社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
野村総研が発表!20年後にロボット・AIで代替される可能性の高い職業100選
「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に」。このほど野村総合研究所が発表したリリースは衝撃的な内容だった。国内の601種類の職業について人工知能やロボットで代替される確率を試算したところ、10~20年後には約半数の労働人口が就く職業において、ロボット等が取って代わる可能性が高い(「可能性が高い」=66%以上)のだという。
レポートでは代替可能性が高い職業、低い職業がそれぞれ100種紹介されている。前者は自動車組立工、ビル清掃員、ホテル客室係、タクシー運転者など自動化される可能性が高いもの、後者はひとくくりにすることはできないが例示されているのは映画監督、医療従事者全般、経営コンサルタント、教員など。創造性を活かしたり、他者とコミュニケーションをとったうえで問題解決や教育を行う職業はロボットに代替されにくいとしている。
野村総研のレポートに共同研究者として名前を連ねているオックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授が2013年に発表したレポート「コンピュータ化の影響を受けやすい未来の職業」は、代替されにくい仕事をランキング形式で発表。最も自動化されにくいのはレクリエーションセラピスト(遊びを通した心理療法を行う専門家)、2位は第一線のメカニック・修理工、3位は緊急事態の管理者。3位は抽象的な職業だが、どれもやはり高い専門性であったり、対人のコミュニケーションを元にした仕事と言えるだろう。
代替可能性が高い職業についている人にとってみれば気持ちが沈んでしまうような内容だが、逆に考えると自動化できない価値を持てば強みになる。車の自動運転が主流になってくればタクシー運転手は将来減るかもしれないが、そこで淘汰されるのは「運転するだけ」というタイプ。観光案内ができる、オーダーに応じて地元の名店を紹介できるなど「一芸」を持つことでタクシーはただの移動手段ではなくなる。
他の職業も同様だが、誰がやっても同じ結果にしかならない仕事は真っ先に自動化の対象となるだろう。置き換えできない価値を持つことで、ロボットには出せない味が出てくるというものだ。また、今回の野村総研のレポートは技術的に代替可能かどうかという調査であり、実際に代替されるかどうかは労働需給を含めた社会環境要因の影響も大きい、としている。
見方を変えるとロボット等で代替可能な仕事が増えるというニュースはネガティブな面ばかりでなく、ポジティブな面もある。ファナック、安川電機などロボット産業に強みを持つ日本企業にとってみれば、今後マーケットが拡大していく可能性が高いだろう。
遠くない未来にやってくる自動化の波。その波に飲まれない自分なりの価値を今から磨いておけば、きっと役立つ時が訪れるだろう。
レポートでは代替可能性が高い職業、低い職業がそれぞれ100種紹介されている。前者は自動車組立工、ビル清掃員、ホテル客室係、タクシー運転者など自動化される可能性が高いもの、後者はひとくくりにすることはできないが例示されているのは映画監督、医療従事者全般、経営コンサルタント、教員など。創造性を活かしたり、他者とコミュニケーションをとったうえで問題解決や教育を行う職業はロボットに代替されにくいとしている。
野村総研のレポートに共同研究者として名前を連ねているオックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授が2013年に発表したレポート「コンピュータ化の影響を受けやすい未来の職業」は、代替されにくい仕事をランキング形式で発表。最も自動化されにくいのはレクリエーションセラピスト(遊びを通した心理療法を行う専門家)、2位は第一線のメカニック・修理工、3位は緊急事態の管理者。3位は抽象的な職業だが、どれもやはり高い専門性であったり、対人のコミュニケーションを元にした仕事と言えるだろう。
代替可能性が高い職業についている人にとってみれば気持ちが沈んでしまうような内容だが、逆に考えると自動化できない価値を持てば強みになる。車の自動運転が主流になってくればタクシー運転手は将来減るかもしれないが、そこで淘汰されるのは「運転するだけ」というタイプ。観光案内ができる、オーダーに応じて地元の名店を紹介できるなど「一芸」を持つことでタクシーはただの移動手段ではなくなる。
他の職業も同様だが、誰がやっても同じ結果にしかならない仕事は真っ先に自動化の対象となるだろう。置き換えできない価値を持つことで、ロボットには出せない味が出てくるというものだ。また、今回の野村総研のレポートは技術的に代替可能かどうかという調査であり、実際に代替されるかどうかは労働需給を含めた社会環境要因の影響も大きい、としている。
見方を変えるとロボット等で代替可能な仕事が増えるというニュースはネガティブな面ばかりでなく、ポジティブな面もある。ファナック、安川電機などロボット産業に強みを持つ日本企業にとってみれば、今後マーケットが拡大していく可能性が高いだろう。
遠くない未来にやってくる自動化の波。その波に飲まれない自分なりの価値を今から磨いておけば、きっと役立つ時が訪れるだろう。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
より深い大人の教養が身に付く 『テンミニッツTV』 をオススメします。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
ヒトは共同保育の動物――生物学からみた子育ての基礎知識
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(1)動物の配偶と子育てシステム
「ヒトは共同保育の動物だ」――核家族化が進み、子育ては両親あるいは母親が行うものだという認識が広がった現代社会で長谷川氏が提言するのは、ヒトという動物本来の子育て方法である「共同保育」について生物学的見地から見直...
収録日:2025/03/17
追加日:2025/08/31
日本の弾道ミサイル開発禁止!?米ソとは異なる宇宙開拓の道
未来を知るための宇宙開発の歴史(7)米ソとは異なる日本の宇宙開発
日本は第二次大戦後に軍事飛行等の技術開発が止められていたため、宇宙開発において米ソとは全く違う道を歩むことになる。日本の宇宙開発はどのように技術を培い、発展していったのか。その独自の宇宙開拓の過程を解説する。(...
収録日:2024/11/14
追加日:2025/09/02
より良い人生への学び…開かれた知、批判の精神、学ぶ主体
「アカデメイア」から考える学びの意義(4)学びの3つのキーワード
私たちにとって「学び」はどんな意義を持つのか。学びについて考えるべき要素は3つあると納富氏はいう。さらに、「学びは生きる場所」でもある。今生きている人と対話をする。先人たちと書物を通じて対話する。そのことで、自分...
収録日:2025/06/19
追加日:2025/09/03
天平期の天然痘で国民の3割が死亡?…大仏と崩れる律令制
「集権と分権」から考える日本の核心(3)中央集権と六国史の時代の終焉
現代流にいうと地政学的な危機感が日本を中央集権国家にしたわけだが、疫学的な危機によって、それは早い終焉を迎えた。一説によると、天平期の天然痘大流行で3割もの人口が減少したことも影響している。防人も班田収授も成り行...
収録日:2025/06/14
追加日:2025/09/01
世界は数学と音楽でできている…歴史が物語る密接な関係
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
数学も音楽も生きていることそのもの。そこに正解はなく、だれもがみんな数学者で音楽家である。これが中島さち子氏の持論だが、この考え方には古代ギリシア以来、西洋で発達したリベラルアーツが投影されている。この信念に基...
収録日:2025/04/16
追加日:2025/08/28