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DATE/ 2021.01.29

業種別、税金の「申告漏れ」が多いのは?

 毎年2月半ばから3月半ばは確定申告の期間です。期限までに申告や納税を行わなかった場合、金額に応じた「延滞税」や「無申告加算税」などペナルティが課されます。無申告加算税は原則、納付すべき税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の割合を乗じて計算した金額が課されます。では実際にどういった業種で申告漏れが多いのでしょうか。

個人の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種

 国税庁は毎年11月ごろに「事業所得を有する個人の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種」を発表します。令和2年度(2020年度)でのランキングと総額を見てみましょう。総額が高い方から順に10位までです。業種のすぐ右横の金額は1件当たりの申告漏れ所得金額、一番右の数字は1件当たりの追徴課税額(含加算税)です。

1位 プログラマー 4,927万円 716万円
2位 畜産農業 3,515万円 503万円
3位 内科医 3,339万円 805万円
4位 キャバクラ 2,834万円 864万円
5位 太陽光発電 2,603万円 825万円
6位 建築士 2,325万円 624万円
7位 経営コンサルタント 2,268万円 477万円
8位 小売業・犬 2,051万円 456万円
9位 不動産代理仲介 1,187万円 199万円
10位 商工業デザイナー 1,759万円 389万円

 例年はキャバクラや風俗が1位になることが多いのですが、最新の令和2年度版だと1位がプログラマーでした。また前年まで23年連続で上位5位に入っていた「風俗業」はランク外に。コロナ禍で調査件数が一定数に満たず、順位付けができなかったとのことです。

売上規模が大きい現金商売の業種はしっかりチェックされる

 税務調査は一般的に売上の規模が大きい現金商売の業種がまず優先されるようです。また、売上が1000万円以下ギリギリのところでずっと申告されている場合も調査が入りやすいとのこと。消費税法上の「課税業者」の基準は、年間売上1000万円以上と決められています。このことから売上を1000万円以下になるよう過少申告していないかという点が確認されるようです。

 こういったランキングを発表する理由について国税庁は、「無申告は、申告納税制度の下で自発的に適正な納税をしている納税者に強い不公平感をもたらすことになるため、的確かつ厳格に対応していく必要がある」としています。

 税務調査が入るときには、通常は事前に通知があります。ここで税務調査の日を相談の上決めて、実地調査が行われます。このとき、帳簿、領収書、請求書などの書類が調べられるとのこと。多くの場合はこの時の資料をもとに後日連絡があるようです。ここで問題があれば何度か税務署の確認事項に関してやり取りしながら、必要に応じて修正申告をする、という流れになるようです。

<参考サイト>
令和2事務年度 所得税及び消費税調査等の状況(PDF)|国税庁
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2021/shotoku_shohi/pdf/shotoku_shohi.pdff
確定申告の手順を解説!確定申告をしないとどうなる?|Money Forward クラウド確定申告
https://biz.moneyforward.com/tax_return/basic/shinai/
業種別申告漏れ金額、「風俗業」が平均3373万円でトップ 彼女たちが納税しない事情 https://www.dailyshincho.jp/article/2020/12090559/
【税理士監修】個人事業主に税務調査が入る確率や対象になりやすいのは?|ミツモアMedia
https://meetsmore.com/services/tax-accountant/media/39185#i-3
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