社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
暴走する親…「ヘリコプターペアレント」の弊害
「モンスターペアレント」「毒親」という言葉もよく知られるようになった今日この頃ですが、新たに問題視されている「ヘリコプターペアレント」と呼ばれる人たちをご存知でしょうか。我が子の行動を逐一見張っていないと気が済まない、まるでヘリコプターで空中待機していたかのようにトラブルだとみればすぐに飛んできて過剰なまでに干渉する……そんな親を表す言葉だそうです。
「ああ、そういう人、身近に居るな」と心当たりのある方も多いのではないでしょうか。スタッフのなかにも、同級生のお母さんのことを思い浮かべたという人がいました。このヘリコプターペアレント、数年前からアメリカやドイツで社会問題として取り上げられていましたが、年々日本でも増えてきているようです。
・子どもが助けを求める前に手を差し伸べる
・子ども自身がやるべきことを代わりにやってしまう
・子どもが失敗や挫折を味わうことのないようリスク排除する
・子どもの能力を軽んじて、自分がサポートしなければダメだと決めつけている
実際に困っているという子どもたちの声は少なくありません。プライバシーを認めてもらえなかった、部活や趣味を選ばせてもらえない…最近ではSNSをチェックされ、友人関係に口を挟まれることに悩むケースも増えているようです。
ヘリコプター的親心は子どもが成人したからといって止むことはないようです。大学を休んだ子どものために補講を依頼したり、企業の就職面接や婚活パーティーに同席を求めたり、隠れてデートを監視する、あなたは家事ができないのだからと一人暮らしをはじめることを許さないなど、子離れできないのも大きな特徴になっています。過剰な親心が子どもにとって害になってしまということでは、ヘリコプターペアレントも毒親の一種といえるでしょう。
・真面目で心配性
・子どもの他に生き甲斐がない
・自身は放置されて育ったという孤独感がある
・支配傾向が強く子どもは所有物だと信じている
・境界性人格障害の気がある
・当人もヘリコプターペアレントに育てられた
最近では映画やドラマにもヘリコプターペアレント的な登場人物が出てきますし、そういう親の元で育った苦しみを綴るエッセイ漫画も評判になっています。「わたしにも過干渉なところがあるかもしれない……」そう思い当たったら、客観的に親子関係を見直してみるのも良いかもしれません。
残念ながらその愛が輝かしい未来へと導くことは少ないようです。アメリカの研究では、親からすればたとえ愛情であろうと、ヘリコプター子育ては悪影響を及ぼすと結論づけられています。専門機関の調査では、鬱、無気力になりがちであると報告されています。自己肯定できない、習慣的に誰かが尻ぬぐいしてくれるのを前提に生活していて社会対応できず、人生に追い詰められてしまうそうです。
子どもが助けを必要としているときに、保護者が適切な助言やサポートをすることは、子どもにとって必要なことです。しかし、人間が幸福に生きるには、自分自身で考えて行動できる能力をつけること、また、時には痛みやリスクも背負いながらそれを乗り越えていくことが心の成長には欠かせません。困難を本人の力で克服し成長する、そんな機会を奪ってしまうことが、ヘリコプターペアレントの問題点といえるのではないでしょうか。
いじめ自殺や格差社会を報じるニュースが飛び交う時代、わが子の将来を案じるのは親の常でしょう。しかし、行き過ぎた「子どものため」は最終的に子どもの生き抜く力を奪ってしまいます。親の愛も過ぎたるは及ばざるが如し、親子の間に適切な距離を置いてみせることこそがいい教育なのかもしれません。
「ああ、そういう人、身近に居るな」と心当たりのある方も多いのではないでしょうか。スタッフのなかにも、同級生のお母さんのことを思い浮かべたという人がいました。このヘリコプターペアレント、数年前からアメリカやドイツで社会問題として取り上げられていましたが、年々日本でも増えてきているようです。
「全てあなたのため」……愛という名の鎖
ヘリコプターペアレントの特徴を一言で表すのならば「過保護・過干渉」につきます。ネグレクト、いわゆる育児放棄の真逆と言えるかもしれません。・子どもが助けを求める前に手を差し伸べる
・子ども自身がやるべきことを代わりにやってしまう
・子どもが失敗や挫折を味わうことのないようリスク排除する
・子どもの能力を軽んじて、自分がサポートしなければダメだと決めつけている
実際に困っているという子どもたちの声は少なくありません。プライバシーを認めてもらえなかった、部活や趣味を選ばせてもらえない…最近ではSNSをチェックされ、友人関係に口を挟まれることに悩むケースも増えているようです。
ヘリコプター的親心は子どもが成人したからといって止むことはないようです。大学を休んだ子どものために補講を依頼したり、企業の就職面接や婚活パーティーに同席を求めたり、隠れてデートを監視する、あなたは家事ができないのだからと一人暮らしをはじめることを許さないなど、子離れできないのも大きな特徴になっています。過剰な親心が子どもにとって害になってしまということでは、ヘリコプターペアレントも毒親の一種といえるでしょう。
どんな人がヘリコプターペアレントになりやすい?
