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DATE/ 2022.08.20

車の運転が下手な人の特徴

 車の運転中や他人の車に乗せてもらった時に「この人、運転が下手だな」と感じた経験は誰にでもあると思います。たとえプロの運転するタクシーであっても「この運転はどうなの?」と思ってしまったことがあるという人もいるのでは。運転の上手い人と下手な人の間には、どんな差があるのでしょうか。

車の運転が下手な人によくある危険な特徴とは

 運転が下手な人には、以下のようなポイントにリスクの高い特徴があります。

【視野が狭い】
 運転中は前ばかり見て気を配れないタイプは、車間距離や他の車の動きに疎くなり、危険な場面に出くわしやすくなり急ブレーキを踏むことも多くなります。信号だけでなく歩行者や前後左右の車にも注意を払い、バックミラーをしっかり確認するなどの癖を身に付けたいものです。

【注意力散漫】
 ある程度運転に慣れてくると景色を見たり音楽を聴いたり何かを食べたり、中にはハンズフリーで通話したりする人もいますが、運転中にそちらに気を取られてしまう人は急発進や急停車も増えリスクが高いです。初心者の頃を思い出して、運転のみに集中する意識を高めましょう。

【判断が遅い】
 黄色信号で行くか行かないか迷ってしまったり、合流や車線変更に苦手意識がありスムースに遂行出来ない人は運転が下手と思われます。慎重な運転は良いことですが、判断が遅れると後方車や対向車のタイミングも狂わせて追突事故などに結びつきやすいです。

【状況把握が甘い】
 混んで来たからスピードを少し落として車間距離に気をつけよう、そろそろ合流だから運転に集中しようなど、その時の状況を考えた運転が出来ないタイプ。現在の状況と、次に起こることを把握しながら運転することが、快適で安全なドライブに繋がります。

【ナビ頼み】
 初めて行く場所でもカーナビがあればなんとかなりますが、時間差や正確性に不安のあるナビもあり、曲がるところを通り越して慌てて対処しなくてはならないことも。とにかくナビ頼りで事前に目的地までの移動ルートを頭に入れないまま運転してしまう人は運転が下手だと思われてしまいます。

 性格的な面では、「短気で怒りっぽい」「神経質」「せっかち」といったイライラしやすい人や、「優柔不断」「パニックに陥りやすい」「ビビり」などの怖がりなタイプも要注意。運転には適度な緊張感もリラックスも必要ですが、「平常心」を意識して落ち着くことが大切です。

運転下手を改善するために意識したいこと

 では運転が上手くなるためにはどこをどう改善したら良いのでしょうか。

 まず第一に意識したいのは、他人を乗せた時に安心してもらえる運転かということ。今回運転が下手な人の特徴について色々な人の意見を伺った時も、自分が乗せてもらっているという視点で「上手・下手」の違いを話してくれた人が多かったのもその証です。いつも1人で運転していると、自分の運転のダメな部分にはなかなか気づかないもの。おしゃべりやよそ見で不安にさせていないか、急ブレーキや急発進を連発していないか、スピードやカーブの曲がり具合は安全か等、誰かを乗せることを意識して運転してみるのも良いトレーニングになります。

 また運転への自信のなさが判断力のスピードや焦りに繋がります。分からない操作はきちんと確認し苦手な駐車や細い道路の走行などは何度も練習することで、その経験が自信となり余裕を持って運転することが出来る様に。時々しか運転しない、いつも決まった道しか乗らない、ほとんどペイパードライバー状態、そのような運転に不安のある方は思い切って、単発で比較的安く受講できる「ペイパードライバー講習」を受けてみるのも一案です。逆に運転が上手いと自負している人は、他の車にイライラしやすかったり、スピードやテクニック的な荒っぽさで「上手いアピール」をしてしまう傾向があるので要注意。

 ほとんどの人が一度免許を取得したら、その後は数十年も自己判断で運転をしていくことになり、運転能力を意識的にアップデートする機会はほとんどないのが現状です。ですから、単に運転が上手いか下手かということよりも、事故を招かないための「安全で快適な運転ができているのか」ということを定期的に確認することの方が重要なのかもしれませんね。
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今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授