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浜松市では100以上の外国人コミュニティや市民団体が活動

浜松市の多文化共生の取り組み(3)市民団体の活躍

鈴木康友
元浜松市長/山梨県顧問/浜松医科大学顧問
概要・テキスト
多文化共生都市の形成に貢献するのは、行政だけではない。浜松市長・鈴木康友氏によれば、現在市内では100を超える外国人コミュニティや市民団体が活動し、外国人住民が暮らしやすいまちづくりに尽力している。また、総領事館や南米系外国人学校が存在するなど、浜松市内には多様な共生のための場所が形成されている。(全6話中第3話)
時間:08:39
収録日:2016/11/17
追加日:2017/01/18
タグ:
≪全文≫

●多文化共生には「市民協働」が不可欠だ


 続いて「各種関係機関・団体の取り組み」について説明します。これまでお話ししたように、外国人住民に関わる課題は多種多様で、その解決にはさまざまな分野の関係者の協力が必要です。本市では、多文化共生に関する100を超える外国人コミュニティやNPO等市民団体、関係機関が活動をしています。本市の多文化共生施策の推進母体である浜松国際交流協会が中心となり、関係機関と連携して事業を実施しているのです。そのため、より効果的で広範な取組が可能となっています。

 浜松市多文化共生都市ビジョンの推進方針でも、「市民協働」など多様な主体による連携を重視し、パートナーシップによる多文化共生の取組を推進しています。社会的課題やニーズが多様化、複雑化する中、行政だけで公共を担える時代ではありません。そこで、行政とNPO等の市民団体の協力・連携による、効果的・効率的な公共サービスの提供に、期待が一層高まっています。特に多文化共生分野は、地域の実状に合わせ、柔軟に対応していく必要性があることなどから、市民協働による取組を進めていくことが不可欠です。


●浜松市内で活動する市民団体の活躍


 本市で活動している代表的な団体を三つ紹介したいと思います。はじめに、NPO法人・フィリピノナガイサをご紹介します。この団体は、フィリピン国籍のコミュニティ団体で、フィリピン人の生活や教育を支援しています。近年、本市では、フィリピン人人口が増加しており、活動の規模も大きくなっているため、日本人支援者も多く参加して組織を支えています。

 主な事業としては、小中学生の児童生徒を対象とした就学支援教室である「ハロハロ教室」を、年間を通じて実施しています。また、大人を対象とした学習・生活支援教室として、「バヤニハン日本語教室」を実施しています。その他、先に日本に来日している親からの呼び寄せなどで増加している若者を対象とした教室を開始しています。このように支援メニューを増やして、活動の幅を広げています。

 二つ目に、静岡県ベトナム人協会の活動を紹介します。静岡県ベトナム人協会は、ベトナム人の生活や教育を支援する団体として活動しています。設立当初は難民支援を主としていましたが、現在では留学生や技能実習生の支援活動も行っています。また年間を通じて、主に子どもを対象とした日本語教室...
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