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平成の30年間を「流行語大賞」で振り返る
1989年1月8日に始まった「平成」の時代。約30年間、様々な出来事がありました。その年その年で注目を集めたフレーズや事件は何だったのか、流行語とともに振り返ってみたいと思います。懐かしい流行語、その瞬間だけ注目を集めた“一発屋”、今でも日常的に使われている言葉などなど、1年ごとに見ていきましょう。
【1989(平成元)年】
新語部門・金賞 セクシャル・ハラスメント
流行語部門・金賞 オバタリアン/オバタリアン(旋風)
「セクシャル・ハラスメント」は当時新語として扱われていました。悲しいことに30年経ってもハラスメントはなくなりません。パワハラ、マタハラなど「~ハラ」というくくりは増える一方です。「オバタリアン」は今では死語になってしまいましたが、堀田かつひこ氏が描いた同名の漫画から広まった言葉でした。
【1990(平成2)年】
新語部門・金賞 ファジィ
流行語部門・金賞 ちびまる子ちゃん(現象)
あいまいという意味の「ファジィ」。カリフォルニア大学のザデー教授が開発した「ファジィ工学」がきっかけで有名になったとされています。ちびまる子ちゃんはこの年にアニメがスタート。エンディングテーマの「おどるポンポコリン」は同年のレコード大賞にも輝きました。
【1991(平成3)年】
年間大賞 …じゃあ~りませんか
この年から新語と流行語を分けず、年間大賞として表彰するようになります。初代の大賞はお笑い芸人・チャーリー浜の「…じゃあ~りませんか」。吉本新喜劇で長く使われていたギャグが、サントリー「ポケメシ」のCMで使用されたことにより、人気フレーズとなりました。
【1992(平成4)年】
きんさん・ぎんさん
100歳の双子「きんさん・ぎんさん」が受賞。百歳の誕生日を迎えた際の答え「うれしいような、かなしいような」と、貴花田と宮沢りえ婚約の感想を聞かれた際の「はだかのおつきあい」が語録賞を受賞しました。
【1993(平成5)年】
Jリーグ
プロサッカーリーグのJリーグがこの年開幕。日本全国に旋風を巻き起こし、新たなサッカー文化を生み出しました。この時点ではワールドカップへの出場経験はありませんでしたが、5年後の1998年に初出場を果たし、その後6大会連続で出場する常連国へと成長しました。
【1994(平成6)年】
すったもんだがありました
イチロー(効果)
同情するならカネをくれ
この年は3語が大賞に。「すったもんだがありました」は宮沢りえがタカラ「カンチューハイ」のCMで放ったセリフ。宮沢の私生活を思わせる一言で注目を集めました。「イチロー」は当時プロ野球初となる年間200安打を達成。新たな若武者の登場に社会が熱狂しました。「同情するならカネをくれ」はドラマ「家なき子」の決めゼリフ。主役を演じた女優の安達祐実も人気を集めた。
【1995(平成7)年】
無党派
NOMO
がんばろうKOBE
東京は青島幸男、大阪は横山ノック。両知事選で無所属の候補が勝利したことから「無党派」パワーと呼ばれました。「NOMO」は大リーグに挑戦し、1年目から大活躍をした野茂英雄を称えたものです。「がんばろうKOBE」は阪神・淡路大震災からの復興を願いオリックスが掲げたスローガン。リーグ優勝を果たし、地元民を勇気づけました。
【1996(平成8)年】
自分で自分をほめたい
友愛/排除の論理
メークドラマ
「自分で自分をほめたい」は、アトランタ五輪の女子マラソンで銅メダルを獲得した有森裕子がレース後に漏らしたフレーズです。「友愛/排除の論理」は民主党の鳩山由紀夫代表が生んだ言葉。独特の政治理念を貫き、後には首相の座をつかみます。「メークドラマ」は最大で11.5のゲーム差をひっくり返した長嶋巨人の躍進を表現した言葉。まさにドラマのような逆転劇でした。
【1997(平成9)年】
失楽園(する)
渡辺淳一著「失楽園」がドラマ、映画へと枠を広げブームに。妻子ある男性と人妻の不倫を描き、不倫のことを「失楽園する」と呼ぶこともありました。
【1998(平成10)年】
ハマの大魔神
