昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
共産軍2万を金門島で殲滅…ただし一般人の命を守る軍人の本義を重視
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(3)共産軍を殲滅――金門島での戦い
「林保源」の名で国民党軍・湯恩伯司令官の「顧問」となり、対共産党戦の作戦を立案した根本博。根本は商業都市・厦門(アモイ)をあえて放棄し、金門島に敵を誘い込んで退路を断って殲滅する「厳島の戦い」を模した戦略を献策する。この作戦は見事に成功し、共産軍2万を殲滅する完全勝利(古寧頭戦役)を収めた。だが一方で根本は、功を焦る軍を制して村人を巻き添えにすることを防ぎ、「一般の命を失わせてはならない」という軍人の本義を貫いた。現在も台湾領となっている金門島の礎を築いた、名将の劇的な戦いを追う。(全5話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:11分56秒
収録日:2019年7月30日
追加日:2026年8月7日
≪全文≫

●「顧問閣下」として、「林保源」として


門田 (根本博が台湾に)とにかくやっとたどり着いて、そういう感激の対面があった。それで蒋介石に会わせてもらうわけです。だから、蒋介石に会ったのが二度目です。彼が北支那方面軍司令官だったときに会っていますので、蒋介石はものすごく感激するわけです。

 それで、金門戦争というか、対中国共産党との戦いに参加してくれますかと(蒋介石に問われて)、「はい、そのために来ました」と答える。(そして、根本博は)「林保源」という名前をもらって国民党軍に入って、金門島に赴きます。これはもう劇的といえば劇的です。

 その時は福建で戦争をしていますから、どこでどう戦うか、こういう名将にとっては視察すれば一発で分かります。それで、湯恩伯(とうおんぱく)将軍もまた日本通なのです。明治大学出身で、日本語が堪能な司令官です。湯恩伯の軍事顧問として入って、その作戦を考えるのですけれど、厦門(アモイ)、金門島、そして福建をずっと見て回って、すぐに「司令官、これは金門島で戦わなければいけません」と(伝えると)「いや、厦門を放棄するわけにはいかない」と(返ってくるから)、「いや、厦門を放棄しなければ、台湾が落ちます」と(答えます)。

―― 補足すると、台湾は沖合にあって、厦門は(中国)大陸の中では非常に有名な商業都市というか港湾都市です。

門田 どういうことかというと、(そのあたりは)湾になっているわけです。金門島があって、金門島と大陸との間は2キロなのですけれど、台湾との間は180キロあるわけです。90倍離れているわけです。

 そうすると、金門島の横に厦門があるわけです。これは鄭成功(17世紀、明代)の時代から貿易港で、当時でも20万の人が住んでいたようです。厦門は当時、島なのですけれど、今では本土との間に橋が架かっています。この厦門は商業貿易都市だから、当時でも20万人が住んでいるところです。「ここを死守しようと思って戦ったら、180キロ離れた本体の台湾が落ちます。だから、ダメです」ということで、金門島に敵をおびき寄せて、ここで一挙に殲滅するしか勝つ方法はありませんという献策をするわけです。

―― 蒋介石は、もともと厦門を守るつもりだったのですね。

門田 もちろんです。蒋介石は、厦門が落ちたら、金門島を守ってもしょうがないと思っていました。

早坂 厦門を...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
戦史に見る意思決定プロセス~日本海軍の決断(1)日本海海戦・東郷平八郎
なぜ東郷平八郎はバルチック艦隊を対馬で迎え撃ったのか?
山下万喜
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
『江戸名所図会』で歩く東京~日本橋 (1)日本橋に見る徳川家康の手腕
徳川家康と江戸の町づくりー江戸時代の「日本橋」の姿とは
堀口茉純
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(32)鎌田東二先生の法華経講義解説-1
【10min名作探訪】鎌田東二先生の『法華経』講義の核心ビジョン
テンミニッツ・アカデミー編集部
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
おもしろき『法華経』の世界(1)法華経はSFだ!
法華経はSFだ!…心を元気にしてくれる法華経入門
鎌田東二
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(6)漢字と理性と想像力
漢字と理性と想像力…いま日本人が考えるべきこととは?
橋爪大三郎