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DATE/ 2017.06.13

メガバンクの約30倍も高く金利がつく銀行とは?

高度経済成長期、郵便局の定期貯金は10%を超えることもあった!?

 今ではとうてい信じられないことですが、1970年代の高度経済成長期、普通預金の金利はなんと3%を記録したこともありました。郵便局の定期貯金は10%を超えることもあったそうです。

 オイルショックによって、そんなウハウハな高度経済成長も終焉しますが、それでも経済成長率は5%を保持。貿易摩擦の解消を目指して1985年に締結されたプラザ合意が発端となり、今度はバブル経済期に突入します。円高不況や投機加熱に慌てた日銀が公定歩合を上げ下げしたり紆余曲折はあったものの、普通預金金利は2.08%、定期預金金利も6.08%を記録しました。

 ご承知の通り、バブル崩壊以降の金利は右肩下がり。1995年の普通預金の金利は0.1%、定期預金の金利は1.091%、さらに翌年には定期預金の金利は0.504%まで落ち込みました。

 金融市場の再編と再生を目指し、金融自由化を掲げて、96年頃から橋本政権下で行われた金融改革が金融ビッグバン。これによって振込手数料やATM手数料、そして預金金利も各金融機関で決められるようになりました。
 

メガバンクの約30倍も高く金利のつくお得な銀行

 さて、リーマンショックを引き金とする世界的な金融危機、それにともなう未曾有のマイナス金利時代を迎えた現在、預金金利がだいたいどのくらいかご存知でしょうか。2017年2月、三菱UFJとみずほ銀行がついに「預金利回ゼロ%」を開示し、三菱UFJとみずほ、三井住友銀行を合わせた3大メガバンク、それからゆうちょ銀行は年0.001%の状態が続いています。

 しかし、そんな中でもメガバンクの約30倍も高く金利のつくお得な銀行もあるのです。それは、愛媛銀行、香川銀行、岡山に本店を置くトマト銀行の「瀬戸内3行」です。取り扱いが、オンラインで取り引きするインターネット支店でのみという点が、3行のお得な商品の特徴。それぞれ簡単にご紹介します。

 愛媛銀行四国八十八ヶ所店「だんだん定期預金」は、金利が国内最高レベルの0.3%です。預金額きっかり100万円という限定付きではありますが、これは驚きですね。続いて、香川銀行セルフうどん支店「超金利トッピング定期預金」は、預金額10万~100万円という制限付きで0.25%。10万円以上であれば、1円単位で希望額を細かく設定可能です。トマト銀行ももたろう支店「スペシャルきびだんご定期預金」も金利0.25%。預金額1万円から少額で利用できるのが魅力です。

「持続可能な資本主義」を掲げる投資信託

 冒頭で記したように、バブル崩壊リーマンショックを経て、日本経済も世界経済も、もう再生不可能なのではないかと思われるほどにボロボロになりました。なぜこんなことになってしまったのか。その答えの一つとして、過剰に利益と効率を追求しすぎたことが挙げられます。

 それに対して、「誰かの犠牲で成り立つ経済を終わらせよう」「利益追求のため無限に効率だけを追求するいまの資本主義に永続性はない」と、「持続可能資本主義」を掲げる勇敢でとても正直な銀行があることもぜひ知っていただきたいと思います。それは、2008年に鎌倉の地にたったの4人で創業した会社、鎌倉投信です。

 とはいえ、「何をそんなキレイごとを」と思われる方も多いと思います。が、実際にきちんと成果もあげ、テレビ東京「ガイアの夜明け」やNHK「プロフェッショナル」でも紹介されました。

 鎌倉投信の運用する投資信託「結い 2101」は、これからの日本に必要とされる「いい会社」だけに投資するという、従来の常識をくつがえす投資哲学で運用されている商品ながら、絶大な支持を得て、投資ブロガーが選ぶ「Fund of the Year」でも上位の常連、2013年には格付投資情報センター(R&I)でも日本一を意味する最優秀ファンド賞を獲得しました。

「得」とはどういうことなのかをまず知ること

 鎌倉投信のファンドマネージャー新井さんの新著『持続可能な資本主義』(新井和宏著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)には、金融のあり方に対する熱い思いが語られています。

 預金や投信など金融機関にお金を預けるときには、目先の利益を追うだけではなく、預けたお金が「どのように使われているか」を知ることも大切だと思います。なぜなら、長期的に見れば、巨額が動く金融機関のお金の使い方が日本経済の先行きを左右すると考えられるからです。

 いずれにしても、金融機関選びは「どのくらい得をするのか」が選択の基準になります。そのとき重要なポイントは、自分がどんな「得」をしたいのか、自分にとって「得」とはどういうことなのかをまず知ること、考えることなのではなかと思います。

<参考文献・参考サイト>
・『PRESIDENT (プレジデント) 2016年6/13号』(プレジデント社)
・『持続可能な資本主義』(新井和宏著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
・定期預金の金利の推移
http://www.woman110.com/200807/no35_29.html
・ダイヤモンド社 鎌倉投信・新井和宏が本当に伝えたかったこと
http://diamond.jp/articles/-/71249

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