テンミニッツ・アカデミー|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツ・アカデミーとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2021.09.30

車を長期間放置するとどうなるのか?

 交通手段として便利な車は、普段の買い物や出勤で使っている人もいれば、遠出するとき程度しか使わない人もいるでしょう。特に後者のタイプにとっては、コロナ禍で外出も制限される今、ことさら車の出番は少なくなっているかもしれません。今回はそんな方に特に気をつけていただきたい、車を長期間動かさないとどうなるのかについて紹介します。

長期間の放置はダメ?

 「使わなければ消耗するものもないし、大丈夫でしょう」と思う方も多いかもしれませんが、それは大きな間違い。1か月~数か月動かさないだけでも、久々の運転でトラブルが起きてしまうことがあるので、注意が必要です。では、長期間の放置でどんなトラブルが起こるのでしょうか。

・バッテリーが上がってしまう

 車は使っていないときでもカーナビや時計のバックアップ電源が動いているため、バッテリーは約1ヶ月程度で自然放電してしまいます。そのため、久々に運転しようとしてもエンジンをかける電力が足らず、エンジンがかからないなんてことも珍しくありません。一度バッテリーが上がってしまうと他の車から電気を分けてもらうなどの対応が必要になってしまいます。

・部品の劣化が進んでしまう

 タイヤは何もせずとも空気が徐々に抜けていきますが、同じ部分が地面に接したままで放置するとその部分が平らになってしまい、変形の原因になってしまいます。また、車のパーツには鉄が多いため、部品が錆びてしまうことも。運転しはじめにブレーキを踏むと金属の擦れる音がする程度であればすぐ改善しますが、1年程度放置した場合には錆びが原因で部品が破損する恐れもあるので、乗る前にはきちんと整備する必要があります。 

・ガソリンも劣化してしまう

 ガソリンに含まれる成分が酸化することで、色がオレンジから褐色に変色したり刺激臭を発したりします。この状態のエンジンは車の金属部分の腐食を早めてしまったり、燃料配管などに詰まってエンジンがかからなくなったり、最悪の場合にはエンジン故障の原因になることもあります。保存状態にもよりますが、早くて3ヶ月、目安としては6ヶ月程度で劣化すると考えておいた方が良いでしょう。

長期間乗らないときの保管方法

・屋内で保管する

 屋外で放置してしまうと雨風や紫外線で劣化はどんどん進んでしまいます。こうした環境から守るために屋内で保管するのが鉄則になります。もし屋内での保管が難しい場合にはカバーをかけるなど、なるべく劣化が進まないようにするのが良いでしょう。

・バッテリーは外しておくのがベスト

 一定期間以上使わないことが分かっているのであれば、バッテリーは取り外して冷暗所で保管するようにしましょう。自然放電をさせないことでバッテリー上がりを防ぐことができます。もし難しい場合にはターミナルを外しておくだけでも効果があります

・長期保管サービスを利用する手段も

 この他にも、タンク内の錆び付きを防ぐためにガソリンは満タンにしておく(ただし2年程度の長期に及ぶ場合にはタンクを空にしておくのが良い)、タイヤはジャッキアップして保存する場合には空気圧を低くしてひび割れを防ぐ、普通に止めておく場合には変形を防ぐために空気圧を高めにしておくなど、気をつけるべきポイントはさまざまなものがあります。個人で長期保管するのが心配な場合には、ディーラーに相談したり、長期保管サービスを利用したりするのもオススメです。

自分に合ったカーライフを

 車に乗る機会が減った場合は思い切って手放してしまうのも手段のひとつです。最近はレンタカーだけでなくカーシェアリングも広がっており、マイカーがなくても車を使える機会は広がってきています。長期間車に乗らない、となったときには自分に合ったカーライフについて見直してみてはいかがでしょうか。

<参考サイト>
【クルマを長期間動かさないとどうなる?】「せめてエンジンだけでもかけろ」は大間違い!│ベストカーWEB
https://bestcarweb.jp/feature/column/118622
放置プレイはNG! クルマを長期間動かさない人が「最低限」行うべきこと4つ│ウェブCARトップ
https://www.webcartop.jp/2019/07/395846/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

日本は集権的か分権的か…地理と歴史が作る人間の性質とは

日本は集権的か分権的か…地理と歴史が作る人間の性質とは

「集権と分権」から考える日本の核心(1)日本の国家モデルと公の概念

今も明治政府による国家モデルが生きている現代社会では、日本は中央集権の国と捉えられがちだが、歴史を振り返ればどうだったのかを「集権と分権」という切り口から考えてみるのが本講義の趣旨である。7世紀に起こった「大化の...
収録日:2025/06/14
追加日:2025/08/18
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授 音楽評論家
2

スターリンクや宇宙旅行の課題とは?…民間企業の宇宙開発

スターリンクや宇宙旅行の課題とは?…民間企業の宇宙開発

未来を知るための宇宙開発の歴史(6)技術の確立、そして民間企業が参入へ

宇宙事業には民間企業が参入し始めている。有名なのはイーロン・マスク率いるスペースX社で、次々とロケット(衛星)を打ち上げている。だが、そこには懸念もあるという。はたして、どのようなことだろうか。さらに近い将来、宇...
収録日:2024/11/14
追加日:2025/08/26
川口淳一郎
宇宙工学者 工学博士
3

ウェルビーイングの危機へ…夜型による若者の幸福度の低下

ウェルビーイングの危機へ…夜型による若者の幸福度の低下

睡眠から考える健康リスクと社会的時差ボケ(4)社会的時差ボケとメンタルヘルス

社会的時差ボケは、特に若年層にその影響が大きい。それはメンタルヘルスの悪化にもつながり、彼らの幸福度を低下させるため、ウェルビーイングの危機ともいうべき事態を招くことになる。ではどうすればいいのか。欧米で注目さ...
収録日:2025/01/17
追加日:2025/08/23
西多昌規
早稲田大学スポーツ科学学術院教授 早稲田大学睡眠研究所所長
4

「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機

「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機

「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機

混迷を極める現代社会にあって、「学び」の意義はどこにあるのだろうか。次世代にどのような望みをわれわれが与えることができるのか。社会全体の運営を、いかに正しい知識と方針で進めていけるのか。一人ひとりの人生において...
収録日:2025/06/19
追加日:2025/08/13
納富信留
東京大学大学院人文社会系研究科教授
5

同盟国よもっと働け…急激に進んでいる「負担のシフト」

同盟国よもっと働け…急激に進んでいる「負担のシフト」

トランプ政権と「一寸先は闇」の国際秩序(3)これからの世界と底線思考の重要性

トランプ大統領は同盟国の役割を軽視し、むしろ「もっと使うべき手段だ」と考えているようである。そのようななかで、ヨーロッパ諸国も大きく軍事費を増やし、「負担のシフト」ともいうべき事態が起きている。そのなかでアジア...
収録日:2025/06/23
追加日:2025/08/21
佐橋亮
東京大学東洋文化研究所教授