テンミニッツ・アカデミー|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツ・アカデミーとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2016.07.18

クマだけじゃない…「人食い」生物に要注意!

 日本各地でクマ出没のニュースを聞くことが多くなりました。東北地方では山村のみならず、幼稚園や学校のある市街地で目撃されることも少なくないようです。

 今年6月のニュースでは、秋田県鹿角市十和田大湯で駆除されたクマの胃を調べたところ、中から人体の一部が見つかるという事件がありました。

 記録された事例としては、1915年12月、北海道苫前で発生した三毛別羆事件が、日本史上最悪の獣害として知られています。冬ごもりのためか腹を空かせたヒグマが数度にわたり民家を襲い、開拓民7名が死亡、3名が重傷を負ったこの事件。むごたらしくもおぞましい捕食の惨劇は忘れることはできません。

世界で報道される「人が食べられる」ニュースの数々

 このように、人を襲い喰らう猛獣といえば、日本ではクマになりますが、世界では、さまざまな事件が報告されています。

 ごく最近の事件では、米国フロリダにあるディズニーリゾートのホテル近くで、2歳の男の子がワニに襲われ、遺体で発見されたというもの。男の子の遺体はまったく損傷がなかったということで、捕食ではなかったようですが、ワニによる被害もクマ同様に惨たらしいものです。

 ナイル川に生息する巨大ワニによる被害は年間200名以上にのぼり、ウガンダで妊娠二カ月の女性がワニに湖の中に引きずり込まれ食べられた事件はよく知られているところです。

「ジョーズ」で描かれた「人食いサメ」は日本でも

 人を襲う生物は陸地のみならず、忘れてはならないのが映画「ジョーズ」で描かれた「人食いサメ」です。海外なので関係ないとはいえず、日本でも沖縄などでは、ダイビングやシュノーケリングなどマリンスポーツ中に襲われるケースも多く報告されています。

 記憶に新しいところでは、2014年、フィリピンのボホール島の海域で捕獲されたオオメジロザメの腹の中から、人の頭部と足の一部が出てきたという事件が報告されています。地元では台風で転覆したフェリーの犠牲者ではないかと推測。

 ジョーズのモデルはホオジロザメですが、それよりやや小型であるこのオオメジロザメは淡水域から浅瀬にも入り込めるため、その気性の荒さとともに人を襲うもっとも危険度の高いサメとして知られています。

 行楽シーズン到来ということで、この夏、海に山に、国内はもちろん海外リゾートにおいても、人を襲い喰らう動物たちがいるかもしれないというリスクを忘れないようにしましょう。食べられないまでも、猛毒を持つハチやヘビ、またマラリアを媒介し死にいたることもあるハマダラカなどにもご注意を!

~最後までコラムを読んでくれた方へ~
雑学から一段上の「大人の教養」はいかがですか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

日本は集権的か分権的か…地理と歴史が作る人間の性質とは

日本は集権的か分権的か…地理と歴史が作る人間の性質とは

「集権と分権」から考える日本の核心(1)日本の国家モデルと公の概念

今も明治政府による国家モデルが生きている現代社会では、日本は中央集権の国と捉えられがちだが、歴史を振り返ればどうだったのかを「集権と分権」という切り口から考えてみるのが本講義の趣旨である。7世紀に起こった「大化の...
収録日:2025/06/14
追加日:2025/08/18
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授 音楽評論家
2

スターリンクや宇宙旅行の課題とは?…民間企業の宇宙開発

スターリンクや宇宙旅行の課題とは?…民間企業の宇宙開発

未来を知るための宇宙開発の歴史(6)技術の確立、そして民間企業が参入へ

宇宙事業には民間企業が参入し始めている。有名なのはイーロン・マスク率いるスペースX社で、次々とロケット(衛星)を打ち上げている。だが、そこには懸念もあるという。はたして、どのようなことだろうか。さらに近い将来、宇...
収録日:2024/11/14
追加日:2025/08/26
川口淳一郎
宇宙工学者 工学博士
3

ウェルビーイングの危機へ…夜型による若者の幸福度の低下

ウェルビーイングの危機へ…夜型による若者の幸福度の低下

睡眠から考える健康リスクと社会的時差ボケ(4)社会的時差ボケとメンタルヘルス

社会的時差ボケは、特に若年層にその影響が大きい。それはメンタルヘルスの悪化にもつながり、彼らの幸福度を低下させるため、ウェルビーイングの危機ともいうべき事態を招くことになる。ではどうすればいいのか。欧米で注目さ...
収録日:2025/01/17
追加日:2025/08/23
西多昌規
早稲田大学スポーツ科学学術院教授 早稲田大学睡眠研究所所長
4

「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機

「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機

「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機

混迷を極める現代社会にあって、「学び」の意義はどこにあるのだろうか。次世代にどのような望みをわれわれが与えることができるのか。社会全体の運営を、いかに正しい知識と方針で進めていけるのか。一人ひとりの人生において...
収録日:2025/06/19
追加日:2025/08/13
納富信留
東京大学大学院人文社会系研究科教授
5

同盟国よもっと働け…急激に進んでいる「負担のシフト」

同盟国よもっと働け…急激に進んでいる「負担のシフト」

トランプ政権と「一寸先は闇」の国際秩序(3)これからの世界と底線思考の重要性

トランプ大統領は同盟国の役割を軽視し、むしろ「もっと使うべき手段だ」と考えているようである。そのようななかで、ヨーロッパ諸国も大きく軍事費を増やし、「負担のシフト」ともいうべき事態が起きている。そのなかでアジア...
収録日:2025/06/23
追加日:2025/08/21
佐橋亮
東京大学東洋文化研究所教授