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人生はどうでもいい…何事が起こっても全部、自分の責任

人生のロゴス(6)人間はなりたいようになる

執行草舟
実業家/著述家/歌人
概要・テキスト
『人生のロゴス 私を創った言葉たち』(執行草舟著、実業之日本社)
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「魂の苦悩」に堪えられるのはほんの少数だが、その少数が影響力を持てる国は興隆する。最たる例が、ローマ帝国の元老院議員たちであった。彼らはもとをたどると神話に行き着く家系で、自分たちを「神の子孫」と考えていた。そういう人が1000人いたから、ローマ帝国は世界を制覇することができたのである。続いて、取り上げるのはサルトルの言葉。〈人間は、自ら創ったものになる〉は人間生存を哲学的に考え続けた哲学者の結論で、「人間はなりたいようになる」ということである。物事はすべて自己責任という意味でもあり、『葉隠』と同じである。(全14話中第6話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:12:24
収録日:2023/03/29
追加日:2023/06/30
カテゴリー:
≪全文≫

●「神の子孫」が1000人いたから、ローマ帝国は世界を支配した


―― でも魂の苦悩に耐えられる人は、本当に少数ですね。

執行 そうでしょうね。

―― その少数の人が国の育成について影響力を持てる時代は、うまく回るわけですね。

執行 それが何度も喋った、英国のジェントルマンです。その英国が最高の成功例です、歴史では。だから魂の苦悩から、命を懸けた自分の信念を一つ持った人がジェントルマンとして認められた。それが2万人いたのが英国だったのです。

―― ジェントルマン2万人って、すごいですね。

執行 すごいけれど、今の量の社会から言えば大したことはありません。2万人なんて選挙も受からない。小選挙区だって何十万人ですから。

―― でもボーディングスクール(全寮制学校)で育って、オックスブリッジに行っている人の中での2万人だから、相当な比率になるわけですね。

執行 もちろんそうです。そのときに2万人いたから、英国は19世紀に世界七つの海を制覇したのです。全員がジェントルマンではなく、各セクションにいる指導者だけですが、トップにジェントルマンがある程度いれば、世界を支配するほどの圧倒的な国家の力を持つことができるのです。

―― まさにそれを2万人のジェントルマンで証明したと。

執行 歴史が証明しています。ローマ帝国もそうで、世界を制覇したときに今の人口比で1万人ぐらいいました。人口比を計算したことがありますが、ローマ帝国自体が3000万人しかいません。ほかのところは数十万人です。その当時の1000人だから、今で言うと1万4000~5000人のエリート層がローマにいました。このエリートは、あのカエサルも含めて全部ローマの神話上の家系です。

―― 元老院階級の……。

執行 元老院の階級です。だから日本で言えば、公家や天皇家から分かれた源氏とか。要するにもとをたどると神話に行き着く家系で、「神の子孫」と言われる人たちです。この人たちが1000人いた。この1000人がいたときのローマが世界を支配したのです。

―― 絶頂期だったわけですね。

執行 もともと民主主義共和制は、そういう人たちが作った組織です。あのギリシャの(民主制の基礎をつくった)ソロンもそうです。ギリシャのポリスの市民は、ご存じだと思いますが、われわれの社会から見れば貴族です。(当時は)奴隷社会ですから。プラトンも全部、貴族です。働く必...
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