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DATE/ 2020.02.26

女性が最もストレスを感じにくい都道府県は?

 日本社会は男女平等の度合いが低いと世界から見られています。2017年に世界経済フォーラムが発表した「ジェンダー・ギャップ指数」で、日本は調査対象144か国のうち、114位、過去最低の結果となりました。

 とはいえ、一口に日本と言っても地域ごとに特色があり、都道府県によってストレスの度合いは違うでしょう。では、女性が最もストレスを感じにくい都道府県はどこなのでしょう?

ストレスオフ県ランキング2019

 メディプラス研究所は、「ストレスオフで、ここち、らくちん。」を掲げるウェブサイト「オフラボ」において、ストレスオフ県ランキング2019を発表しました。

 ストレスオフ県ランキングは、全国の20~69歳の女性を対象に、厚生労働省の「ストレスチェック制度の健康状態項目」をもとに独自加工して考案した「ココロの体力測定」を行い、さらにその結果を4つのライフバランスに分類して47都道府県の女性のストレスオフ度を推定されたものです。  ライフバランスの分類は、ワークバランス(仕事)、セルフライフバランス(自分)、ソーシャルライフバランス(社会)、ローカルライフバランス(地域)の4つです。

ストレスオフ度、第1位は鳥取県

 本題の結果発表です。第1位は鳥取県。2016年に第1位、2017年5位、2018年9位を経て再び首位となりました。第2位は広島県、第3位三重県という結果になりました。2017年、2018年と2年連続で第1位だった愛媛県は9位に後退しています。

 なぜ鳥取県の女性は、ストレスオフ度が高いのでしょう?

 全国平均と比較し「通勤時間」ストレス、「健康状態」ストレス、「家族・身近な人との時間」「人とのつながり方(リアルな人間関係)」ストレスが低く、ストレス軽減に有効なオキシトシンを分泌する触れ合い(グルーミング)の満足度の高さがストレスオフにつながっている可能性が指摘されています。

 言い換えると、時間のワークライフバランス、人とのつながりや触れ合い、健康状態が、鳥取県女性のストレスオフ度に貢献しているのです。

自然環境とグルーミング環境

 鳥取県は、メディプラス研究所とWIN フロンティア株式会社によるストレスチェックアプリ「COCOLOLO(ココロ炉)」の自律神経のビックデータからも、交感神経が低く、リラックス傾向は全国第3位であることが報告されています。こうした、ビックデータを活用したストレス分析において、都会に比べて自然が多い地域の方が交感神経活動が抑制される傾向にあることが明らかになっているのです。

 このように、ストレスオフには、「自然との共生環境」と人間関係の充実やコミュニケーションを円滑にする「グルーミング環境」が必須の条件であることがご理解いただけるかと思います。

<参考サイト>
・オフラボ:ストレスオフ県ランキング2019発表「鳥取県」が3年ぶりの第1位に!
https://mediplus-lab.jp/contents/detail/3370/
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