新撰組と幕末日本の「真実」
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
受け継がれる魂…戊辰戦争での奮戦と自由民権運動の情熱
新撰組と幕末日本の「真実」(8)戊辰戦争~明治期の新撰組の魂
新撰組といえば「刀の集団」というイメージが持たれがちだが、実際には早い段階から洋式の鉄砲を買い集めて、大砲なども用いて訓練していたことが分かっている。では、なぜ幕末の京都では「刀」での戦闘が繰り広げられたのだろうか。また、鳥羽伏見の戦いの後、近藤勇ら新撰組が組織した甲陽鎮撫隊の逸話にも大きな誤りがあるという。さらに新撰組に結実した多摩の誇りと気骨は、明治に入ると、薩長藩閥政府に対抗する自由民権運動の熱気へとつながっていく。史実に余白が多く、だからこそさまざまな物語が生まれた新撰組。最終話では、史実を追いながら、あらためて新撰組の魅力と後世に引き継がれたその魂について考える。(全9話中第9話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:14分43秒
収録日:2026年1月15日
追加日:2026年4月2日
≪全文≫

●誤解される土方歳三の言葉…新撰組は「刀の集団」だけではない


―― ここで鳥羽伏見の戦いになり、戊辰の戦いになり、最後、土方などは箱館の戦いまで行くというところになります。この後ろの部分を堀口さんはどう見ておられますか。

堀口 それは、新撰組にとって受難の時代というか、自分たちは政権側にいたけれど、その後ろ盾がなくなってしまったというようなところは、もう喪失感どころの話ではなかったと思うのです。

 1点、言及しておきたいのは、新撰組は武士に憧れていた人たちといわれているのですけれど、実際には身分として武士になっているのです。それは、慶応3(1867)年の時点で近藤勇は旗本に取り立てられているので、成就はしているし、武士になった立場で戊辰戦争を迎えているわけなので、戦局をどうするかというところで、江戸城に上がって主戦論を唱えるというようなこともしています。

 また、その後、結局、徳川慶喜が恭順をするということを決めて、江戸が戦場になることはなかったわけなのですけれど、日野のあたりといいますと、甲陽鎮撫隊が結成されて、甲州のほうに出陣していこうという流れで、多摩の豪農の人たちがそれを支えるという流れもありますので、今度は負けた側の戦いになっていくというところでしょうか。

―― 松下さん、このあたりはいかがですか。

松下 京都で刀を振り回していたところから、近代戦に突入していくわけですけれど、けっこう大きな誤解があるのは、新撰組が「刀の集団」であるということなのです。確かにその元になったのは近藤勇の剣術道場ですけれど、土方歳三、近藤勇、彼らはけっこう早い段階から洋式の鉄砲を買い集めたりして訓練しているのです。

 なお、よく鳥羽伏見の戦いの後に土方歳三の「刀の時代は終わってしまった、ガクッ」という描写がありますけれど、あれはあり得ないのです。鉄砲がズラッと並んでいる前に刀でもってワーッと突っ込んでいったらどうなるかというのは、戦国時代に証明されていますから、そんなことはもうやらないのです。当然、新撰組も鉄砲でもって戦いに挑んだはずです。

 土方歳三の「刀の時代は終わってしまった、ガクッ」という元ネタは実はあります。これは、土方歳三が鳥羽伏見の戦いの後に佐倉藩の依田學海という人に語った話なのですけれど、何と言っ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
徳川家康の果断と深謀~指導者論と組織論(1)率先し陣頭指揮する
徳川家康の「天下泰平」デザインとは?…陣頭指揮とカリスマ性
片山杜秀
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
本当のことがわかる昭和史《5》満洲事変と石原莞爾の蹉跌(1)なぜ満洲が重要だったのか
放っておけば朝鮮はロシア領になりかねなかった
渡部昇一

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