凡人・軍人・変人
だっちゅーの
「ハマの大魔神」は、38年ぶりのリーグ優勝を果たした横浜ベイスターズのストッパー・佐々木主浩の愛称です。横浜の地下街に「ハマの大魔神社」が建立されたことも話題になりました。「凡人・軍人・変人」は田中真紀子衆議院議員が自民党総裁選の三候補を「小渕は凡人、梶山は軍人、小泉は変人」と評したものです。「だっちゅーの」はお笑いコンビ・パイレーツの決めポーズ。アイドル的な人気を集めました。
【1999(平成11)年】
雑草魂
リベンジ
ブッチホン
「雑草魂」は巨人・上原浩治、「リベンジ」は西武・松坂大輔の両ルーキーが受賞。本業での活躍ももちろん、言動や存在感も目を引きました。2人とも2019年シーズンも現役でプレーしています。「ブッチホン」は小渕恵三首相が直接電話する様を首相自身が命名したもの。首相あてに電子メールを送った一般人にまで電話をしていたそうです。
【2000(平成12)年】
おっはー
IT革命
「おっはー」はSMAPの香取慎吾が扮したキャラ「慎吾ママ」で使用したフレーズ。朝の挨拶として日本中で使われました。「IT革命」は今さら言うまでもないと思いますが、Informaiton Technology、つまり情報技術分野での革命のこと。インターネット利用が急速に拡大していたことも背景にありました。
【2001(平成13)年】
米百俵/聖域なき改革/恐れず怯まず捉われず/骨太の方針/ワイドショー内閣/改革の「痛み」
上記の言葉は全て小泉純一郎首相が発したもの。一言で表現できるキャッチフレーズを多用する「ワンフレーズ・ポリティクス」を印象的に使った首相でした。
【2002(平成14)年】
タマちゃん
W杯(中津江村)
多摩川丸子橋付近に現れたアゴヒゲアザラシが人気者に。ニュース番組で「タマちゃん」と名付けられたことでますます知名度が上がりました。この年はサッカーW杯が日韓共催で行われ、列島中でサッカー熱が高まりました。大分県中津江村はカメルーン代表を誘致し、選手と友好を深めるなど心温まる様子が印象的でした。
【2003(平成15)年】
毒まんじゅう
なんでだろう~
マニフェスト
「毒まんじゅう」は自民党の野中弘務元幹事長が一部の政治家を非難して使った言葉。総裁選で虚々実々の争いが繰り広げられていたことを知らしめてくれる一言です。「なんでだろう~」はお笑いコンビ「テツandトモ」のギャグ。真似しやすさから子供にも大人気となりました。「マニフェスト」は政権公約のこと。この年の統一地方選や衆院選ではマニフェストを掲げる候補者が続出しました。
【2004(平成16)年】
チョー気持ちいい
アテネ五輪の男子100メートル平泳ぎで金メダルを獲得した北島康介が発した言葉。4年後の北京五輪でも「何も言えねえ」と漏らすなど、結果は名セリフでも注目を集めた選手でした。
【2005(平成17)年】
小泉劇場
想定内(外)
「小泉劇場」は、郵政選挙となったこの年の衆院選で注目を集め続けた自民党の戦いぶりを評したもの。党内での造反組、刺客など、野党の存在感がかすむ結果となりました。「想定内(外)」はライブドアの堀江貴文社長がよく口にした言葉。我々にとってはそんなの元々折りこみ済みだ、という強気な姿勢が垣間見えました。
【2006(平成18)年】
イナバウアー
品格
「イナバウアー」はトリノ五輪の女子フィギュアスケートで金メダルを獲得した荒川静香の得意技。この技自体が金メダル獲得に大きく影響したわけではないのですが、象徴的なシーンとして目に焼き付いています。「品格」は藤原正彦著「国家の品格」が売れたことにより広まった言葉です。他にも「〇〇の品格」という書籍が多数出版されました。
【2007(平成19)年】
(宮崎を)どげんかせんといかん
ハニカミ王子
「(宮崎を)どげんかせんといかん」は東国原英夫・宮崎県知事が県議会の所信表明で発した言葉です。タレント時代の知名度も生かし、情報発信や県のアピールに駆け回りました。「ハニカミ王子」はゴルファーの石川遼のニックネーム。高校1年生ながらプロゴルフツアーで優勝し、初々しく喜ぶ姿から国民的人気者となりました。
【2008(平成20)年】
アラフォー
グ~!
