生えるのかという悪の始まりについての言葉で、「安住安楽こそ、すべての悪の根源だ」と言ったのです。

 安住や安楽から悪が芽生えるとはどういうことか。「もう、これでいい。何とかなる。食べる心配も、着る心配も、住む心配もないではないか」というのが安住安楽です。

 今の日本に当てはめると、鮮明に理解できます。日本人は、敗戦のがれきの中から、とにかくよく頑張りました。そして、築いたのが経済大国で、食べる心配も着る心配もなくなった。住む心配については、多少「狭い」という不服はありますが、これとてもありません。

 私にとって大変癪なのは、「水」です。今は水が有料なのです。戦争中に育った私ですが、田舎に住んでいたせいもあり、「水に金を出す」という習慣はありませんでした。どこでも、水はタダで飲めました。極端に言えば田んぼの水だって、澄み切っていたら、飲んで下痢をした試しはありません。山に行くと、もう水はふんだんでした。もちろんタダです。こんなにおいしい水がタダで飲める国が、世界でどれほどあるでしょう。


●平和と向き合うためにキリング・フィールドに立つ


行徳 決定的なのは、「安全と自由と平和」です。何よりも「平和」という存在に対して、一体私たちはどれほど向き合っているでしょう。「平和とは何なのか」を考えているでしょうか。

 外国の哲学者たちに日本人を一言で定義付けろと言うと「平和とおいしい水がタダで手に入ると思っている世界で唯一の民族、それが日本人だ」と言います。私たちは、やはり平和がタダだと思っているのです。

 私は、若者たちを連れてよく旅をします。平和と向き合うために、いろいろな所に出向くのです。

 遠い所では、カンボジアの「キリング・フィールド」まで、60人ほどの若者を連れて行ってきました。

 キリング・フィールドというのは、映画にもなりました。野原があって、生えている草の間を縫って布地がそこかしこにあるのです。その布の下にあるのは全部、処理できない遺体です。あそこにあるミイラだけで、何千体を数えます。

―― 先生はそういう体験を通じて「野生の鴨」を取り戻すのですね。

行徳 ええ、そうです...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明
「ホメロス叙事詩」を読むために(1)ホメロスを読む
2700年前のホメロスの叙事詩が感動を与え続ける理由
納富信留
メソポタミア神話の基本を知る(1)メソポタミア神話の神々と人間との関係
メソポタミア神話は、ギリシア神話はじめ世界の神話の原点
鎌田東二
プラトン『ソクラテスの弁明』を読む(1)真実の創作
プラトンの『ソクラテスの弁明』は謎多き作品
納富信留
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
プラトンの哲学を読む(1)対話篇という形式の哲学
ヨーロッパ哲学の伝統はプラトン哲学の脚注だ
納富信留

人気の講義ランキングTOP10
テロメアから考える「アンチエイジング」(1)老化とテロメアの関係
テロメアの長さが「がんリスク」と「老化」のカギを握る
堀江重郎
ピアノでたどる西洋音楽史(1)ヴィヴァルディとバッハ
クラシック音楽の歴史をピアノ演奏で辿る~ヴィヴァルディ四季
野本由紀夫
「満洲」から考える日本とアジア(4)蒙古襲来と清朝建国
実は元寇はモンゴル人ではなかった?満洲をめぐる民族興亡史と「漢族」との関係…蒙古襲来から清朝建国まで
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(6)世界の英雄神話とその構造分析
知恵か腕力か?…オデュッセウス、スサノオ、アルジュナなど世界の英雄たちの栄光と悲劇
松村一男
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(2)教義の宗教と覚りの宗教
キリスト教は教義の宗教、仏教は覚りの宗教…仏教はなぜ普遍宗教か
橋爪大三郎
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
「ホメロス叙事詩」を読むために(7)オデュッセウスの冒険
ホメロスの『オデュッセイア』が描く苦難と誘惑の冒険譚
納富信留
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
バッハで学ぶクラシックの本質(1)リベラルアーツと音楽
音楽の父バッハ…なぜ「音楽」が西洋でリベラルアーツなのか?
樋口隆一