日本人が知らない自由主義の歴史~前編
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
大きな政府も第三の道も行き詰まり…現代リベラリズムの混迷
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(7)現代リベラリズム
柿埜真吾(経済学者/思想史家)
「現代リベラリズム」はニューリベラリズムの流れを組んでおり、特にアメリカでは大恐慌から1960年代までは有力であったが、その後はリベラルな政党はどんどん没落していくことになる。あらためて現代リベラリズムによる政策と、それが支持を失っていった背景、理由について解説する。(全7話中7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:7分14秒
収録日:2022年7月1日
追加日:2023年5月30日
≪全文≫

●錯綜するリベラリズムの思想と「現代リベラリズム」


―― 続きまして、「現代リベラリズム」になります。これは(第6話でお伝えした)ニューリベラリズムの流れが分からなければ、そこも分からない、ということになりますか。

柿埜 そうですね。今、特にアメリカや日本で「リベラリズム」とカタカナでいうと、この現代リベラリズム(社会リベラリズム)――あるいは本当はニューリベラリズムといってもいいのですが――を指すことが多い。

 そこで、ややおかしな話なのですが、ニューリベラリズムといって登場したホブハウスやホブスンといった人たちは、途中から「ニュー」を付けないで、自分たちのことを「真のリベラルだ」と言い出すわけです。

―― なるほど。

柿埜 古典的リベラリズム、古典的自由主義とは言っていることがまったく逆なのに、「自分たちこそ真の自由主義なのだ」「真のリベラリズムなのだ」と言うのは、いったいどういう意味かと思ってしまわないでもないのですが、途中から「ニュー」を付けないで「リベラリズム」と自分たちのことを言うようになります。

 ですから、「現代リベラリズム」という言い方をしばしばしますけれども、これは基本的には「ニューリベラリズム」とイコールだと思っていただいて構いません。

―― そうすると、欧米においてもリベラリズムといったときに、そもそもの「自由放任的なもの」、あるいは「侵害されない権利を重んじる」というリベラリズムと、「ニューリベラリズム=積極的に介入していくべきだ」という思想が、混同してしまっていることになるわけですか。

柿埜 これはなかなか困った問題なのですが、両方が併存して「自分たちこそがリベラルだ」と言い、互いに相手のことを「偽物だ」と言い張っているという、おかしな事態になっています。

 しばしばアカデミックな世界でいわれる現代リベラリズムというと、ここ(スライド)にも書いている通り、裁量的な景気対策を行う、規制や国有化を進めて経済を管理する、社会保障や生活保護をとにかく充実させる、あるいは「積極的差別是正措置(アファーマティブ・アクション)」というやり方で、少数民族などマイノリティの方を優遇するような措置を取る、そういった政策をとる考え方は、今でいうリベラルと理解されているものになっています。


●経済停...


スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
プラトン『ソクラテスの弁明』を読む(1)真実の創作
プラトンの『ソクラテスの弁明』は謎多き作品
納富信留
日本人が知らない自由主義の歴史~後編(1)ニューリベラリズムへの異議
ハーバート・スペンサーとダイシー…20世紀の危機の予言者
柿埜真吾
『孫子』を読む :計篇(1)「戦わずして勝つ」の意味
「戦わずして勝つ」ことを唱える『孫子』が注目される理由
田口佳史
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
デカルトの存在論に学ぶ(1) 「我思う、ゆえに我在り」
「我思う、ゆえに我在り」はデカルトの専売特許ではない
津崎良典
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明

人気の講義ランキングTOP10
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(3)国司と郡司のつきあい
郡司の妻たちと宴会!?……国司・大原真人今城へのはなむけの歌に示す媚態表現の真相
上野誠
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(2)タタールのくびきと「第三のローマ」
なぜロシアが「第三のローマ」なのか?…東ローマ帝国とモンゴル帝国の根深い影響を探る
上月豊久
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(6)認知症予防と健康寿命の延伸に向けて
フレイル・サイクルは回り出したら抜けられない!?負のスパイラルへの対処法
小川純人
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
編集部ラジオ2026(37)長谷川眞理子先生の公開収録!
【アンケート&公開収録】長谷川眞理子先生:男と女でどう違う?能力の高め方
テンミニッツ・アカデミー編集部
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「発想力」の技法を学ぶ(1)発見と探究(前編)
“なぜ”を繰り返せ!『発想力の全技法』に学ぶ原因探究法
三谷宏治