「アラフォー」は40歳前後のことで、ドラマ「Around40」から広まりました。アラフィフ、アラカン(還暦)など派生語もその後増えていますね。「グ~!」はお笑いタレントのエド・はるみによるギャグ。一時期テレビで見ない日はないというほど活躍しました。
【2009(平成21)年】
政権交代
衆院選で民主党が115議席から308議席へと大躍進。一方、与党の自民党は300から119へと激減。選挙によって政権交代が実現したのは初めて。「政権交代」と大きく書かれたポスターで選挙に臨んだ民主党が有言実行を果たす結果となりました。
【2010(平成22)年】
ゲゲゲの
「ゲゲゲの鬼太郎」などで知られる漫画家・水木しげるとその妻・武良布枝の夫婦を描いた朝ドラ「ゲゲゲの女房」が大ヒット。映画も上映されるなど「ゲゲゲ」フィーバーとなりました。
【2011(平成23)年】
なでしこジャパン
女子W杯ドイツ大会で初優勝を果たしたサッカー日本女子代表の愛称です。東日本大震災が起きたこの年、日本を勇気づけたとして国民栄誉賞も授与されました。
【2012(平成24)年】
ワイルドだろぉ
お笑い芸人・スギちゃんのネタの1フレーズ。「ワイルド」と呼ぶにはちょっとスケールが小さいフレーズを敢えて並べ、「ワイルドだろぉ」を誇示するネタが受けました。
【2013(平成25)年】
今でしょ!
お・も・て・な・し
じぇじぇじぇ
倍返し
「今でしょ!」は東進ハイスクールの講師・林修がテレビCMで出したセリフ。ポーズも込みで、まるで一発ギャグのように人気を集めました。「お・も・て・な・し」は東京五輪招致のプレゼンで滝川クリステルが日本のおもてなし精神をジェスチャーとともに披露したもの。「おもてなし」精神を見せるべき東京五輪はいよいよ来年、2020年です。「じぇじぇじぇ」は朝ドラの「あまちゃん」、「倍返し」は「半沢直樹」と、ともにドラマに出てきた人気フレーズです。フレーズだけでなくドラマ自体が大ヒットし、社会現象になりました。
【2014(平成26)年】
ダメよ~ダメダメ
集団的自衛権
「ダメよ~ダメダメ」はお笑いコンビ「日本エレキテル連合」のネタ「未亡人朱美ちゃん」シリーズで登場するセリフ。従来のコントとは一線を画した世界観で笑いを誘いました。「集団的自衛権」は、限定的に行使することが可能と解釈が変更されたことで賛否両論となったことでの受賞となりました。
【2015(平成27)年】
爆買い
トリプルスリー
中国人観光客の旺盛なショッピング熱をわかりやすいフレーズで説明した「爆買い」。まさに爆発的な勢いで家電や化粧品、ブランド品などを買いまくる姿が連日報道されました。「トリプルスリー」は打率3割、30本塁打、30盗塁を同一シーズンに達成すること。この年はヤクルトの山田哲人、ソフトバンクの柳田悠岐が同時に達成したことで話題となりました。
【2016(平成28)年】
神ってる
広島の鈴木誠也がオリックス3連戦で2試合連続サヨナラ弾を放つ大活躍。緒方孝市監督は試合後のインタビューで「いまどきの言葉で言うなら『神ってる』よな」とその活躍を称えました。鈴木はその2本だけでは飽き足らず、翌日でも決勝本塁打をかっ飛ばすなど、25年ぶりに優勝した広島の原動力となりました。
【2017(平成29)年】
インスタ映え
忖度
インスタグラムを始めとしたSNSでいかに「いいね」を獲得できる画像を撮るか、いかに「映える」画像を見せるか、若者たちは熱を上げました。一過的な現象にならず、2019年でも「映え」を意識した写真があちこちで撮られています。「忖度」は森友学園の籠池泰典理事長が証人喚問で口にした言葉。連日報じられたことで、多くの人に知られる言葉となりました。
【2018(平成30)年】
そだねー
平昌五輪の女子カーリングで銅メダルを獲得した「ロコ・ソラーレ」メンバーがよく口にしていた言葉。同五輪では選手がマイクを装着してプレーしていたため、試合中の相談内容などを視聴者がリアルに聞くことができるということでも注目を集めました。「そだねー」「ナイスー」「いーと思う」など試合中ながらリラックスしているように聞こえるセリフに惹かれたファンも多かったのではないでしょうか。
