清宮克幸の「監督術」
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スクラム強化のためだけにフランスで武者修行
清宮克幸の「監督術」(2)突き抜けたものをつくる
清宮克幸(公益財団法人日本ラグビーフットボール協会 副会長)
頂点に立つために必要なのは、どんな世界でも「他に真似のできない」「何か突き抜けた」オンリーワンの強みである。そのための一つに「スクラム」を選んだヤマハ発動機ジュビロ監督・清宮克幸氏は、スクラムを組むためだけにフランスに遠征するという前代未聞の取り組みを実施する。ヤマハを4年間で日本一に押し上げた清宮氏による「監督術」シリーズ第2回。
時間:8分34秒
収録日:2015年4月9日
追加日:2015年5月14日
カテゴリー:
≪全文≫

●スクラム強化のためフランスで武者修行


── そういったことでチームが相当まとまり、だんだん清宮さんの色に染まってくる中、就任2年目には何をされましたか。

清宮 2年目は、強みをさらに強化するために、他のチームがやっていないことをやろうと考えました。おそらくこれは世界でも唯一だと思いますが、スクラムを組むためだけに海外遠征をしたのです。

── スクラムだけですか。ヤマハ発動機ジュビロ(ヤマハ)のスクラムは、確かに強いですね。

清宮 僕たちは、とにかく何か一つ突き抜けたものをつくろうと言っていて、その一つがスクラムだったのです。

 スクラムは、試合の中であまり回数の多いものではありませんが、そこを制すればメンタル的に非常に優位に立てるパーツなのです。そのスクラムを、他チームのやらない独自の組み方で仕上げようということで、フランスへ行ったわけです。

 フランスは、日本人と同じように体の小さい選手が多い国です。ですから、小さい選手が大きな体の選手たちにどう組んでいくかをずっと研究してきたのです。いわばスクラム文化のある国なのですよ。いろんなチームを回って、そのスクラム文化を見たかったのです。1人のコーチを呼ぶだけだと、そのコーチの色しか見られないですからね。

── その人の型だけになりますね。

清宮 そうですね。その型しか見られません。そこで、僕たちは15、6人で向こうへ行って、「スクラムを組ませてくれ」と頼みました。いわばスクラム武者修業ですね。いろんなチームを回ると、それぞれのチームに異なるスクラム文化があることが分かりました。それを実際に体験する中で、「あ、日本人に合うな」「これ、いただき」というものだけを取って帰ってきました。それを、「ヤマハのスクラム」を確立していくためのきっかけにできたのです。


●遠征先での大歓迎で選手の意識が変化


── どのぐらい行かれましたか。

清宮 2週間ほどで、8チームぐらいの門をたたきました。

── それはすごいことですね。

清宮 中にはプロの1部リーグなどもあり、ナショナルチームのメンバーが居るような上位チームの人たちも相手をしてくれました。とにかく向こうの人たちも、「お前たちは、日本からスクラムだけ組みに来たのか」と、驚くのです。

── 面白がられるわけですね。

清宮 面白がられました。「お前たちは、...

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