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DATE/ 2016.01.15

薬との上手な付き合い方とは?

 薬がますます身近になってきた現代。とはいえ、投薬ミスなど、ネガティブなニュースが多いせいか「身体によくないもの」「できるだけ飲みたくない」というイメージを持つ人は多いだろう。

 健康を害してしまうケースも散見される薬だが、一方で多くの命が救われたり、病気を回復させることができるのも本当のところ。化学物質を身体に入れるということは、メリットと同時にデメリットがあるということを最初から理解しておく必要があるだろう。

 そこで薬とのよりよい付き合い方を考えてみた。

お医者さんと同様、薬局にもかかりつけを持とう

 まず意識しておきたいのは、かかりつけの薬局を持つことだろう。「薬歴カード」(薬のカルテ)によって、いまどんな薬を飲んでいるのか、飲み合わせが悪くないか、同じような作用の薬が重複していないかをチェックしてもらうことができる。内科と皮膚科、耳鼻科を同じ日に受診したときなど、別の医師からぞれぞれ薬が処方されるため、かかりつけの薬局があると安心だ。アレルギーを起こしたことがある薬や、副作用の有無についても記録してもらうことができるため、同様の薬が再び処方された場合も見つけることができるのだ。

 この他、寝たきりの患者には薬を届けるサービスも充実。飲みにくい薬の場合は医師と連携して別の薬に替えてくれたりもする。じっくり薬の説明もしてくれるし、細かな悩みもていねいに聞いてくれるから、ありがたい。

 病院が近所にない場合、診察してもらった病院の近くの薬局に駆け込んでしまうケースが多いが、かかりつけの薬局をつくっておけば、薬に関する情報の一元管理ができ、投薬ミスなどを防ぐことにつながるのだ。

病院に行くときは「おくすり手帳」も忘れずに

 とはいえ、「残業が多くて近所の薬局はいつも閉まっているから、かかりつけを決めるのは無理」という人もいるだろう。そこで役立つのが「おくすり手帳」。薬局に行くと「持っていますか?」と聞かれることも多いだろう。

 処方せんと一緒に渡しておくと、薬の使用状況を記録してくれたり、すでに処方されている薬などもチェックしてくれるので、悪い飲み合わせや重複を避けることにつながる。「何冊もたまってしまった」という人も、薬に関するデータベースとして1冊にまとめておきたい。市販薬やサプリメントについても書いておけば完璧だ。医師の診療を受けるときに「いま、飲んでいる薬はありますか?」と聞かれることもあるため、持病のある人は持っていると安心できる。

 毎日をより快適に、健康的に過ごしていくために、薬に関してもプロの力を借りながらうまくつきあっていきたいものである。

<参考サイト>
東京都福祉保健局│薬との上手なつきあい方
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kenkou/iyaku/tukiaikata.files/tukiaikata2014.pdf
日本調剤「お薬手帳」活用のススメ
http://www.nicho.co.jp/prescription/book/
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今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授