創造的な場を支える仕組みを研究する
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
Wikipediaが他サイトと違って成功した理由
創造的な場を支える仕組みを研究する(2)Wikiの登場
江渡浩一郎(産業技術総合研究所 主任研究員/デジタルハリウッド大学大学院 特任教授)
メディアアーティストで国立研究開発法人産業技術総合研究所知能システム研究部門主任研究員の江渡浩一郎氏を悩ませた問題は、共創プラットフォ-ムがどのようにして生まれるかが分からなかったことだ。だが、江渡氏はアレクザンダーのパターンランゲージに着目することで、それがWikipediaの成功につながったと解明した。その歴史の解説に耳を傾けよう。(全10話中第2話)
時間:9分51秒
収録日:2018年4月19日
追加日:2018年10月29日
≪全文≫

●Wikipediaの仕組みを使って成長したのはWikipediaだけ


 前回述べたように、共創プラットフォームの研究を続けてきましたが、非常に難しい問題があります。それは、共創がどのように生まれるかが、なかなか分からないことです。

 例えばWikipediaの例を取りますと、Wikipediaは非常に巨大で有名な存在になりましたが、これが2001年に誕生し、広まりかけた頃、多くの人がトライしました。わが社もWikipediaのような仕組みのものを作れば、多くのユーザーが参加して勝手に育ててくれたりする、と考えたところが多かったので、実はその頃Wikipediaのようなサイトがとても多く立ち上がりました。ですが、実際にはそれらはほぼ全て失敗しました。ですので、Wikipediaの仕組みを使って成長していまだに残っているのは、ほぼWikipediaだけだといえます。

 なぜそんなことが起こるのでしょうか。Wikipediaという仕組みはとても単純なもので、システムに何か不思議があるわけではありません。しかし、その使い方やルールが他と違って何らかの独創的なものであり、だからWikipediaは成長していったに違いありません。では、なぜその条件の違いが生まれるのか。それが気になり、調べてみました。


●クリストファー・アレクザンダーの「パターンランゲージ」


 これは『パターン、Wiki、XP』(江渡浩一郎著、技術評論社)という本ですが、ここではクリストファー・アレグザンダー氏のパターンランゲージという考え方に端を発し、ソフトウェア開発業界で生まれた、ある革新的な考え方がWikiに引き継がれていると考えています。それを、順に説明したいと思います。

 クリストファー・アレグザンダー氏はとても変わった建築家です。何が変わっているかというと、建築家なのに建築家が要らなくなる手法を開発したことです。彼は、建築家ではなく、ユーザーが直接、自分で作りたい建築を設計すると考えました。そうすると、ユーザーが自分の作りたい建築を設計するから、建築家は要らなくなります。

 なぜこのように考えたかというと、それは、どのような建築が望ましいかはユーザーが一番よく知っているはずであるという考え方によるものです。ですので、建築家が要らず、ユーザーが自分で...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
プロティアン~最先端の自律的キャリア形成(1)変幻自在のキャリア論
なぜ第二の人生のためにキャリアの棚卸しが必要か~組織から自律へ
田中研之輔
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
江上剛
生き続ける松下幸之助の経営観(1)今も生きている幸之助
松下幸之助の考え方には今と昔を貫くものがある
江口克彦
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
組織心理学~若者とのコミュニケーション(1)「Z世代」の特徴と接し方
Z世代は傷つきやすい!?…昔の世代との相違点、共通点とは
山浦一保
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治

人気の講義ランキングTOP10
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(5)羽柴軍団の戦い方
長期包囲戦が得意!?“軍事的天才”秀吉の戦い方の特徴
黒田基樹
逆境に対峙する哲学(6)分別からの超越
ネガティブ・ケイパビリティとは?信じて待つことの意味
津崎良典
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
メンタルヘルスの現在地とこれから(4)3つの予防と4つのケア
「1on1」の効果は?メンバーの不調を見逃さないためのケア
斎藤環
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(3)DSA化した民主党と今後の展望
DSAの民主党乗っ取り工作…世代交代で大躍進の可能性
東秀敏
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(3)言語モデルと「自己教師あり学習」
正解がタダ!?大規模言語モデルの「自己教師あり学習」とは
岡野原大輔
平和の追求~哲学者たちの構想(6)EU批判とアメリカの現状
理想を具現化した国連やEUへの批判がなぜ高まっているのか
川出良枝