ヘリコプターペアレントになりがちな人の特徴は複数あげられています。・真面目で心配性
・子どもの他に生き甲斐がない
・自身は放置されて育ったという孤独感がある
・支配傾向が強く子どもは所有物だと信じている
・境界性人格障害の気がある
・当人もヘリコプターペアレントに育てられた
最近では映画やドラマにもヘリコプターペアレント的な登場人物が出てきますし、そういう親の元で育った苦しみを綴るエッセイ漫画も評判になっています。「わたしにも過干渉なところがあるかもしれない……」そう思い当たったら、客観的に親子関係を見直してみるのも良いかもしれません。
ヘリコプターの下で育った子どものその後
常に過干渉な両親のコントロール下で育てられた子どもは、成人してどうなってゆくのでしょうか?残念ながらその愛が輝かしい未来へと導くことは少ないようです。アメリカの研究では、親からすればたとえ愛情であろうと、ヘリコプター子育ては悪影響を及ぼすと結論づけられています。専門機関の調査では、鬱、無気力になりがちであると報告されています。自己肯定できない、習慣的に誰かが尻ぬぐいしてくれるのを前提に生活していて社会対応できず、人生に追い詰められてしまうそうです。
子どもが助けを必要としているときに、保護者が適切な助言やサポートをすることは、子どもにとって必要なことです。しかし、人間が幸福に生きるには、自分自身で考えて行動できる能力をつけること、また、時には痛みやリスクも背負いながらそれを乗り越えていくことが心の成長には欠かせません。困難を本人の力で克服し成長する、そんな機会を奪ってしまうことが、ヘリコプターペアレントの問題点といえるのではないでしょうか。
いじめ自殺や格差社会を報じるニュースが飛び交う時代、わが子の将来を案じるのは親の常でしょう。しかし、行き過ぎた「子どものため」は最終的に子どもの生き抜く力を奪ってしまいます。親の愛も過ぎたるは及ばざるが如し、親子の間に適切な距離を置いてみせることこそがいい教育なのかもしれません。
<参考サイト>
・マーミー:ヘリコプターペアレントとは?原因/特徴&悪影響の事例15
https://moomii.jp/kosodate/helicopterparents-exp.html
・マーミー:ヘリコプターペアレントとは?原因/特徴&悪影響の事例15
https://moomii.jp/kosodate/helicopterparents-exp.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
雑学から一段上の「大人の教養」はいかがですか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,400本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
日本凋落の「7つの要因」と「10の復活大戦略」
2025年、どん底日本を脱却する大戦略(1)日本が凋落した要因を総覧する
かねて島田晴雄先生は「40年周期説」を述べてこられた。1865年頃は、幕末の動乱期のどん底。そこから40年を経た1905年は、日本が日露戦争に勝利した年。しかし1945年に、日本は第二次世界大戦の敗戦で再びどん底に。1985年は日...
収録日:2025/01/21
追加日:2025/02/06
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
日進月歩の進化を遂げている生成AIは、私たちの生活や仕事の欠かせないパートナーになりつつある。企業における生成AI技術の利用に焦点をあてる今シリーズ。まずは世界的な生成AIの導入事情から、日本の現在地を確認しよう。(...
収録日:2024/11/05
追加日:2024/12/24
印象派の画家たちによる最先端の表現方法「筆触分割」とは
印象派とは~画家たちの関係性から技法まで(7)マネのトリックと印象派の表現方法
印象派の画家たちに大きな影響を与えたマネは、最後の印象派展を見届けることなくこの世を去った。マネの最後のサロン出品作となった《フォリー・ベルジェールのバー》には、よく観察するとさまざまなトリックが隠されており、...
収録日:2023/12/28
追加日:2025/02/08
シニアの雇用、正規・非正規の格差…日本の労働市場の問題
第2の人生を明るくする労働市場改革(1)日本の労働市場が抱える問題
日本人のライフコースとして「3ステージ(教育・仕事・引退)の人生」とよくいわれているが、長寿化が進み「人生100年時代」と呼ばれる現在、長くなった3つ目のステージとともに、これまでの日本的な労働慣行も見直すべき時期を...
収録日:2024/08/03
追加日:2025/02/07
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
オープンAI(マイクロソフト)の「ChatGPT」やグーグルの「Bard」は、“対話型の生成AI”と呼ばれ、私たちの質問に対して分かりやすい文章で答えてくれる。一見すると、ChatGPTも「考えて」答えを返してきているように見える。し...
収録日:2023/03/15
追加日:2023/05/18