ローマ史に学ぶ戦略思考~ローマ史講座Ⅳ
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
サビニ人略奪に見られる初期ローマの「ならず者」的性格
ローマ史に学ぶ戦略思考~ローマ史講座Ⅳ(2)ならず者国家・ローマ
本村凌二(東京大学名誉教授/文学博士)
丸山眞男や塩野七生が言ったように、約1,200年続いたローマ史には、魅力ある人物や出来事が詰まっている。早稲田大学国際教養学部特任教授・本村凌二氏によれば、建国時のローマは、現在のISのような、いわば「ならず者国家」だった。「サビニ人の略奪」事件はその象徴だ。(2016年9月30日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「歴史に学ぶ戦略思考 ローマ人を中心として」より、全8話中第2話)
時間:9分39秒
収録日:2016年9月30日
追加日:2017年5月31日
カテゴリー:
≪全文≫

●ローマは世界史のブランド品だ


 今日のテーマは、レジュメにありますように、ローマ史の活用法です。私は昭和22年の生まれで、団塊世代のトップバッターのようなところにいますが、その世代が学生だった頃に大先生とされていた丸山眞男という東大の政治思想史の先生がいます。年配の方はご存知かと思いますが、若い人はもしかしたら初耳かもしれません。彼がある対談の中で、こういうことを言っています。

 「ローマ史というのは、社会科学の実験室であり、人類の経験の全てがあの1,200年ぐらいの間に詰まっている。人類が経験することは、ほとんど、あそこで1回はやっている」。こういったことを丸山さんは言っています。

 私がこれを最初に読んだ時、大学院生としてちょうどローマ史を始めたばかりの頃だったので、一つの心強い言葉として聞いていました。また最近では、塩野七生さんが1990年代から2005年ぐらいまででしょうか、『ローマ人の物語』(新潮社)全15巻をお書きになっています。これに非常に啓発された方も多いのではないかと思います。

 ここ10年ぐらい、私はローマに行くと塩野さんのお宅に連絡して、どこかで食事をします。塩野さんは、たぶん日本に来たら、いろいろな政治家や実業家の方とお会いになって、ごちそうされるのだと思いますが、私はローマで塩野さんにおごってもらっている数少ない人間の1人ではないかと思います。「ローマに来てくれたぐらいでいいわよ」と言って、毎回おごってもらっています。

 彼女が、話の中で言っていました。最初の頃、塩野さんはイタリア・ルネサンスなどの時代のことをたくさん書いていました。『海の都の物語』や『ヴェネツィア物語』といった作品を書いていたのですが、そこから急に1,500年ぐらいさかのぼって、ローマのことを執筆された。その時に、周囲から相当、質問をされたそうです。「なぜローマなの?」と。そうしたら、彼女が一言、「何言ってんのよ。ローマ史は、もう世界史のブランド品なんだよ」と答えたそうです。やはり直感的には、丸山先生が感じておられたようなことを塩野さんも感じていた。おそらく彼女は、実際にはもっと以前から自分のライフワークとしてローマに取り組むことを考えていたのでしょう。


●独裁者を嫌うローマは、共和政を選んだ


 紀元前753年、七五三ですから覚えやすいと思いますが、この年にローマが建国され...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
平安時代の歴史~「貴族道」と現代(1)日本の歴史における平安時代の意味
平安時代の意外な真実…貴族社会の華やかさの裏の激動と転換
関幸彦
「武士の誕生」の真実(1)10世紀の東アジア情勢と「王朝国家」
武士は「お手本がない時代」だからこそ生まれた…武士誕生の真実と大唐帝国の解体
関幸彦
『江戸名所図会』で歩く東京~日本橋 (1)日本橋に見る徳川家康の手腕
徳川家康と江戸の町づくりー江戸時代の「日本橋」の姿とは
堀口茉純
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
家康の人間成長~戦略性をいかに培ったか(1)今川「人質」時代と今川義元の思惑
徳川家康の秘密…「辛抱」イメージとは異なる自由奔放な人質時代
小和田哲男
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(36)宮脇淳子先生「満洲史」講義の要点
【10min解説】「満洲史」はタブー?…そこから見えてくる教訓とは?
テンミニッツ・アカデミー編集部
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(6)認知症予防と健康寿命の延伸に向けて
フレイル・サイクルは回り出したら抜けられない!?負のスパイラルへの対処法
小川純人
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
優れた経営者の条件(1)スキルとセンスの違い
経営者のセンスは担当者のスキルとは全く違う
楠木建
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