30年分を振り返ってみましたが、記憶に残っているものはいくつくらいありましたか?新元号の元年となる今年は、いったいどんな言葉が流行語になるのか、早くも年末が楽しみですね。
【1989(平成元)年】
新語部門・金賞 セクシャル・ハラスメント
流行語部門・金賞 オバタリアン/オバタリアン(旋風)
「セクシャル・ハラスメント」は当時新語として扱われていました。悲しいことに30年経ってもハラスメントはなくなりません。パワハラ、マタハラなど「~ハラ」というくくりは増える一方です。「オバタリアン」は今では死語になってしまいましたが、堀田かつひこ氏が描いた同名の漫画から広まった言葉でした。
【1990(平成2)年】
新語部門・金賞 ファジィ
流行語部門・金賞 ちびまる子ちゃん(現象)
あいまいという意味の「ファジィ」。カリフォルニア大学のザデー教授が開発した「ファジィ工学」がきっかけで有名になったとされています。ちびまる子ちゃんはこの年にアニメがスタート。エンディングテーマの「おどるポンポコリン」は同年のレコード大賞にも輝きました。
【1991(平成3)年】
年間大賞 …じゃあ~りませんか
この年から新語と流行語を分けず、年間大賞として表彰するようになります。初代の大賞はお笑い芸人・チャーリー浜の「…じゃあ~りませんか」。吉本新喜劇で長く使われていたギャグが、サントリー「ポケメシ」のCMで使用されたことにより、人気フレーズとなりました。
【1992(平成4)年】
きんさん・ぎんさん
100歳の双子「きんさん・ぎんさん」が受賞。百歳の誕生日を迎えた際の答え「うれしいような、かなしいような」と、貴花田と宮沢りえ婚約の感想を聞かれた際の「はだかのおつきあい」が語録賞を受賞しました。
【1993(平成5)年】
Jリーグ
プロサッカーリーグのJリーグがこの年開幕。日本全国に旋風を巻き起こし、新たなサッカー文化を生み出しました。この時点ではワールドカップへの出場経験はありませんでしたが、5年後の1998年に初出場を果たし、その後6大会連続で出場する常連国へと成長しました。
【1994(平成6)年】
すったもんだがありました
イチロー(効果)
同情するならカネをくれ
この年は3語が大賞に。「すったもんだがありました」は宮沢りえがタカラ「カンチューハイ」のCMで放ったセリフ。宮沢の私生活を思わせる一言で注目を集めました。「イチロー」は当時プロ野球初となる年間200安打を達成。新たな若武者の登場に社会が熱狂しました。「同情するならカネをくれ」はドラマ「家なき子」の決めゼリフ。主役を演じた女優の安達祐実も人気を集めた。
【1995(平成7)年】
無党派
NOMO
がんばろうKOBE
東京は青島幸男、大阪は横山ノック。両知事選で無所属の候補が勝利したことから「無党派」パワーと呼ばれました。「NOMO」は大リーグに挑戦し、1年目から大活躍をした野茂英雄を称えたものです。「がんばろうKOBE」は阪神・淡路大震災からの復興を願いオリックスが掲げたスローガン。リーグ優勝を果たし、地元民を勇気づけました。
【1996(平成8)年】
自分で自分をほめたい
友愛/排除の論理
メークドラマ
「自分で自分をほめたい」は、アトランタ五輪の女子マラソンで銅メダルを獲得した有森裕子がレース後に漏らしたフレーズです。「友愛/排除の論理」は民主党の鳩山由紀夫代表が生んだ言葉。独特の政治理念を貫き、後には首相の座をつかみます。「メークドラマ」は最大で11.5のゲーム差をひっくり返した長嶋巨人の躍進を表現した言葉。まさにドラマのような逆転劇でした。
【1997(平成9)年】
失楽園(する)
渡辺淳一著「失楽園」がドラマ、映画へと枠を広げブームに。妻子ある男性と人妻の不倫を描き、不倫のことを「失楽園する」と呼ぶこともありました。
【1998(平成10)年】
ハマの大魔神
凡人・軍人・変人
だっちゅーの
