豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
錚々たる大名たちを指南…明らかになった秀吉政権での秀長の役割
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(1)史実としての豊臣兄弟と秀長の役割
黒田基樹(駿河台大学法学部教授/日本史学博士)
豊臣と羽柴…二つの名前で語られる秀吉と秀長だが、その違いは何なのか。また、これまで秀長には秀吉の「補佐役」というイメージがあったが、史実ではどうなのか。実はこれまで伝えられてきた羽柴(豊臣)兄弟のエピソードにはかなりの齟齬がある。今回、新たに分かってきたことと照らし合わせると、その内容とともに彼らの実像とは乖離していることが判明した。2026年NHK大河ドラマの時代考証に生かされた黒田氏の研究結果をもとに、史実としての「豊臣兄弟」に迫っていく。(全10話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:13分40秒
収録日:2025年10月20日
追加日:2025年12月18日
≪全文≫

●豊臣? 羽柴?…「氏」と「苗字」はどう違うのか


―― 皆さま、こんにちは。本日は黒田基樹先生に「豊臣兄弟(羽柴兄弟)の実像に迫る」ということで、お話を伺ってまいりたいと思います。黒田先生、どうぞよろしくお願いいたします。

黒田 よろしくお願いします。

―― 豊臣兄弟(羽柴兄弟)ということで、当然、秀吉と秀長ということになってきます。この二人、特に秀吉については、1年で1回もドラマにならないことはないというぐらい、いろいろな物語が流布されています。ところが今回、先生のご本を読んで驚いたのですが、実は案外実像が分かっていなかったということですか。

黒田 そうですね。(彼らについては)江戸時代に作られた物語が流布していて、それをもとに戦後に歴史小説が書かれたり、その歴史小説をもとにドラマが作られていたりという流れになります。実際に当時の史料を元にきちんと検討するのは、比較的最近の状況なのです。

―― そうなのですか。

黒田 ですから、まだまだ全然実態は分かっていないというのが現状です。

―― なるほど。今、講義の冒頭にも、豊臣兄弟(羽柴兄弟)と、二つの名前で紹介しましたけれど、ここを最初に整理しておいたほうがいいと思います。羽柴と豊臣は、どう違うのですか。

黒田 羽柴は「苗字」、豊臣は「氏(うじ)」です。

―― 「氏」というと、どういうイメージですか。

黒田 氏というのは、藤原や源、平のように、天皇から古代に豪族ごとに与えられた、苗字といえば苗字ですが、名前ですね。

―― そうすると、例えば徳川の場合は、徳川が苗字になるわけですか。

黒田 徳川が苗字で、氏は源です。織田は、苗字が織田で、氏は平。

―― なるほど。

黒田 一般的には「源平藤橘」という形でいわれるものが有名ですが、それ以外にも氏はあります。中世に入って氏族社会の中で「家」が成立するようになると、同じ「氏」の家が分立していく。そこで、区別をするための屋号のような呼び方が始まるのですが、それが代々受け継がれていく。その結果、それが「苗字」として認識されるようになり、家の名前になっていくということです。

―― 例えば藤原氏の場合、近衛や九条のような名前もありますが、あの近衛や九条というのが苗字ということになるのでしょうか。

黒田 そうです。だから、武家であれば、あとは小山(おやま)や結城な...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)話し上手な天下人
織田信長と豊臣秀吉の関係…信長が評価した二つの才覚とは
小和田哲男
「武士の誕生」の真実(1)10世紀の東アジア情勢と「王朝国家」
武士は「お手本がない時代」だからこそ生まれた…武士誕生の真実と大唐帝国の解体
関幸彦
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
平安時代の歴史~「貴族道」と現代(1)日本の歴史における平安時代の意味
平安時代の意外な真実…貴族社会の華やかさの裏の激動と転換
関幸彦
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(35)鶴見太郎先生の公開収録を振り返る
【10min紹介】鶴見太郎先生の公開収録を振り返る・・・お寄せいただいた声
テンミニッツ・アカデミー編集部
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(1)史上最大の問題作
全米TOP10大学の必読書1位が『ポリテイア(国家)』
納富信留
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
現在の宇宙の姿(2)太陽系から星の世界へ
太陽系とその外に広がる星の世界との関係
岡村定矩
50代からの親の介護~その課題と準備(2)マネジメントとしての介護
介護を「プロジェクト」と捉え、マネジャーに徹すべし
太田差惠子