アメリカの理念と本質
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
ピューリタニズムとは?アメリカ建国の核とその歴史に迫る
第2話へ進む
三つの建国――その歴史的背景から迫るアメリカの原点
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
中西輝政(京都大学名誉教授/歴史学者/国際政治学者)
「日本の近代を語るとき、アメリカという存在を抜きにしては全く本質が見えてこない」と中西氏は言う。しかし、日本にとって死活的に重要な存在である国にもかかわらず、アメリカがどんな国か、アメリカの原点は何なのかという点について、しっかりと理解している日本人は少ないのではないか。その理由として、宗教と建国という二つの大きな視点を挙げながら、その中でも今回は現在のアメリカを語る上で欠かせない「三つの建国」についてうかがっていく。(全10話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分44秒
収録日:2024年6月14日
追加日:2024年8月20日
カテゴリー:
≪全文≫

●日本人のアメリカ理解をはばむ二つの理由


―― 皆さま、こんにちは。

中西 こんにちは。

―― 本日は中西輝政先生に「アメリカの理念と本質」というテーマでお話をいただきたいと思います。中西先生、どうぞよろしくお願いいたします。

中西 中西でございます。どうぞ皆さん、よろしくお願いいたします。

―― 中西先生、アメリカというと、日本にとって、もちろんいうまでもなく、とても大事な国だと思います。しかし、日本人は案外アメリカのことをよく知っていないのではないかという部分もあります。中西先生は以前こちらの『アメリカ外交の魂 帝国の理念と本能』(集英社)という本をお書きになりました。こちらは2005年の刊行ですが、その後文藝春秋の「文春学藝ライブラリー」として再刊されています。

 この本に限らず、(先生は)これまでアメリカについて、いろいろな形での分析や提言をしてこられました。その見地から、アメリカをどのように見ていくかということで今日はぜひお話を伺えればと思っています。

 まず中西先生にお聞きしたいのは、アメリカの原点といいますか、そもそもアメリカとはどういうものなのかということです。

中西 はい、それでは今の問題提起に沿ってお話をさせていただきます。

 日本の近代を語るとき、アメリカという存在を抜きにしては全く本質が見えてこない。そういう側面があるぐらい、大きな大きな存在としてのアメリカ、これを日本人はもっと肌身で理解するような形で、アメリカ観というものをしっかりと持つべきだろうと常にいわれます。しかしながら、今日に至るまで、非常に皮相的なアメリカ観で終始してしまっている。

 そこには、しかし大きな理由があったのだと私は思います。その一つはやはりキリスト教という問題です。アメリカを理解するときに宗教を抜いて理解することはできません。しかし、日本人にとって宗教というテーマは、話題として非常に苦手というか、ずっと宗教に関する議論をしてこなかった歴史的土壌があります。

 そういうことで、他の国──例えば中国、韓国、あるいは東南アジア、ロシア、インドなど、いろいろな国を学ぶときに、やはりいろいろな宗教が問題になるのですが、アメリカを語るときに、キリスト教の問題ほど重大な問題はない。

 それから、もう一つはアメリカに「西洋文明の行き着いた先」という意味があるこ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
こどもと学ぶ戦争と平和(1)私たちに必要な想像力と戦争体験
なぜ戦争が起こるのだろう…大切なのは想像力と生の声
小原雅博
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(9)「トランプ大統領」の視点・論点
【テンミニッツで考える】「トランプ大統領」をどう見るか?
テンミニッツ・アカデミー編集部
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
万葉集の秘密~日本文化と中国文化(1)万葉集の歌と中国の影響
『万葉集』はいかなる歌集か…日本のルーツと中国の影響
上野誠
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(6)日本人の当たり前と山本七平の違和感
日本の異様さ…フィリピンから復員した山本七平が驚いたこと
與那覇潤
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
戦前、陸軍は歴史をどう動かしたか(1)総力戦時代の到来
日英同盟の廃棄、総力戦…世界秩序の激変に翻弄された日本
中西輝政
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(3)「現場の熱」こそ多角化の要点
新規事業を成功させるリーダーとは…上意下達はなぜダメか
水野道訓