「ハマの大魔神」は、38年ぶりのリーグ優勝を果たした横浜ベイスターズのストッパー・佐々木主浩の愛称です。横浜の地下街に「ハマの大魔神社」が建立されたことも話題になりました。「凡人・軍人・変人」は田中真紀子衆議院議員が自民党総裁選の三候補を「小渕は凡人、梶山は軍人、小泉は変人」と評したものです。「だっちゅーの」はお笑いコンビ・パイレーツの決めポーズ。アイドル的な人気を集めました。
【1999(平成11)年】
雑草魂
リベンジ
ブッチホン
「雑草魂」は巨人・上原浩治、「リベンジ」は西武・松坂大輔の両ルーキーが受賞。本業での活躍ももちろん、言動や存在感も目を引きました。2人とも2019年シーズンも現役でプレーしています。「ブッチホン」は小渕恵三首相が直接電話する様を首相自身が命名したもの。首相あてに電子メールを送った一般人にまで電話をしていたそうです。
【2000(平成12)年】
おっはー
IT革命
「おっはー」はSMAPの香取慎吾が扮したキャラ「慎吾ママ」で使用したフレーズ。朝の挨拶として日本中で使われました。「IT革命」は今さら言うまでもないと思いますが、Informaiton Technology、つまり情報技術分野での革命のこと。インターネット利用が急速に拡大していたことも背景にありました。
【2001(平成13)年】
米百俵/聖域なき改革/恐れず怯まず捉われず/骨太の方針/ワイドショー内閣/改革の「痛み」
上記の言葉は全て小泉純一郎首相が発したもの。一言で表現できるキャッチフレーズを多用する「ワンフレーズ・ポリティクス」を印象的に使った首相でした。
【2002(平成14)年】
タマちゃん
W杯(中津江村)
多摩川丸子橋付近に現れたアゴヒゲアザラシが人気者に。ニュース番組で「タマちゃん」と名付けられたことでますます知名度が上がりました。この年はサッカーW杯が日韓共催で行われ、列島中でサッカー熱が高まりました。大分県中津江村はカメルーン代表を誘致し、選手と友好を深めるなど心温まる様子が印象的でした。
【2003(平成15)年】
毒まんじゅう
なんでだろう~
マニフェスト
「毒まんじゅう」は自民党の野中弘務元幹事長が一部の政治家を非難して使った言葉。総裁選で虚々実々の争いが繰り広げられていたことを知らしめてくれる一言です。「なんでだろう~」はお笑いコンビ「テツandトモ」のギャグ。真似しやすさから子供にも大人気となりました。「マニフェスト」は政権公約のこと。この年の統一地方選や衆院選ではマニフェストを掲げる候補者が続出しました。
【2004(平成16)年】
チョー気持ちいい
アテネ五輪の男子100メートル平泳ぎで金メダルを獲得した北島康介が発した言葉。4年後の北京五輪でも「何も言えねえ」と漏らすなど、結果は名セリフでも注目を集めた選手でした。
【2005(平成17)年】
小泉劇場
想定内(外)
「小泉劇場」は、郵政選挙となったこの年の衆院選で注目を集め続けた自民党の戦いぶりを評したもの。党内での造反組、刺客など、野党の存在感がかすむ結果となりました。「想定内(外)」はライブドアの堀江貴文社長がよく口にした言葉。我々にとってはそんなの元々折りこみ済みだ、という強気な姿勢が垣間見えました。
【2006(平成18)年】
イナバウアー
品格
「イナバウアー」はトリノ五輪の女子フィギュアスケートで金メダルを獲得した荒川静香の得意技。この技自体が金メダル獲得に大きく影響したわけではないのですが、象徴的なシーンとして目に焼き付いています。「品格」は藤原正彦著「国家の品格」が売れたことにより広まった言葉です。他にも「〇〇の品格」という書籍が多数出版されました。
【2007(平成19)年】
(宮崎を)どげんかせんといかん
ハニカミ王子
「(宮崎を)どげんかせんといかん」は東国原英夫・宮崎県知事が県議会の所信表明で発した言葉です。タレント時代の知名度も生かし、情報発信や県のアピールに駆け回りました。「ハニカミ王子」はゴルファーの石川遼のニックネーム。高校1年生ながらプロゴルフツアーで優勝し、初々しく喜ぶ姿から国民的人気者となりました。
【2008(平成20)年】
アラフォー
グ~!
