中国春秋戦国時代と始皇帝
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
秦と周辺国の激戦の真実に迫る…各国の兵力と秦の戦略とは?
中国春秋戦国時代と始皇帝(4)秦と周辺国の激烈な戦い
鶴間和幸(学習院大学名誉教授)
秦が戦国七雄の中で天下統一を成し遂げるまで最も手こずったといわれるのが大国・楚である。楚との戦いでは、秦の武将・李信と蒙恬(もうてん)が20万の軍隊で攻めて敗北を喫した後に、名将・王翦(おうせん)が60万の軍隊で勝利を収めるが、その経緯は虚々実々で興味深い。また、王翦の息子・王賁(おうほん)が魏の都・大梁を攻略した水攻めや、斉の無血開城など、各国との多様な戦局が明かされる。さらに年代をさかのぼり、40万の軍隊が穴埋めにされたという有名な「長平の戦い」が繰り広げられた秦と趙の戦いも見ていく。(全9話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:6分12秒
収録日:2026年6月16日
追加日:2026年7月20日
カテゴリー:
≪全文≫

●秦が一番手こずったのは楚――李信の敗北と王翦の戦略


―― 趙と魏と韓はそれぞれどんな特徴があるのですか。

鶴間 魏は、先ほど言った商鞅の変法以来、秦の軍事力に負けて、安邑(あんゆう)から都を大梁というところに移すのです。

 (地図を見ると)魏はあいだ(真ん中)に楔(くさび)のような韓が入っていますので、もう西は放棄するのです。ですから、大梁(たいりょう)に移った段階で魏は小さい国になってしまいます。大梁は現在の開封で、黄河の洪水によく遭う場所ですが、ここに魏は移っていくのです。

 韓は最も小さい国で秦の隣なのですけれど、自分たちが生きていくためには秦との外交をやらなければいけないのです。『韓非子』の韓非は著作家でもあるのですけれど、始皇帝が韓非の書物に非常に惹かれたため、秦に呼ばれます。実は韓非は、李斯(りし)と荀子(じゅんし)の(同門、つまり)兄弟(弟子)関係にあったので、李斯は彼(韓非)の才能を知っていますから、彼が秦に入ったところで毒殺されてしまいます。(とはいえ)韓としては、生きていくためになんとか秦の侵略を止めようというところにあったのです。

―― このあたりが、先ほどおっしゃった「合従策」の一つの動機になってくるというところですね。

鶴間 そうですね。

―― それぞれの国の強さといいますか、戦力ということで朝日新書(『始皇帝の戦争と将軍たち』)のほうに書かれているのですけれど、一覧でいうとこんな感じ(以下スライド)ということですね。

鶴間 はい。いわゆる合従連衡の「合従」を主張した人々が諸国を回って秦に対抗しなければいけないということで、それぞれの国の情報を持っているわけです。これはその時の情報です。だから、おそらく(情報は)刻々と変わるのですけれど、特徴としていえるのは、例えば楚と秦は100万ほどの非常に大きな軍隊を抱えているということです。

 ここ(スライド)には面積は書いていないのですが、国土が一番広いのは楚です。

―― 楚は地方五千里ですね。

鶴間 はい。そこに100万の軍隊がいる。これは後々のことですが、秦が一番手こずるのは楚なのです。

 100万同士で戦うのですけれど、王翦(おうせん)とい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
平安時代の歴史~「貴族道」と現代(1)日本の歴史における平安時代の意味
平安時代の意外な真実…貴族社会の華やかさの裏の激動と転換
関幸彦
『江戸名所図会』で歩く東京~日本橋 (1)日本橋に見る徳川家康の手腕
徳川家康と江戸の町づくりー江戸時代の「日本橋」の姿とは
堀口茉純
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
家康の人間成長~戦略性をいかに培ったか(1)今川「人質」時代と今川義元の思惑
徳川家康の秘密…「辛抱」イメージとは異なる自由奔放な人質時代
小和田哲男
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(36)宮脇淳子先生「満洲史」講義の要点
【10min解説】「満洲史」はタブー?…そこから見えてくる教訓とは?
テンミニッツ・アカデミー編集部
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(6)認知症予防と健康寿命の延伸に向けて
フレイル・サイクルは回り出したら抜けられない!?負のスパイラルへの対処法
小川純人
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
ゼロからわかるメタバース(7)アバター対談〈下〉
アフォーダンス理論によるメタバース実体験のススメ
廣瀬通孝
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