社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
ピークは40代で1000万円?銀行員の年収を徹底分析!
かつては安定したエリートの代名詞だった銀行員だが、金融再編の大波で様子は一変した。そのドロドロした内実に焦点をあてたのが、ドラマ『半沢直樹』だったと言われている。外面と内面の違う業界だが、給与面はどうなのだろう。
東京商工リサーチの調べでは、国内銀行101行の平均年収は612万円(2015年3月期)。これが高いのか低いのか、その実態を調べてみた。
調査対象となった101行の内訳は、大手行7行、地方銀行59行、第二地銀35行。大手行の平均が747.7万円であるのに比べ、地銀632.5万円、第二地銀560.7万円と差は歴然だ。
ただし、従業員の平均年齢別で見ると、三菱東京UFJ銀行(同38歳、791.6万円)、静岡銀行(同39.3歳、766.6万円)など、それぞれの年代でトップ。平均年齢の若い層では、大手行と有力地銀であまり差がない。
30代半ばまでは年功序列的にじりじり昇給されますが、以降はそれまでの実績と肩書きに応じた推移。いったんミスをするとふるい落とされるのは、金融機関の厳しさにほかならない。
有価証券報告書によると、平均勤続年数は、三井住友銀行が約13年、三菱東京UFJ銀行が約15年。定年まで勤め上げる人は少なく、支店長1200~1500万円、執行役員1500万円以上、頭取3000万円の年収に達する確率はとても低い。
一方、関連会社や融資先への出向も、ドラマに描かれた通り。20代・30代での出向は「修行」の意味合いもありますが、50歳の声を聞く頃になると「片道切符」と呼ばれる。こうなると実質年収がほぼ半減するケースもめずらしくない。
メガバンクでは、自社従業員の職位定年後の人生形成に向けて「たそがれ研修」を行なっている。数年前までは50歳で行なわれてきた研修だが、週刊ポスト2015年9月11日号の記事では「今では45歳まで年齢が引き下げられた銀行もある」との説も。ドラマによる告発を「えぐい」と楽しんでいるのは外野ばかり。当のトップはまったく動じていない様子が分かる。
東京商工リサーチの調べでは、国内銀行101行の平均年収は612万円(2015年3月期)。これが高いのか低いのか、その実態を調べてみた。
トップは三井住友銀行
平均年間給与のトップ3は、三井住友銀行=879.5万円、東京スター銀行=821.2万円、スルガ銀行=793.1万円だ。調査対象となった101行の内訳は、大手行7行、地方銀行59行、第二地銀35行。大手行の平均が747.7万円であるのに比べ、地銀632.5万円、第二地銀560.7万円と差は歴然だ。
ただし、従業員の平均年齢別で見ると、三菱東京UFJ銀行(同38歳、791.6万円)、静岡銀行(同39.3歳、766.6万円)など、それぞれの年代でトップ。平均年齢の若い層では、大手行と有力地銀であまり差がない。
銀行マンのピークは40代1000万円?
厚生労働省の統計データをもとに、銀行マンの生涯年収を追っていくと、20代:400万円、30代:600万円、40代:1000万円、50代:700万円、60代:500万円という結果。30代半ばまでは年功序列的にじりじり昇給されますが、以降はそれまでの実績と肩書きに応じた推移。いったんミスをするとふるい落とされるのは、金融機関の厳しさにほかならない。
有価証券報告書によると、平均勤続年数は、三井住友銀行が約13年、三菱東京UFJ銀行が約15年。定年まで勤め上げる人は少なく、支店長1200~1500万円、執行役員1500万円以上、頭取3000万円の年収に達する確率はとても低い。
女子一般事務職の平均年収は400万円台
ここまでの統計データはすべて男女を合わせたものだが、大手銀行の行員数の4割以上は女子一般事務職が占めている。彼女たちの平均年収400万円を差し引いて考えると、男子の平均は45歳で年収約1600万円。「高給取り」と呼んでも差し支えないだろう。出向と転勤に明け暮れる行員人生
銀行では、転勤が2~3年のペースであり、銀行マン人生の半分以上を単身赴任で過ごす人も。社宅が充実していて、首都圏の一等地にあっても家賃が相場の6分の1ほど、賃貸暮らしの人には家賃の8割が補助されるなど、一般から見ると恵まれた側面も享受している。一方、関連会社や融資先への出向も、ドラマに描かれた通り。20代・30代での出向は「修行」の意味合いもありますが、50歳の声を聞く頃になると「片道切符」と呼ばれる。こうなると実質年収がほぼ半減するケースもめずらしくない。
銀行マンの定年50歳説は本当か
運良く片道切符は免れても、55歳には「職位定年」といって昇進・昇格が止まってしまう現実を迎える。これが多くの銀行マンの実質的な定年だ。メガバンクでは、自社従業員の職位定年後の人生形成に向けて「たそがれ研修」を行なっている。数年前までは50歳で行なわれてきた研修だが、週刊ポスト2015年9月11日号の記事では「今では45歳まで年齢が引き下げられた銀行もある」との説も。ドラマによる告発を「えぐい」と楽しんでいるのは外野ばかり。当のトップはまったく動じていない様子が分かる。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
なぜ『ホトトギス』に注目?江藤淳の「リアリズムの源流」
AI時代に甦る文芸評論~江藤淳と加藤典洋(2)江藤淳の「リアリズムの源流」
文芸評論を再考するに当たり、江藤淳氏の「リアリズムの源流」を振り返ってみる。一般的に日本で近代小説が始まった起源は坪内逍遥だといわれるが、江藤氏はそれに疑問を呈す。そして注目したのが、夏目漱石の「坊ちゃん」であ...
収録日:2025/04/10
追加日:2025/07/02
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
国際政治の戦略を考える上で今やかかせない地政学の視座。今回のシリーズではヨーロッパに焦点を当て、地政学の観点から情勢分析をする。第1話目では、まず地政学の要点をおさらいし、常に揺れ動いてきた「ヨーロッパ」という領...
収録日:2025/02/28
追加日:2025/05/05
アジア的成熟国家モデルづくりへ、日本が目指すべき道とは
日本の財政と金融問題の現状(4)日本が目指すべき成熟国家への道
機関投資家や経営者の生の声から日本の金融市場の問題点を見ていくと、リスクマネーを供給するための市場づくりや人材育成等の課題が浮き彫りになる。良質なスタートアップ企業を育てるにはどうすればいいのか。今こそアジア的...
収録日:2025/04/13
追加日:2025/07/01
「イエス・キリスト」という名前の本当の意味は?
キリスト教とは何か~愛と赦しといのち(1)「イエス」とは一体誰なのか
キリスト教とは何か。「文明の衝突」が世界中で現実化する中、この問題は日本人にとっても重要なものになっている。上智大学神学部教授・竹内修一氏は、「キリスト教とは何か」という問いは、同時に「イエスとは誰なのか」も意...
収録日:2016/12/26
追加日:2017/02/28
最悪のシナリオは?…しかしなぜ日本は報復すべきでないか
第2次トランプ政権の危険性と本質(8)反エリート主義と最悪のシナリオ
反エリート主義を基本線とするトランプ大統領は、金融政策の要であるFRBですらも敵対視し、圧力をかけている。このまま専門家軽視による経済政策が進めば、コロナ禍に匹敵する経済ショックが世界的に起こる可能性がある。最終話...
収録日:2025/04/07
追加日:2025/06/28