「アラフォー」は40歳前後のことで、ドラマ「Around40」から広まりました。アラフィフ、アラカン(還暦)など派生語もその後増えていますね。「グ~!」はお笑いタレントのエド・はるみによるギャグ。一時期テレビで見ない日はないというほど活躍しました。
【2009(平成21)年】
政権交代
衆院選で民主党が115議席から308議席へと大躍進。一方、与党の自民党は300から119へと激減。選挙によって政権交代が実現したのは初めて。「政権交代」と大きく書かれたポスターで選挙に臨んだ民主党が有言実行を果たす結果となりました。
【2010(平成22)年】
ゲゲゲの
「ゲゲゲの鬼太郎」などで知られる漫画家・水木しげるとその妻・武良布枝の夫婦を描いた朝ドラ「ゲゲゲの女房」が大ヒット。映画も上映されるなど「ゲゲゲ」フィーバーとなりました。
【2011(平成23)年】
なでしこジャパン
女子W杯ドイツ大会で初優勝を果たしたサッカー日本女子代表の愛称です。東日本大震災が起きたこの年、日本を勇気づけたとして国民栄誉賞も授与されました。
【2012(平成24)年】
ワイルドだろぉ
お笑い芸人・スギちゃんのネタの1フレーズ。「ワイルド」と呼ぶにはちょっとスケールが小さいフレーズを敢えて並べ、「ワイルドだろぉ」を誇示するネタが受けました。
【2013(平成25)年】
今でしょ!
お・も・て・な・し
じぇじぇじぇ
倍返し
「今でしょ!」は東進ハイスクールの講師・林修がテレビCMで出したセリフ。ポーズも込みで、まるで一発ギャグのように人気を集めました。「お・も・て・な・し」は東京五輪招致のプレゼンで滝川クリステルが日本のおもてなし精神をジェスチャーとともに披露したもの。「おもてなし」精神を見せるべき東京五輪はいよいよ来年、2020年です。「じぇじぇじぇ」は朝ドラの「あまちゃん」、「倍返し」は「半沢直樹」と、ともにドラマに出てきた人気フレーズです。フレーズだけでなくドラマ自体が大ヒットし、社会現象になりました。
【2014(平成26)年】
ダメよ~ダメダメ
集団的自衛権
「ダメよ~ダメダメ」はお笑いコンビ「日本エレキテル連合」のネタ「未亡人朱美ちゃん」シリーズで登場するセリフ。従来のコントとは一線を画した世界観で笑いを誘いました。「集団的自衛権」は、限定的に行使することが可能と解釈が変更されたことで賛否両論となったことでの受賞となりました。
【2015(平成27)年】
爆買い
トリプルスリー
中国人観光客の旺盛なショッピング熱をわかりやすいフレーズで説明した「爆買い」。まさに爆発的な勢いで家電や化粧品、ブランド品などを買いまくる姿が連日報道されました。「トリプルスリー」は打率3割、30本塁打、30盗塁を同一シーズンに達成すること。この年はヤクルトの山田哲人、ソフトバンクの柳田悠岐が同時に達成したことで話題となりました。
【2016(平成28)年】
神ってる
広島の鈴木誠也がオリックス3連戦で2試合連続サヨナラ弾を放つ大活躍。緒方孝市監督は試合後のインタビューで「いまどきの言葉で言うなら『神ってる』よな」とその活躍を称えました。鈴木はその2本だけでは飽き足らず、翌日でも決勝本塁打をかっ飛ばすなど、25年ぶりに優勝した広島の原動力となりました。
【2017(平成29)年】
インスタ映え
忖度
インスタグラムを始めとしたSNSでいかに「いいね」を獲得できる画像を撮るか、いかに「映える」画像を見せるか、若者たちは熱を上げました。一過的な現象にならず、2019年でも「映え」を意識した写真があちこちで撮られています。「忖度」は森友学園の籠池泰典理事長が証人喚問で口にした言葉。連日報じられたことで、多くの人に知られる言葉となりました。
【2018(平成30)年】
そだねー
平昌五輪の女子カーリングで銅メダルを獲得した「ロコ・ソラーレ」メンバーがよく口にしていた言葉。同五輪では選手がマイクを装着してプレーしていたため、試合中の相談内容などを視聴者がリアルに聞くことができるということでも注目を集めました。「そだねー」「ナイスー」「いーと思う」など試合中ながらリラックスしているように聞こえるセリフに惹かれたファンも多かったのではないでしょうか。
30年分を振り返ってみましたが、記憶に残っているものはいくつくらいありましたか?新元号の元年となる今年は、いったいどんな言葉が流行語になるのか、早くも年末が楽しみですね。
<参考サイト>
・「現代用語の基礎知識」選 ユーキャン 新語・流行語大賞
https://www.jiyu.co.jp/singo/
・「現代用語の基礎知識」選 ユーキャン 新語・流行語大賞
https://www.jiyu.co.jp/singo/
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収録日:2023/05/24
追加日:2023/06/27
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収録日:2024/07/13
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